PEST分析とは何か?
フィリップコトラーが提唱したPEST分析
PEST分析とは、フィリップ・コトラー氏が、環境分析の重要性を説いたものです。
コトラーは、「調査をせずに市場参入をしようとするのは、目が見えないまま市場参入をするようなもの」として、外部環境の重要性と、それを知るためのツールとしてPEST分析を提唱しました。
フィリップ・コトラー氏は、ノースウエスタン大学、ケロッグ経営大学院の教授であり、
経営学者であり、マーケティングの第一人者でもあります。
日本でも数多くの著書が翻訳され、読まれています。
マーケティングの概念を、誰にでもわかりやすいように、いろいろなフレームワークをつかって解説したことから、「近代マーケティングの父」とか「マーケティングの神様」などと呼ばれています。
コトラーは、マーケティングを、生産物を処分するだけの技術としてとらえるのではなく、顧客にとっての価値を生み出す活動としてとらえました。
また、マーケティングを、顧客の生活向上を支援する活動と、位置付けたり、刻々と変化していく人々のニーズを、収益に結びつける活動なのだと説きました。
そんなコトラーが提唱したマーケティング分析手法の一つが、PEST分析です。
経験上、マーケティングやビジネス関連のフレームワークの勉強には、イラスト動画が一番効率的だと思うので、作ってみました。PEST分析と4つの環境要因
PEST分析では、Politics、Economy、Society、Technologyの4つの要因を分析します。
それぞれの頭文字をとって、PEST分析といいます。
精緻な分析をすることによって、時代にあった製品やサービスの開発ができ、生き残りを図ることができると言われています。
つまり、自社の勝手な思惑や、都合に捉われることなく、以下の4つの環境要因を調査することで、世の中の動きや、時代の大きな流れを読み解き、新しい商品やサービスを柔軟に開発することができたり、顧客に自社製品を知ってもらうために必要な活動を行えたり、将来起こりうる課題などを、事前に、見極めることができるようになったりすることができるといわれています。
- 政治的(Politics)
産業界を規制する法律や規制など、自社単独のロビー活動でのコントロールが届かない決定事項や変化。国会での審議状況、国際世論、政局の動きなどは、自社でコントロールすることはできないが、その結果、自社の経営方針や戦略が受ける影響は甚大なことが多い。 - 経済的(Economy)
国内外の経済状況など、自社単独の経営活動ではコントロールできない経済活動の動向。景気や家庭あたりの可処分所得、消費者人口や労働力、企業の設備投資・購買力、支出パターンなどは、自社でコントロールすることができないが、その結果、自社の売上や利益が受ける影響は甚大なことが多い。 - 社会的(society)
社会的課題など、自社単独の(広い意味での)社会貢献活動だけではコントロールできない社会の動き。消費者の価値観や知覚、好み、態度、企業の倫理観やポリシーなどは、自社でコントロールできないが、その結果、自社のビジョンや社会的役割が受ける影響は甚大なことが多い。 - 技術的(Technology)
技術革新など、自社単独の研究開発活動だけではコントロールできない技術トレンド。テクノロジーのスピードや方向性、研究開発投資総額などは、自社でコントロールできないが、その結果、自社の商品開発やビジネスモデルが受ける影響は甚大なことが多い。
なぜPEST分析が必要なのか?PEST分析の目的
ビジネスをしている以上、様々な変化に対応できることが必要です。そこで、自社を取り巻く外部環境が変化しても、勝ち抜いていくために必要な情報を集めるということが重要な活動となります。
そこで出てくるのがPEST分析です。
PEST分析の目的は、集めた情報の中から今後起こりうる市場の変化を予測し、自社のマーケティングにどのように影響するのか、また同業他社に与える影響を明らかにし、今後の事業の方向性を探りだすということです。
PEST分析は、自社業界が受ける社会全体のつまり大きなまとまりの変化や影響を4つの観点から正確に洗い出し、成長を期待できる有効な戦略に繋げる事を目的としています。主に、自社ではコントロールできない世の中の流れを具体的に知ることが目的です。
言い換えると
- 今後起こりうる外部環境の変化や事業に影響を与える要因を見落とさないこと
- 時流に乗り遅れないよう自社を取り巻く情勢の変化を察知・予測すること
- 中長期にわたり外部環境を把握して、定期的に仮説を立て不測の事態に備えること
- 新たな環境下でも対応できるよう準備し、いち早く立ち位置を確保し競合他社の優位に立つこと
が主な目的となります。
正しくPEST分析を行うことにより外部環境や時流の変化に乗り、自社への影響を最小限に抑え経営面での破綻を防ぐことができます。
実際には、世の中の変化は、仮説は立てるけれども常に未知数で予測不能なのが現実です。
