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マーケティング・ミックス(4P)とは何か?具体的なやり方、注意点、事例など。

      2020/07/18

マーケティング・ミックス(4P)とは

マーケティングという言葉には、たくさんの定義や使い方があり、コンセプトが広すぎるので、社内で混乱したり、間違った分析をしてしまうことがあります。

今回は、そんなマーケティングで使われる分析手法である、4P、またはマーケティング・ミックスの進め方を説明したいと思います。

マーケティングの4Pとは、

  • プロダクトのP、
  • プライスのP、
  • プロモーションのP、
  • そして、プレイスのP

の、4つのPで形成された、主要なマーケティング活動を検討するためのフレームワークです。要するに、商品やサービス、価格、プロモーション、販売チャネルの4つの視点のことです。

経験上、マーケティングやビジネス関連のフレームワークの勉強には、イラスト動画が一番効率的だと思うので、作ってみました。

プロモーション・ミックス(4P)の起源と提唱者

そもそも、4Pは、ミシガン州立大学などでマーケティングを研究していた、エドモンド・ジェローム・マッカーシーが1960年に提唱しましたが、後年にフィリップ・コトラー等が使ったことで有名になったフレームワークです。

4Pは、マーケティング・ミックスとも言われますが、これは、ミックス、という言葉からもわかるように、マーケティングが、様々な要素から成り立っていることを示しています。

分類によっては4つ以上の要素も出てきますが、企業が事業活動を続けていくためには、かならず、すべての要素が多かれ少なかれ何らかの形で相互に影響を与えています。

このように、販売拡大のためには、マーケティングに必要な要素を組み合わせていることから、マーケティング・ミックスといわれているのです。

プロモーション・ミックス(4P)を進めるうえでの注意点

注意すべき点は、4P、マーケティング・ミックスを進める前に、かならず、STP分析を行い、事前にターゲット・セグメントを決め、自社の商品と競合商品との差別化ポイントや、自社独自のセールスポイントを明らかにしておくことです。4P分析の前にSTP分析が終わってない場合は、まずは市場セグメンテーションから始めることをお勧めします。

また、4つのPは、単に4つのマーケティング活動を示しているだけではありません。この4つの要素は、それぞれが、組織的な活動が必要な要素でもあります。

つまり、プロダクトは商品開発部門、プライス、価格は事業部門、販売チャネルは営業部門、プロモーションは宣伝広報部門、といったように、会社組織が一体となって取り組むべき活動でもあるのです。

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製品・プロダクトの開発

製品には、プロダクト・ライフサイクル、と呼ばれる、人間と同じような寿命があります。

プロダクト・ライフサイクルとは

市場に導入されたばかりの新製品は、導入期、成長期、成熟期、衰退期の4つのステージを経て、最終的に、市場から撤退すると言われています。

導入期

導入期は、製品が普及するにつれて、次第に売上が増えていく時期であり、認知度を高めて市場を開発することが重要な時期です。

成長期

成長期では、市場での製品の認知が進み、利益が出てくる時期で、売上は急上昇しますが、競争が活発になる時期にあたります。

成熟期

成熟期では、認知度も普及度も頭打ちとなり、これ以上の成長が、見込めないような時期です。需要が飽和してきて、競争が激化する時期でもあります。

衰退期

衰退期は、売上高が急激に減少する時期です。利益も減少するため、市場から撤退する企業も出てきます。

このような、製品のプロダクトライフサイクルから適切な時期を見計らって、どのタイミングで、どのような商品を開発し、市場にどのような戦略で投入していくかを考えるのが、マーケティング・ミックスの製品戦略です。

製品の差別化と戦略

製品の差別化とは、自社製品に競合製品にはない機能や特徴などの優位性を持たせ、購入者にその違いを明確にすることです。

差別化には、

  • 性能、
  • 機能、
  • 品質、
  • ブランド、
  • 構造や操作性、
  • デザイン

といったものがあります。

一般的に、成長期には、性能や機能といった物理的な要素での差別化が重要となり、次第に購入者の受け取る、イメージ上の差別化が重要になってくると言われています。

製品開発の流れ

企業が成長を続けるには、利益を生み出す製品開発が欠かせません。一般的な製品開発のプロセスは、アイデアの収集から始め、アイデアの選別と評価、設計・開発、テストマーケティング、市場投入という流れです。

アイデアだし

アイデアには、クレームや顧客満足度調査、お客様の声を聴くといったニーズ側から出てくるアイデアと、技術トレンドや社内からの提案、競争企業の動向といった、技術や競争の視点からのアイデアがあります。

