外部環境分析の5つのステップ。PEST分析の進め方をご紹介。

PEST分析の実施目的と進め方について

PEST分析は、自社を取り巻く外部環境を、新聞記事などの具体的なファクトをもとに分析することで、環境変化や変化による自社への影響を把握し、ビジネスのチャンスやリスクを情報の中から読み解こうとするための手法です。
ここではそのPEST分析の実施方法について、5つのステップについて、やり方を見ていきます。

1.情報収集を行う

まず情報を数多く集めます。関連のありそうな事柄は、広い視野でいったん拾っておくのがコツです。情報収集の段階では、その情報についての見極めや評価は行いません。
ただし、幅広く情報を集めようとすると、かならず間違った情報がまぎれ込む可能性がついて回りますから、情報そのものだけではなく、情報の入手元、つまり情報源も合わせて管理することが必要です。
情報が正確であれば、分析結果の質を上げてくれますし、効果的なマーケティング戦略を立てることもできます。

情報収集の段階では、いわゆる「情報の海」に溺れてしまうのを避ける必要があります。
詳しくは、過去記事まじめにやると行き詰ってしまうPEST分析の目的とテンプレートを解説!をご覧ください。

2.要素を洗い出し、4つの環境要因に分類する

集めた情報は、PESTの4つの要素に分類します。それぞれ、P政治的要因、E経済的要因、S社会的要因、T技術的要因を記入します。
いったん情報を大量に集めてから分類すると、大変な作業になってしまうので、情報を収集しながら分類すると効率的に作業を進めることができるでしょう
このようにして十分に収集された情報を4つに分類することは、自社のマーケティングにそれぞれの要因がどのように影響を及ぼすのかをイメージする良い機会にもなります。
情報を集めて分類する行為自体に意味があるということですね。
ただ、影響を及ぼすイメージがしにくい場合は、情報量が足りないことも考えられます。

経験上、マーケティングやビジネス関連のフレームワークの勉強には、イラスト動画が一番効率的だと思うので、作ってみました。

3.各要素を機会と脅威(課題)に分類する

4つの要因に分類された各要素ごとに、ビジネスのチャンスとリスクを割り出します。
PESTの4つの視点で集めた情報に対して、それぞれ、自社に及ぼすビジネスチャンス(=機会)とビジネス上のリスク(=脅威)、つまり課題を考える作業です。
当然ながら、情報源には自社に限定されたチャンスもリスクも載っていることはありません。
そのため、ここから先は、得られた情報をもとに自分の頭で考える作業となります。
情報を単純に機会または脅威と分類するだけでなく、どのような条件で機会となるのか、脅威となるのかを補足しておくことがポイントです。
ちなみに、機会、脅威のどちらでもない情報もでてくると思いますが、そのときには思い切って、「その他」に記入しておきます。そうすることで、後々ビジネスチャンスと分かった時に、振り返ることができるしておくのです。

4.各要素の緊急性や重要度を評価し、優先順位を設定する

機会と脅威を記入したうえで、自社にとって影響が大きい順に、得られた情報を並べ替えます。
「影響力が大きい」とは、基本的に緊急性が高いこと、実現されたときに与えらえるインパクトが高いもの、影響が広範囲におよぶものといった基準で評価するとよいでしょう。
優先順位を明らかにすることで、緊急性の低い要因や重要性の低い要因までも戦略に反映させるような時間の浪費を回避することになります。
その結果、わかりやすい戦略を立案することができ、きっと柔軟でフットワークを軽い戦略を立案することができるようになるでしょう。

5.PEST分析の結果を他のフレームワークと連携させる

ここまでの4つの段階に沿って分類することにより、自社が今置かれているマクロ環境を具体化することができるはずです。
しかし、ここで終わりではありません。

これからのマーケティング・プロセスをより明確にするためにも、ファイブフォース分析、3C分析などの競争環境を詳細に分析するフレームワークと組み合わせたり、SWOT分析でライバルたちの競争環境分析の結果と付け合わせをしたりすることで、より質の高い戦略に練り上げることを忘れてはいけません。
それにより、その後、STP分析を用いた戦略立案や4P分析による具体的なアクションの立案につなげることができるようになるのです。
このように他のフレームワークとの組み合わせで、PEST分析の実施精度を上げることができるようになります。

まとめ

PEST分析は、マクロ環境の変化を見逃さずに自社のビジネスチャンスやピンチを読み解くことができるフレームワークです。
また、PEST分析を単体ではなく他のフレームワークと組み合わせることで、その効果を最大化することができます。
表面化していないピンチなど、いち早くキャッチするためにもPEST分析は重要です。

経験上、マーケティングやビジネス関連のフレームワークの勉強には、イラスト動画が一番効率的だと思うので、作ってみました。

著者情報

工学系の大学を卒業後、大手通信キャリアでシステム開発、データ分析、マーケティング支援に従事。私費MBA留学し戦略コンサルファームに勤務。その後大手通信メーカーで新規事業立ち上げを10年以上。専門は新規事業立案、イノベーション、マーケティング全般。PEST分析やSWOT分析などのビジネスフレームワークの研修講師も担当。その他スキルに英語、ウェブ開発、動画制作なども。ブログは10サイト以上/ウェブサービスもいくつか開発経験あり。英語はTOEICは955点保持。結構変わった経歴だと思っています。詳しくはプロフィールをどうぞ。

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