それでも時流の方向性やトレンドはある程度予測できる部分もあります。予測のための材料集めのツールの一つと捉えると良いでしょう。
マクロ環境を対象とするPEST分析
外部環境要因には、「マクロ環境」と「ミクロ環境」の二つがあります。
マクロ環境とは社会全体の動向や現況を指し、ミクロ環境は自社の含まれる業界の状況や競合他社の現況のことを示します。
同じ外部環境であっても、自社のみの独力でコントロールすることがほぼ不可能であるのがマクロ環境であり、やはり自社のみでコントロールするのは困難でありつつも、若干の影響を与えることができるのが、ミクロ環境といえます。
要するに、自社からステークホルダーへの距離(物理的にも、心理的にも)が遠く、大勢いて、しかも自社と相手の力関係が自社に弱い環境のことをマクロ環境とし、その程度が小さいのがミクロ環境なのです。
外部環境には多種多様な要素がありますが、PEST分析で取り扱うのは、市場に影響を与える外部環境として、4つの外部環境要素にフォーカスして分析を進めます。
それらが上述の、政治的要因(Politics)、経済的要因(Economy)、社会的要因(Society)、技術的要因(Technology)の4つなのです。
ちなみに、余談ですが、PESTの4つに「E: Enviromental factors(環境的要因)」「L: Legal factors(法律的要因)」を加え「PESTEL分析」と称されることもあります。しかし「環境的要因」はPESTの「S:社会的要因」に含め、法律的要因は「P:政治的要因」に含むことが一般的です。
ちなみに、ミクロ環境の分析にはファイブフォース分析を使います。
ファイブフォース分析は、PEST分析が扱うよりも比較的身近な業界内外の競争環境の激しさを把握することで、主に利益確保の可能性を分析する目的で行われます。
具体的には、「買い手の交渉力」「供給企業の交渉力」「新規参入業者」「代替品の脅威」「競争関係」の5の要因について、それらの変化が市場にどう影響するかを分析します。
経験上、マーケティングやビジネス関連のフレームワークの勉強には、イラスト動画が一番効率的だと思うので、作ってみました。
PEST分析の役割
PEST分析に何が期待できるか
PEST分析とは、自社を取り巻く多種多様な動きを理解し、現在から未来にわたって、これらの外部要因が、自社に、どのように影響を及ぼすのかを把握し、予測するための分析ツールです。
PEST分析を行うことで、
- どの分野に、どうやって参入するか
- 自社にどんな影響があるのか
- 成長性は見込めるか
ということを予測、整理することができるでしょう。
マクロ環境を中長期的に分析し、どの変化が自社に大きく影響するのかを見極め、将来について予測していく道しるべを得るものとして用いられます。
未来を予測することがPEST分析の本質的な役割なのです。
機会と脅威を見極める
PEST分析により、機会(=ビジネスチャンス)と課題(=脅威やリスク)をいち早く発見し、強靭なマーケティング戦略を立てるのが、分析の目的であり、PEST分析を行う意味はそこにあります。
たとえば、PEST分析の4つの要因のうちでも、近年、ITやデジタルテクノロジーといった技術的要因の変化により、ブランディングやマーケティングの手法が刻々と変化を遂げてきました。
これからもテクノロジーの変化が競争ルールの土台を変えている状況が続くと考えられますが、テクノロジーの変化は技術開発やイノベーションのみによって起こるのではありません。
背景には、技術以外のPESTの残りの3つの要素(政治、経済、社会)が複雑にしかも有機的に影響しあっているのです。
深遠な相関を見抜き、ライバルよりも先を目指すためには、テクノロジーだけではなく幅広いマクロ環境の分析が必要なのです。
時代の流れ、トレンドに乗る
どんなに良いものを作り、良いサービスを提供しても、世の中には自分たちの努力だけでは解決できない問題があります。
自分でコントロールできない問題や自助努力だけでは解決できない課題。主に、自社の社内の範疇を超えた、大きくて、大勢のステークホルダーの関与がある課題。それらがマクロ環境です。
もしかしたら、その自分たちでコントロールできない問題の本質を見極めて、それら外的要因をいかに自社の利益に繋げるのかが、「経営戦略」の本質なのかもしれません。
PEST分析では、4つの要因それぞれに大量の情報を集めます。
その情報の中から、これまでの動きとこれからの進む方向を読み解き、自社のマーケティングに生かすことで、時代の流れやトレンドを探るのです。
誤解を恐れずに言うと、時代の波に乗りトレンドに乗っていくためのフレームワークが「PEST分析」なのです。
PEST分析のやり方、進め方のポイント
1.目的の再確認
まず第一に「何のためにPEST分析をしたいのか」をはっきりさせます。
PEST分析の主な目的は、主に環境変化から「事業機会を見出す」か「自社にとってのリスクを見出す」のいずれかです。