アイデアの選別と評価

アイデアの選別と評価では、商品企画会議などを経て自社の理念や経営ビジョンと一致しているか、自社の強みが発揮できるか、お客様の声が反映されているか、実現可能かといった視点で評価され、アイデアが選別されます。

設計開発

選択されたアイデアは、次に設計開発段階に進み、仕様に落とし込まれ、具体的な試作品などが作られます。

テストマーケティング

その後、テストマーケティングで求められている価値を提供できるかどうかをテストし、合格すれば市場に投入されるのです。

市場投入とフィードバック

市場に出た商品は、販売状況だけでなく、クレームの質と量の分析、顧客満足度調査などを経て改善点などを探しながら、次の商品開発につなげるのです。

マーケティング・ミックスのプロダクトの例

魔法瓶の常識を覆したサーモス

かつて魔法瓶はガラスでできていたので、重くて割れやすいのが当たり前でしたが、サーモスが真空管の技術を使ったステンレス製魔法瓶を開発したことで製品の常識をひっくり返し、今ではシェアNo1の企業に成長しました。

サーモスの成功とビジネス・モデル【古典ケース・スタディ】

検索エンジンの常識を覆したGoogle

かつての検索エンジンは、キーワードの出現率や出現数だけの評価基準で上位表示させるのが常識でした。Goolgeはページランクというリンクを受けている数を指標に入れたことで、より精度の高い検索結果を表示させることに成功し、たった数年でインターネットを牛耳るシェアNo1の大企業に成長しました。

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価格の特徴と価格設定

一般的に価格が高くなると、販売数量は減り、逆に価格が低くなると、販売数量は増えるため、売上やシェアを最大化するためには、価格は非常に重要な役割があります。

そんな価格の設定方法には、仕入れ価格や原価をもとにした、値付けの仕方や、競合他社の価格を参考にする、値付けの仕方、そして購入者の意欲や動向から値付けをする仕方など、いくつかの種類があります。

プライシング、価格設定の方法

コストプラス法

コストプラス法とは、仕入れ価格や原価に利益を乗せて、販売価格を決める方法です。

コストプラス法であれば、もともと販売価格に利益を見込んでいるので、全ての商品を売ることができれば、原価割れする心配はありません。

しかし、競合が自社の販売価格を下回った価格設定をしてきたら、販売数量が減ることとなるため、かならずしも、すべての商品を売り切れるとは限りませんし、販売数量を確保するために、販売価格を下げざるを得なくなることもあります。その時には、利幅が小さくなります。

競争志向型価格設定法

競争志向型価格設定法では、競争相手の出方によって、あとだしで、価格を決められるので、有利な価格で販売することができます。

しかし、競合相手も同様に、あとから、自社が設定した価格を下回る金額を設定することができるので、いたちごっこが起きてしまう可能性があります。

需要志向型価格設定法

購入者の購買意欲から販売価格を設定する方法が、需要志向型価格設定法です。

お客様が購入しそうなタイミング、例えばスーパーのタイムセールなどを見計らって柔軟に設定することができます。

ニーズの波をうまくとらえて、柔軟に価格設定することができますが、価格設定のメンテナンスに、工数がかかります。

ほかにも、新製品の価格設定などでよく見かける手法として、上澄み価格設定法や、市場浸透価格設定法があります。

上澄み価格設定法

上澄み価格設定法とは、製品ライフサイクルの導入期には高い値付けをしておき、市場が成長期に移行するにしたがって価格を下げてシェアを拡大する、価格設定法です。

一般的に、巨額投資が必要な商品やサービスの価格設定時に、よく見られる手法です。

市場浸透価格設定法

その一方で、市場浸透価格設定法とは、上澄み価格設定法とは逆に、最初から安い価格で参入する方法です。

一般的には、差別化が困難な商品やサービスの価格設定時に使われる手法です。機能や性能は、他社と変わらないので、価格で勝負する手法ともいえます。

つまり、圧倒的な価格差で競合他社の参入を妨げようとする価格設定法なのです。

割引とリベートの役割や特徴と種類

割引やリベートは、購入者の購入条件に応じて価格を変更する手法です。

割引は、購入時に値引きする方法であり、リベートは、購入してから一定期間後に支払われた代金の一部を返す手法です。

割引やリベートには、以下のような手法があります。割引やリベートと、通常の、価格設定や、値付けには、大きな違いがあります。

価格の特徴

一つ目は、通常の価格設定では、一度決めた価格は、簡単には変更することができないため、一度安く設定した価格は、簡単に高くすることができないことです。

その一方で、割引やリベートでは、いつまでも、安い価格で販売する必要がなく、一定の条件を満たすことができなければ、容易に通常価格に戻すことができるのです。

また、通常の価格設定では、顧客の特性やニーズに合わせて、細かく価格を設定することができませんが、割引やリベートでは、数量や時期、決済方法などに応じて、かなり細かく、そして柔軟に価格を変更することができたりして、顧客の購入意欲を上げることができるのです。

