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ビジネスモデルの基本パターン「消耗品」方式をジレットの事例で解説!

   

ビジネスモデルの基本パターンのひとつ「消耗品方式」

ビジネスモデルとは、企業の収益構造や商流、物流、付加価値の流れといったものを図式化したものです。
そんなビジネスモデルは無数にもあるといわれていますが、一般にひろく使われている代表的で基本的なパターンは10個ほどにまとめることができます。

今回はそれらの基本パターンのうち「消耗品方式」または「消耗品モデル」を、髭剃り用カミソリで有名なジレットのビジネスモデルを事例にしてご紹介したいと思います。

ビジネスモデル「消耗品方式」の元祖ジレットモデル

P&Gまたは「プロクター・アンド・ギャンブル社」という企業をご存知の方も多いと思いますが、「ジレット」は、そのP&Gが販売している髭剃り用カミソリです。ジレットのことを社名と思い込んでいてP&Gの商品と知らない人も多いのではないでしょうか?それほどカミソリとしては広く認知されているブランドです。

1903年、キング・C・ジレットは使い捨て方式の替え刃を採用したカミソリ「ジレット」を世界で初めて開発・商品化することに成功しました。この当時はまだP&Gではなく、ジレット社名義での販売でした。
カミソリに必要な「薄く強い刃」の開発は、当時の業界では非常識で実現不可能と考えられていたことでしたが、開発に成功し販売を開始します。

しかし、利用者(主に男性)の中には、当時は「替刃」という発想もなかったため、販売当初はまったく売れませんでした。そこで、プロモーションの一環としてある手法を採用したところ、瞬く間に受け入れられ爆発的に普及したそうです。
そのとき考案した販売方法が、ジレット本体を「おまけ」として無料で配布し、消耗品である替え刃で利益を獲得するというものでした。
こうして消耗品モデルが生まれたのです。

紆余曲折を経て2005年にP&Gに吸収されて現在に至りますが、実はそんな「ジレット」のビジネスモデルは、消耗品方式または消耗品モデルの元祖と呼ばれるほど大成功を収めました。

メーカーもユーザーもうれしいwin-winモデル

従来のカミソリは、カミソリ本体ごと購入することが常識でした。したがって、カミソリの刃がかけてくると本体と一緒に、新しいカミソリを買い替えるのが常識だったのです。
当時は、それが常識だったのですが、本体部分はまだ使えるのに高い金額を出してすべて買い替えることに無駄がありました。おそらく、ほとんどの男性は気づいてもいなかったような潜在ニーズが隠されていたのです。

そこで、ジレットは、本体と刃(カミソリ部分)を分割し、カミソリだけを買い替えることができるような構造にすることで、利用者の今までの無駄な出費をなくすことができるようにしたのです。

このような構造にすることで、顧客はジレット本体の購入後、専用の刃を継続的に買い替えることになります。
つまり、本体部分を手軽に購入できるように、なるべく価格を抑えることで大多数の人に使ってもらえるようにすることで、刃を買い替える必要がある限り利益を上げ続けることができます。

これにより顧客との継続的な関係が構築されるので、ロックイン効果も期待できます。顧客とジレットの両者にとってメリットとなる、画期的なシステムが誕生した瞬間です。

このように、継続的な利益が期待できるビジネスモデルは非常に安定性が高く、利点が多いことがお分かりいただけたかと思います。このビジネスモデルは後に「ジレットモデル」とも呼ばれるようになり、広く知られるようになりました。まさに消耗品モデルの礎を築いたのです。

消耗品方式のKSF

上述のジレットの例のように、消耗品方式または消耗品モデルとは、商品の本体部分は低価格で販売し、部品などの消耗品やメンテナンス・サービスを個別に販売することで、定期的かつ大量に販売することができるビジネスモデルを指します。

何度も何度も繰り返し利用する商品があることが前提で、利用者に繰り返し利用してもらうことで、商品のもつ機能を提供する要となる部品やパーツが消耗し、その都度、追加的に買い替えが発生することで収益を上げるビジネスモデルですね。

本体と部品がそろって初めて利用者が求める機能を提供できる商品でないと、実現できないビジネスモデルともいえるでしょう。したがって、消耗品にいかに高い付加価値を持たせることができるかが成功要因です。

また、このビジネスモデルを取り入れる上で大切なのは、「自社の商品をいかにして世に広めるか」と「利益率の高い消耗品をいかに効率的に販売するか」です。
本体部分を低価格で販売するのですから、市場ニーズが一定規模以上ないと採算が取れないことになりますし、採算がとれるくらい多くの顧客に購入してもらうためには、プロモーションによる認知度向上が必要となってきます。

そもそも、本体部分を低価格で販売すること自体が、プロモーションの要素に組み込まれているところもこのビジネスモデルの面白いところだと言えるでしょう。
また、繰り返し購入してもらう消耗品の商品としての品質と利益率の高さの担保がとても重要です。いくら本体を購入してもらっても、部品を買い替えてくれないと、利益を上げることができないからです。

広がりを見せる「消耗品方式」

実は「消耗品方式」や「消耗品モデル」、「ジレットモデル」からヒントを得て生み出されたビジネスモデルはたくさんあります。

有名どころは、「ゼロックス」が考案した消耗品方式のビジネスモデルです。
「ゼロックス」はコピー機などで有名な大手メーカーであり、コピー機のリース・レンタルシステムを初めて導入した企業としても知られていますが、リースなどで安価にしたコピー機本体とは別に、消耗品であるトナーを継続的に購入してもらうことで利益を上げるビジネスモデルを考案したのです。
まさに、ジレットモデルと同じ構図ということがわかると思います。

今でこそコピー機のリースやレンタルはごく一般的なものとなっていますが、当時コピー機は購入する以外の選択肢が無かったため、導入する側は多大なコストのかかる代物でした。そのような時代ゆえ、ゼロックスが考案したシステムは多くの顧客に支持されました。
同じようにプリンター、複合機も同じようなビジネスモデルを採用することで、莫大な利益を上げることができたのです。

このように考えていくと、ネスレのエスプレッソマシーン「ネスプレッソ」も同じビジネスモデルと気づかされます。
シンプルなコーヒーメーカーではなく高品質のエスプレッソマシーンを手軽に購入できるように「本体」を低価格で販売する一方で、消耗品である専用のコーヒーカプセルを継続的に購入してもらうことで、利益を上げるビジネスモデルです。

このように、ジレットやコピー機、コーヒーマシーンのようなハード商品において、顧客に提供する機能が本体と消耗品で構成されていて、本体部分を低価格で提供しつつ、消耗品で利益を稼ぐビジネスモデルを「消耗品方式」というのでした。

いかがでしたでしょうか?お役に立てましたでしょうか?

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