PEST分析を行い、競争環境を把握し現況をクリアにし、今後起こりうることを予測し、自社にとって最良の戦略を立てるための準備をするということです。
自社を取り巻く環境を何のために調べるのかを明確にしておかないと、情報を集めること自体が目的になってしまいかねません。
あたり前のように聞こえるかもしれませんが、作業に没頭していると目的を見失うのは、よくある話です。
競争環境の変化を予測することで最良の戦略を描くには、そもそも自社の課題、自社が属する課題といった課題意識をもってPEST分析をすすめないといけません。PEST分析の目的として以下のような事柄が考えられます。
- 市場の変化をつかみ事業機会につなげる
- 市場の変化を見逃さず、自社にとってのリスクに備える
2.4要因の情報収集
次が、情報収集です。
新聞やネット記事などの各種媒体、あるいは関係各所からヒアリングするなどして、「P(政治的側面)」「E(経済的側面)」「S(社会的側面)」「T(技術的側面)」の各要素に該当する情報を集めます。
集め方は、ただ漠然と検索したり新聞を眺めたりするのではなく、ある程度的を絞って集めないと、情報の海を漂流することになりかねません。
情報収集に慣れていない場合は、まずは、自社と関連のある業界団体や学会、業界リーダー(大手企業)の研究開発の動向などと市場調査のレポートを活用するなどするとよいでしょう。
ただ、情報は鵜呑みにせずに、ある主張に対しては、それに反対する意見も集めたり、根拠となる数字や論拠を探すなど様々な意見を幅広く集めることで検証しながら収集するようにします。
仮説と検証を繰り返し、情報を分析していくことで、今後の動きを正確に予測することができるようになるでしょう。
この段階では、情報の精査は行いません。
3.機会と脅威に分類
次に、分類した情報をさらに「機会」と「脅威」に分けていきます。
ここでポイントとなるのは、集めた情報というのは、発信者の主観が入っているということです。このような情報をうのみにしたり、一面的な見方をしないで、自分の意思を持って情報を分類することが重要です。
視点を変えると脅威に見えていたものが機会に変わることもあり得ます。
つまり情報を分析する際には、「脅威と見えるが機会とすることはできないか?」という点にも目を向ける必要があるのです。また「脅威を機会として生かすためには、どのような条件が必要か?」を意識することも必要です。
そこで、たとえば、集めた情報を以下の切り口で分類します。
- 自社にとって<都合の良いこと>と<都合の悪いこと>に分ける
- <目先で変わりそうなこと>と<遠い将来変わりそうなこと>で分ける
など、まだまだ他にもあると思います。
目的に合った有意義な分類を心がけましょう。
4.変化の蓋然性を確認する
PEST分析は、過去の分析をするのではなく未来の予測をするために行います。
PEST分析に対する蓋然性とは、自分が立てた仮説が、将来起こり得るか否かについての確からしさを、PESTで集めてきた情報から推測することです。
これから起こることを正確に予測することは難しいですが、「どのくらいの蓋然性があるのか?」を予測することは不可能ではありません。
たとえば、蓋然性の高さを検証する際の視点は、以下の2点があげられます。
「将来起こりうる変化」を示す証拠の多さ
例えば、少子高齢化を例にとってみます。
日本の総人口は幕末より近年まで増加を続けてきました。しかし1970年台の後半から少子高齢化の影響で、人口の増加率が低下しています。
具体的な人口の推移は、「日本の将来推計人口」に見ることができますが、今後も日本の総人口は急速に減少していくとみられます。
この事から未来の予測をする場合、親世代の人口減少による出生率の低下、そして高齢者の増加に伴って死亡数も増加していることから人口減少が裏付けられます。
つまり、予測した状況を裏付ける具体的な統計や指標があるかどうかなどの証拠の多さが、蓋然性を決める証拠となります。
間本来の根源的な性質に則しているかどうか
「人間本来の根源的な性質」というのは、以下のようなものです。
- 生活者がより得する方向の変化
- 生活者がより便利になる方向の変化
- 生活者がより直感的にわかりやすくなる方向の変化
- 生活者がより幸福になる方向の変化
上記の項目を複数満たしている場合、その変化の蓋然性は高くなります。
5.時間軸を意識して分類する
PESTによりマクロ環境の変化を見ていく場合、自分が考えているのが短期の見通しなのか長期の見通しなのかを区別しておくことが重要です。
短期的な課題は、施策の見直しで解決できることも多く、重大な問題は起こりにくいものです。
しかし長期的な課題は、構造的な問題をはらんでいるだけに方向性を誤って選択することにもなりかねません。人はとかく目先の課題に心を奪われる傾向にあり、長期的課題に目を背けがちです。
蓋然性の高いPESTの変化を捉えることができれば、中長期的な取り組みも可能となります。
PEST分析をする際に、トレンドを意識するなら時間軸の分析も加える必要があります。
- 現在はどうであるのか
- 過去はどうだったのか