業者割引とリベート

たとえば、業者割引、業者向けリベートなどは、流通などの業者向けの価格設定です。この場合、誰が購入するかによって、価格を変更することができます。割引やリベートによって、安く購入することで、流通業者を獲得しやすくなる利点があります。

数量割引とリベート

また、数量割引やリベートは、大量購入することが条件で、値引く方法です。数量に応じて、細かく設定することができます。大量に購入してもらうことで、通常であれば、手間がかかっていた受注処理を、一度で済ませることができるなど、受注処理にかかる工数を、大幅に削減することができます。

現金割引とリベート

現金割引やリベートでは、手形や賭け売りではなく、現金で購入することを条件で値引きます。現金の回転が速いビジネスでは、運転資金の確保が常に課題となりますが、現金で購入してもらうことで、キャッシュフローもよくなり、回収リスクも少なくなります。

季節割引とリベート

季節割引やリベートは、いつ購入するかで、値引くやり方です。季節商品などは、オフシーズンの時に在庫を減らすことができるので、キャッシュフローをよくすることができます。

目的達成割引とリベート

目標達成割引やリベートは、業者向けに、販売促進のために行うことが多い値引き手法です。割引額やリベート金額は、目標達成の度合いに応じて設定されます。

目標数値をクリアするごとに、マージンが増えるため、販売数量を増やすモチベーションを上げることができるのです。

マーケティング・ミックスの価格の事例

値札を貼るという非常識をやってのけたワナメーカー

正札販売というのをご存知ですか?百貨店やデパートで洋服などにつけてある値札のことです。以前は、商品には値札は貼っておらず消費者と販売者が価格交渉して販売するのが常識だったのです。ワナメーカーは正札販売などの常識を覆す多数のプロモーションによって世界一の百貨店王にのし上がりました。

タダで利用できるという非常識で成長したDropbox

Dropboxは、インターネット上にストレージサービスを無料で提供することで大量の利用者を集め、そのうちの一部のユーザーに有料サービスを使ってもらうことで、利益を上げるビジネスモデルを確立しました。このような手法を一般にフリーミアムとい呼びますが、利益を上げる手段はDropboxのような有料サービスだけではなく、広告料、会員登録料、紹介料など様々な収益源(マネタイズ)があります。

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チャネルの選択

マーケティング・ミックスのプレイスは販売チャネルでした。

チャネルとは、生産者からエンドユーザーに商品やサービスを届ける流通ルートのことです。最適な流通経路を選択するためには、さまざまな要因を考慮して決める必要があります。

チャネルを決める様々な基準

例えば、最寄り品なのか、買いまわし品なのか、専門品なのか、単価はいくらなのか、耐久力はあるのかないのか、といった、製品の特性や、製品を開発する側の資本力、開発力、競争力、流通業者の販売力や、ネットワークの規模といったことなどです。

チャネルの深さ

チャネルを決めるには、流通チャネルの深さも、考慮する必要があります。

チャネルの深さとは、生産者からエンド・ユーザーまで商品やサービスが到達するまでにかかる階層のことです。

例えば、生産者とエンドユーザーが直接やり取りをする場合は、直販または無段階型流通と言います。大型スーパーや、自動車販売などでみられる中間業者が一つだけの場合は、一段階型流通と言います。二つ以上中間業者が入るのは、多段階型流通と言い、もっとも一般的な、流通チャネル政策です。

チャネルの幅

また、長さだけではなく、流通チャネルの幅や広さも、考慮する必要があります。チャネルの幅とは、いわゆるカバレッジのことですが、たとえば、取引を希望すれば誰とでも販売する方法を、開放的流通政策と言い、日常品や食料品などはこれにあたります。