- 未来にどうなるのか
自社の動きと外部環境の動きを見比べ、自社の進むべき方向性を見出すためには必要な作業です。時間軸を加えることで客観的な将来の事業戦略を立てることができるようになります。
トレンドと一言で言っても「一時的なもの」と「中長期にわたり続いていくもの」とに分けることができますが、この区別をしていくことも必要で、一時的なトレンドの場合、そのトレンドには乗らないという選択肢もあります。
つまりPEST分析で導き出したマクロ環境の変化が、短期のトレンドなのか、中期のトレンドなのか、長期のトレンドなのかを考えることも戦略を考えていく際の一つの大切な指針となります。
上記の分類した情報を4つの要因について、「機会とリスクのどちらに該当するのか」を見極めます。
この段階が一番大切で、自社を取り巻く市場環境に潜むビジネスチャンス=機会とリスク=課題を明らかにすることで、より効果的なマーケティング戦略を打ち出すことができます。
PEST分析の4つの環境要因の説明
実はPEST分析は漫然と情報収集を進めていると、膨大な情報量となり、分析の方向性を見失うなど、迷走しがちな分析ツールとしても知られています。
より効率的に分析を進めるために、ここではPEST分析の4つの要素ごとに、調査概要と調査項目、トレンドや変化に与える影響、そして分析例を示します。
政治的要因
調査する内容
Politics、つまり、政治的要因とは、法律や税制、公的な支援制度や国際的な動向などを指します。税制改革や規制緩和などは、市場競争の前提とも言えるルールそのものに、多大な影響を与えます。
そこで、基本的には、法律や条例、規制など行政レベルのルール変化について情報を集めます。政治的要因の変化によっては、市場競争の前提となる競争ルールそのものが変化されることもあります。
とくに、
- 法律や税制の改正
- 公的な支援制度の改編
- 国際的な政治情勢の変化
などは、自社の事業活動を広げたり、制限したりします。
公的支援制度が充実された場合などは、迅速に対応するなどして、大いに活用したいものです。
また、自社の業界に対する規制などは、一見ネガティブにとらえがちですが、適切な対策をとることで、競合他社に対して優位に立つ可能性も秘めています。
調査項目
政治的要因は、行政面から市場環境を調査しますが、どの企業にとっても常に影響を受ける要因であり、避けることはできない要因でもあると言えます。
政治的要因が環境変化に影響を及ぼす要素を例示すると、以下のようなものがあげられます。
- 国内の法律、法改正
- 裁判制度、判例
- 規制緩和、規制強化
- 国際間での条約
- 税制の見直し
- 政権交代、政局の動き
- 政局の動向
- 行政、政党、政治、政権体制などの動向
- 公的補助、助成、公共機関の動き
- 選挙、政治団体、デモ
- 政治思想の潮流、変化
- 補助金制度・交付金制度・特区制度の変化
「市場のルールを変化させるもの」と捉えることができます。
トレンドへの影響力
上述の通り、政治的要因は一企業が独力で変えられるものではないにもかかわらず、企業活動には大きく影響を及ぼします。
そのため、どの企業も法律や税制についての改正動向を捉え、新しい法律が施行される場合には自社の対応を予測しておく必要があります。
わかりやすいのは消費税の増税です。
消費税増税後には一般消費者の消費意欲が落ち込みます。特に贅沢品などは買い控えをする傾向にあります。反対に増税前の駆け込み需要が起きることは、よく知られています。
つまり原価や売値が高いものほど政治の影響を受けやすいと言い換えることができます。
分析例
ビールを例にとってみます。
今では一般的になっている発泡酒や第3のビールと呼ばれる飲料の存在。これらは酒税が細分化されているところに商機を見出し、開発が進んだ例と言えます。
少しでも安く飲料を購入したい消費者にとっては、少々味が落ちても「背に腹は変えられない」と酒税の安い発泡酒や第3のビールが浸透してきました。その後はどちらも開発が進み、ビールと発泡酒・第3のビールの味の差が遜色ないほどになってきました。
ついに税制一本化の議論も始まってしまいましたが、企業努力が税制を味方につけ売上という結果を出した例と言えるでしょう。
また、2015年、食品業界では機能性表示食品が解禁となりました。
それまで「トクホ(特定保健用食品)」や自己認証が必要だった「栄養機能食品」は、個別認可が必要でした。この規制緩和により、機能性表示食品は、事前届出のみで機能性の表示が可能となりました。
現在、数多くの機能性表示食品が販売されています。
この規制緩和が食品業界にもたらしたことは、食品業界内だけでの競争ではなくなり、他の業界例えばサプリメントの販売元などとも競争をすることを余儀なくされることとなりました。
この規制緩和による変化を察知し、早くから準備を進めたブランドにとっては大きなビジネスチャンスとなりました。反対に、対応が遅れたブランドにとっては自社の市場が縮小される脅威と向き合うこととなりました。
それまで法律によって守られてきた「食品の機能性表示」の解禁は、消費者に明確に示されることから、機会をとらえたブランドと課題を残したブランドに分かれることとなりました。
このように、事例からも分かる通り、政治的要因の変化は市場の競争ルールそのものに変化を及ぼします。それまでの商習慣は通用しなくなる可能性があるということです。
特に税制の変化は、消費者の経済活動をも変化させる可能性が高く、何もしなくても売れていたものがぱったりと売れなくなるということも考えられる事態です。つまり、政治的要因を無視して生き残ることはできないのです。
経済的要因
調査する内容
次は、Economy、つまり、経済的要因の分析です。ビジネスを継続させるためには、物価や為替動向などの経済動向変化に目を光らせる必要があります。
生活者の支出動向や経済活動を無視してしまうと、気づかないうちに自社ブランドが陳腐化してしまっていたといったこともありえます。
また、経済的要因では、消費者の購買意欲・購買傾向に、目が行きがちですが、仕入れコストや製造コスト、輸送コストや人件費などの変動に影響を与える要因を、国内だけでなくグローバルな視点に立った傾向分析と対策も必要とされます。
デフレで成長する会社もあれば、インフレで成長する会社もあります。
世上のイメージや雰囲気から、社会全体の景気が良いように見えても、自社業界はその波に乗れていないこともあります。
成長戦略の実施については、自社に影響を及ぼす要因が何かを踏まえたうえで、経済の動向をよく見極め、適切なタイミングで適切な戦略を、立てる必要があるのです。
調査項目
経済的要因では、実際の景気、物価、為替に加え経済成長率や原材料の価格変動といった経済動向を分析します。
代表的な調査項目として、以下が挙げられます。
- 景気や株価
- 国際動向
- 物価(デフレ・インフレ)
- 雇用情勢
- 設備投資
- 賃金動向、就職率、就労人口の推移、労働形態の変化
- 株価、為替、金利、貯蓄率
- 家計、物価、消費動向、トレンド
- GDP、経済成長率
- 労働人口、消費人口
など
経済的要因では、景気や株価、物価また雇用情勢や賃金の動向などを分析しますが、その一方で景気や経済成長などは、「価値観の連鎖に影響を与えるもの」と見ることができます。
トレンドへの影響力
経済的要因は、経済成長率や個人消費の動向のみならず株価や金利、為替市場の推移などの影響を受けます。他国の情勢により突発的に乱高下することもあり、予測が難しい側面もあります。
例えば輸入に頼るガソリンの価格は、為替の変動により上下しています。特に高騰した場合には、中小の自動車貨物運送業などでは倒産に至る企業が出てしまうほどの影響を受けます。
直接的に影響を受けるガソリンの他にも、小麦やトウモロコシ、オレンジなども為替の変動の影響を受けやすいと言えます。
分析例
食品の製造業では、日々の為替変動が輸入コストの変動につながります。また、労働力不足の解消のため、より良い人材を確保するためには現状より高い賃金を支払う必要があることから、人件費の上昇が見込まれます。
コスト・リーダーシップ戦略をとっている場合、こうした人件費の上昇は、大きな問題となります。
人件費の上昇は、売上に対するコストの占める割合に大きな影響を与えるので常に観察が必要と言えるのです。見誤ると、間違いなくその後の利益率の低下に直結するでしょう。
場合によっては、低価格をやめ高級志向の品にシフトするなどの対策が必要になるかもしれません。
また、人件費だけでなく、天候の変動により収穫量が変動するため、原材料として仕入れる側にとっては、価格の変動には常に気を配る必要があります。
食品の原材料を確保するためには、天候や災害に気を配るだけではなく、原材料の価格変動要因や経済構造(第一次産業の産業構造など)にも注意する必要があるのです。
原料を輸入するとなると収穫量だけではなく為替の変動も価格に影響します。
このように、すべてのビジネスは、働く人と商材(商品やサービス)があって成り立ちます。したがって、人や原材料の需要と供給のバランスは、自社に影響を与える経済的要因の代表的な要因のひとつといえるでしょう。
経済的要因を俯瞰的、網羅的に把握することが重要なのがお分かりいただけると思います。
社会的要因
調査する内容
Society、つまり、社会的要因では、生活者のライフスタイルの変容や意識・価値観の変化を捉えます。消費者の需要構造そのものが変化することで、自社の取るべき生産活動も影響されるはずです。
近年では、SNSなどの広がりにより、人間関係のつながり方も変化してきましたが、これらの社会的な変化は、生活者の購買活動に大きく影響を及ぼします。
また、世の中のトレンドの変化で、それまでの常識は通用しなくなることもあります。
時代の流れに、乗って行くだけではなく、社会的変化を先読みすることによって、新たな流れを作り出すきっかけや要因、方向性を見い出せるかもしれません。
調査項目
上述のとおり、社会的要因では、生活者のライフスタイルの変化や意識や価値観の変化などを分析します。