その一方で、限定的流通政策とは、特定の地域などで取引業者を絞って販売する方法のことです。

同じように、一社に絞るのが専売的流通政策です。

チャネルリーダー

最後に考慮すべきなのは、チャネル・リーダーの存在です。

チャネル・リーダーとは、流通チャネル内で、発言力や影響力が大きい企業のことです。発言力や影響力が大きいチャネルリーダーが、誰なのか、を、知ることは、業界内で、利益がどこに向かって流れているのかを、理解するのに必要なことです。

たとえば、通信会社や有名家電メーカー、ブランド品メーカーなどは、チャネル・リーダーとなることが多いようです。

寡占的なメーカーが、卸チャネルを系列化し、小売業者を特約店化するなどして、メーカーがチャネル全体を組織化することがあるのです。

その一方で、卸売業者がリーダーとなるケースもあります。たとえば、書籍や雑誌の取次店は、書店チャネルを寡占的におさえているため、チャネル・リーダーになっています。

また、大手スーパーや、ボランタリ・チェーンの本部などは、大量の顧客を抱え込んでいるので発言力が大きく、小売業が、チャネル・リーダーになっています。

マーケティング・ミックスのチャネルの事例

業界常識を覆す直接販売で参入に成功したYKK

従来のサッシメーカーはアルミ製剤をガラス屋に届け、そこで組み立てたサッシをそのガラス店から現場に納入し、取り付けるという方法をとっていたところに、YKKの工場でガラスをはめ込んだサッシを完成させ、現場まで直接流通させる方法をとって新規参入を果たしました。これによって、YKKはガラス店ルートを通す必要が無くなり、営業の仕方も変わり、工務店、設計事務所との直接コンタクトが可能となったのです。

SPAという直営店システムで立ち直ったワールド

従来のアパレル・メーカーは、アパレル卸を通した販売形態が一般的なビジネスモデルでしたが、ワールドはアパレルメーカーが直営店を経営するというGAPが成功したSPAのしくみを使って、トレンドの多様化や変化に柔軟に対応できる仕組みをつくりあげ、アパレルメーカーのシェアNo1に成長しました。

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プロモーション

マーケティング・ミックスの最後のP、プロモーションについて説明します。

プロモーションの意義は、商品の存在や機能、メリットなどを、市場や潜在顧客に広く知ってもらうことです。

企業からのメッセージを、いろいろなコミュニケーションの手段をとって、市場に受け入れてもらうのです。

二つの戦略

プロモーションには、大きく分けて二つの戦略があります。一つ目がプル戦略で、もう一つはプッシュ戦略です。

プル戦略とは、企業が広告などを出すことで、エンドユーザーに対して直接コミュニケーションを取ることです。プッシュ戦略とは、広告を使わずに、企業が販売チャネルに対して人的な販売促進を行うことです。

このように、プロモーションには、二つのタイプがありますが、どちらか一つだけを使うわけではなく、多くの企業では、ふたつの戦略を併用しています。

プロモーション・ミックス

プロモーション・ミックスとは、広告、パブリシティ、人的販売促進、その他の販売促進の4つがあり、多くの企業が、これらの手法を組み合わせてプロモーションを実施しています。

広告

広告は、マスメディアが中心で、新聞広告・雑誌広告、テレビ広告、ラジオ広告、インターネット広告、チラシやDMなどといった有料の広告を指します。屋外広告や車内広告なども広告の一種です。

パブリシティ

パブリシティとは、マスメディアなどで取り上げられる記事のような、無料で実施する露出のことです。口コミなどもパブリシティに含まれます。また、企業が発行するPR誌や工場見学は、比較的企業がコントロールできるパブリシティと言えるでしょう。

人的販売促進

人的販売促進は、具体的には、小売店舗での商品説明やルートセールスを指します。特に、小売店の品揃えや陳列の方法などを一緒に考えたり、システム・エンジニアによるシステム導入時の技術支援などのサポートも含まれます。

さいごに、その他の販売支援としては、メーカーの試供品のサンプリング提供や実演販売といったデモンストレーション、ポイントカードの発行や、各種イベントや催し物の開催などもあります。

マーケティング・ミックスのプロモーションの事例

競合に真似できない広告メッセージで躍進したファンケル

近年苦戦が続いているファンケルは、市場に対する新しいメッセージで業界を席巻しました。当時の化粧品の販売は、チェーン展開や訪問販売による大量生産、大量消費が中心でしたが、ここでファンケルは「長持ちする化粧品には防腐剤が入っている」ことを暗に消費者に示すことと、通信販売による対面販売のわずらわしさを解消することで、大手化粧品に真似できない独自の地位を確立したのです。

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