代表的な調査項目として、以下が挙げられます。
- 人口の増減、属性の変化、人口密度
- 高齢化、少子化
- 世帯構成の変動
- 犯罪や地球環境などの社会問題
- 流行、世論
- 社会インフラの整備状況
- 災害、事件
- 言語、文化、教育、宗教
- ライフスタイルの変化
- 国勢
- 価値観の変化
- 時間の使い方の変化
- 治安や安全保障
- 自然環境
他
社会的要因は、「需要創造の基盤や構造に影響を与えるもの」です。
たとえば、人口の増減、世帯構成の変動、文化・流行、犯罪や地球環境などの社会問題、世論、教育、宗教などは、社会的・個人的ニーズに直結するものも多いでしょう。
トレンドへの影響力
社会的要因は、少子高齢化など、社会のあり方そのものが変化し、すべての人が影響を受けやすい要因です。他にも女性の社会進出や流行の変化なども消費活動の変化を招きます。
かつて高度経済成長期に、女性の社会進出が叫ばれ、女性の雇用が活発になってきた社会的変革がきっかけで、家事の中心を担った主婦の調理時間を軽減するために、半調理品やレトルト食品や冷凍食品などが普及することとなりました。
社会的な変革と世の中の状況に合わせて商品構成を考えると、ビジネスチャンスを見つけることができるはずです。
分析例
社会的要因で近年一番の関心事は、少子化かもしれません。
教育産業の例でいうと、少子化は、塾経営や学校経営などの分野では特に大きな問題となります。
少子化が進めば生徒数の確保が難しい学校も出てくることが考えられます。
しかし、一人当たりの教育費を多く捻出できる家庭の需要を見込むことで逆に大きなビジネスチャンスともなりえます。
食品業界の例でいうと、未婚者の増加、離婚者の増加、単身高齢者の増加が顕著で単身世帯への対応が必要となっています。
食品業界では、この単身世帯の増加を好機として「小容量化」や「小分け包装」の商品を増やすなどの動きが盛んです。また働く女性の増加により、買い物に時間がかけられないなどのニーズから、ネットスーパーの利用者が増える、時短商品の需要が生まれるなどの変化が見られます。
それまでの「まとめて買うとお得」な商品は、時代に合わなくなってきています。
生活者の価値観は刻々と変化しています。
流行の変化や少子高齢化などの家庭環境の変化だけではなく、不要不急なものは買わないというような購買活動そのものの価値観の変化などもあります。
給与の上昇が見込めないなどの環境下では、どんなに魅力のある商品を提供しても効果が出ない場合があります。
また正規雇用が減り、時間外労働がブラック企業として嫌われるようになったことなどから労働力の不足も深刻です。時間給労働者の増加でサービス早出やサービス残業などはもってのほかで、そういった時間に片付いた業務が事業そのものに使える時間を減らし、経営を圧迫する一要因にもなっています。
消費者の購買活動もバブル期のような「大きく稼いで大きく使う」流れは去り「少なく働いてつつましく暮らす」というような価値観の若年層が増えていることも消費行動の変化として現れています。
正社員でも昇給が見込めない、時間給で給与収入が増えない若年層が増えていることからそれまで当たり前に売れていたものが、簡単には売れない時代になりました。
これらのすべてが需要構造の変化につながっています。
技術的要因
調査する内容
Technology、つまり、技術的要因では、商品開発技術や生産技術、マーケティング技術の変化についての情報が必要です。
こちらも市場競争の前提となる競争ルールやKSF(重要成功要因)に大きな影響を及ぼすことがあります。
調査する内容は、主に、多様なビジネスチャンスをはらんだ、技術革新の動向が分析の対象です。
技術の進化は、あらゆる分野で、ビジネスチャンスを生みます。進化のスピードも一定ではなく、時に想像を超えた進化を、もたらすこともあります。
そのため、日々の情報だけではなく、開発途上の技術についても、予測し、対策していくことが、求められます。
また、次世代技術の出現や、モデルチェンジなど、タイミングをのがさず、事業戦略を構築することで、競合他社に差をつける好機ともなりえるでしょう。
調査項目
技術革新は、日々新たな可能性を生み出していると言っても過言ではないでしょう。新しく情報をキャッチした技術が自社の製品開発に活用できる技術なのか、そうでないのか情報収集の精度にかかっていると言えるでしょう。
代表的な調査項目として、以下が挙げられます。
- 技術開発(イノベーション)
- イノベーションの普及度
- 技術投資レベル
- テクノロジーや技術の進化
- ビジネスの自動化
- 特許
- シェアリング
- ビジネスモデル
- ITインフラ
- ビッグデータ、デバイス
- IoT技術、エッジ
- ITロードマップ
- スタートアップ動向、イノベーション
- 設計技術
- 研究開発技術
- 生産技術
など
IT投資・開発などは、特に「企業間の競争」に影響を与えています。
技術の進化は、あらゆる分野でビジネスチャンスを生みます。進化のスピードも一定ではなく、時に想像を超えた進化をもたらすこともあります。
トレンドへの影響力
技術的要因では、技術トレンドが企業の存続にまで影響を与える場合があります。
特に、一度経験してしまうと、昔のやり方には戻れない「不可逆的」な変化があった場合には、注意が必要です。
たとえば、インターネットやスマートフォンの普及などがそれです。
これらの技術革新によって、私たちの生活は劇的に変化しました。ネットやスマホを活用しない伝統的なビジネスが、ネットを使ったベンチャー企業に市場を取られているのは、テクノロジー変革の持つ、この不可逆的な変化が理由の一つなのです。
技術は常に進化し、状況は刻々と変化しています。ヒット商品だったものが、いつの間にか不良在庫になってしまう、そんな時代がやってきました。
分析例
例えばドローンによる運搬事業など、これまでのドライバー不足を解消する技術としてや過疎地など遠隔地への輸送手段として期待が持たれています。
そのかわりに、ドローン技術が確立するとこれまでのドライバー等の雇用体制を見直すといった必要性に迫られます。ただし安全性の面であったり、犯罪利用をどのように防止するのかなど未確定の点も未だ多く導入の時期設定などは具体化が難しい段階です。
このように進化が速いからこそ、新しい技術には、「どの」時点で、自社が事業として参入するのか、取り入れるのかなど正確な現状の見極めが必要です。
また、新しい技術の浸透により事業内容そのものを見直す必要のある企業も出てくるでしょう。この場合も、「いつ」見直しをするのかなど時期の見極めは死活問題にもなりかねませんので、正確な分析が必要となってきます。
食品業界における技術革新として代表的な動きに、AgTech(アグテック)があります。
AgTechとは、農業とテクノロジーを組み合わせた造語であり、ITやロボット・AIの活用による生産性向上を図る技術革新のことですが、農林水産省も技術革新にとどまらず、経営者の生産性向上に対する意識向上といったことを目的として研修会等を開催するなど、非常に注目を集めている活動です。
これまで経験や勘などで対応してきた耕作を、蓄積したデータの分析を活用することで、品質のばらつきや収穫量の格差をなくすなど、より効率的に生産することが可能になるだろうとされています。
このように、技術的要因の変化は、生産活動や競争の土台となる産業構造の大幅な変化を招き、業界内のKSF(キーサクセスファクター:重要成功要因)をも変えてしまいます。
インフラやイノベーション、特許などで新技術が次々と導入されていくことで、これまでの価値観が通用しないということになりますので、技術的要因は特に情報が必要となります。
小さな変化と見えていたものが、しばらく目を離したすきに大きな変化をもたらし、時代に取り残されるというのはありえない話ではありません。
技術の進歩は、その進化のスピードにも注意する必要があります。
PEST分析の注意点
PEST分析の難しいところは、教科書的な進め方をすると、まったく役に立たない情報の集まりができてしまうことです。
ここでは分析時に注意すべきことをまとめておきます。
問題意識を持つ
一企業が、全世界のすべてのPEST情報を集めることには、あまり意味はありません。その企業が抱えている問題意識や解決したいと思っている課題に対して、領域を絞って情報収集する必要があります。
つまり目的に応じて情報を収集するということですね。たとえば、自社が属している業界のPEST情報なのか、それとも新規参入しようとしている周辺領域のPEST情報なのか?といったことです。
PEST分析だけに限りませんがとかくフレームワークを行うと、仕事をした気になりその段階で満足しがちです。情報収集は、その情報量が多く膨大なため時間もかかり大変です。
単純作業となりがちな情報収集と整理に没頭していると、いつの間にか作業をすること自体が目的になってしまいがちです。
いわゆる「穴埋め問題」を解く作業にすり替わってしまいがちです。当然、穴埋め問題を解くだけでは、戦略は立てられません。
せっかく集めた膨大な情報は、分析してこそ意味を持ちます。
このような問題を回避するためには、分析を始める前に分析の目的と進め方をしっかりと理解し、整合しておくことが何よりも重要です。
すくなくとも、情報収集をどこまでやるのか?やるとすれば、どの程度やるのか?その基準はどのように設定するのか?といったことはあらかじめ決めておくようにしましょう。
また、PEST分析も慣れてくると、分析のスピードも品質も上がってくるものです。数をこなしていくうちに分析した結果を基として未来を予測するスピードも上がってくるでしょう。
途中で投げ出さず、あきらめずに活用するところまで頑張りましょう。
変化点に注意する
4つの視点で情報を集めるとき、もっとも重要な着眼点は「変化」です。
PESTの視点で、これまでの常識や固定観念は何か?そして今、何が起きていて、何が変わろうとしているのか?といった、背景と変化の原因を知っておくことが、大局的な理解につながります。
ここまで見てきたように、PEST分析では4つの項目について微細な変化であっても、その変化を注視することが大切とわかります。
マクロ環境すなわち外部環境の変化をいち早く正確につかむことで、市場全体の嗜好の移り変わりや技術トレンドの傾向を自社の事業に落とし込み有効な営業戦略を立てることが可能になります。
つまりPEST分析を正確に行うことで自社の組織や商品を時代にあったものにしていくことができるのです。トレンドに乗るとも言い換えることができます。世の中の流れの通りに事業を進めるのが目標です。
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変化を理解していくと、次第とその変化の先が気になってくるはずです。
このまま変化がおこると、次に市場はどういう反応をするのだろうか?規制は緩和されるのか?強化されるのか?といった着眼点です。
他のフレームワークとの連携
PEST分析では、自社にとってプラスになる要因とマイナスになる要因を整理しその影響の強度を分析します。
この結果を、より経営戦略として生かすためには、他のフレームワークと連動させると良いでしょう。
例えばSWOT分析がありますが、強みを活かしS、弱みを克服しW、機会を利用しO、どのようにして脅威を取り除くのか、または脅威から身を守るのかTの4つの軸で評価をします。
このSWOT分析で得られる機会と脅威はマクロの要因に左右されるので、PEST分析から得られる影響度と連動して分析を進めるのです。
フレームワークを行うとき、項目に縛られ見落としがちな情報もあります。幾つかのフレームワークを組み合わせることは、その見落としを防ぐことにつながり、独りよがりな結果も防ぐことにもなります。
PEST分析に限ったことではありませんが、ビジネスに関するフレームワークでは、テンプレートのそれぞれの要素(PEST分析でいう政治、経済、社会、技術)が独立して記載されていては、まったく意味がありません。
アウトプットを得る示唆を出すためには、テンプレートのそれぞれの要素に横たわる相関関係や依存関係を紐解くことが、何よりも重要です。
ただ単に、規制緩和がありそうからチャンスだ!とか表層的な情報収集をするのではなく、規制緩和の背景にある社会の変革と顧客ニーズの変化や経済活動の動きがどのようにリンクされているかを理解しないと、外部環境の変化の本質が見えなくなってしまいます。
情報の海に溺れないようにする
実務上でいうと、ただ情報の海で漂流する危険があるだけでなく、経験がない人がやってしまうと、手段が目的化してしまう危険もあります。
情報収集と情報の整理はそれだけでも多大な工数がかかりますが、効率的な情報収集や整理には、やってみると結構職人並のノウハウや工夫が必要であり、いつの間にか技術を駆使し美しくまとめることに夢中になってしまい、たいていの場合、示唆を抽出するという大切な作業が忘れ去られてしまうからです。
このように、PEST分析は、テンプレートの進め方ややり方をきちんと理解しないと、当初の目的を途中で見失ってしまったり、情報収集と整理が目的化されてしまい、間違った方向に行ってしまいかねません。
斬新なアイデアは出にくい
個人的な経験でもそうですが、社内で苦労している人が多いことから見ても、PEST分析の結果からいいアイデアが思いつけるという期待は捨てたほうがよさそうです。
現在の業界のしくみや、外部環境の構造を把握することは出来るかもしれませんが、そこから新しい発想を得ようとしても、すでに業界内の制約条件ばかり情報収集してしまっているので、なかなか発想を飛ばすことが出来ないようです。
まとめ
PEST分析は、マクロ環境を分析するビジネスフレームワークの一つであり、政治的側面、経済的側面、社会的側面、技術的側面にフォーカスした分析ツールでした。
PEST分析を適切に行うことにより、自社を取り巻くマクロ環境に取り残されることなく、
事業戦略を推し進めていくことができるはずです。
分析するだけにとどまらず、自社の事業目標を、適切なタイミングで、具体化していくことで、新たな可能性をも見いだすきっかけと、なるでしょう。
マクロ環境は常に変動を続けています。
その変動をつかむことで商機を見つけ、ビジネスチャンスをつかむことは自社が流行に乗っていくための戦略を立てることができるはずです。
著者情報
工学系の大学を卒業後、大手通信キャリアでシステム開発、データ分析、マーケティング支援に従事。私費MBA留学し戦略コンサルファームに勤務。その後大手通信メーカーで新規事業立ち上げを10年以上。専門は新規事業立案、イノベーション、マーケティング全般。PEST分析やSWOT分析などのビジネスフレームワークの研修講師も担当。その他スキルに英語、ウェブ開発、動画制作なども。ブログは10サイト以上/ウェブサービスもいくつか開発経験あり。英語はTOEICは955点保持。結構変わった経歴だと思っています。詳しくはプロフィールをどうぞ。