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戦略の基本は強みと弱みを知ることから。SWOT分析のやり方とテンプレート。

      2016/02/10

経営戦略や事業戦略を立案する手法にはさまざまなものがありますが、そんな中でもとくに有名な分析手法は、おそらくSWOT分析ではないでしょうか?
SWOT分析は、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字から名づけられたフレームワークで、自社の内部と外部の環境を「強み」「弱み」「機会」「脅威」で分析して、戦略を導き出そうとする分析ツールです。

つまり、まず自社をとりまく環境を内部環境と外部環境に分け、内部環境については自社の「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」、外部環境については市場の「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4要素で個別に調査していこうというアプローチです。
そののち、得られた個別の調査結果をもとに、自社としてとるべき戦略はいったい何なのか?といった問いかけに対して解を導き出すための判断材料として利用することが主な目的なのです。
ちなみにswot分析の読み方は「スウォット分析」です。
アルファベットを並べたフレームワークの名称って、ときどきどう読むのかわからないときありますよね。

swot分析のテンプレートと調査の進め方

強みと弱みをキーワードにした内部環境分析では、組織構造、ブランド、財務力、人材力、研究開発力、マーケティング力、営業力、購買力などを対象に評価します。
また、マイケル・ポーターが提唱したバリューチェーンをベースにして内部環境を調査分析してみるのも、非常に効果的ですね。
このようにして、内部環境を様々な視点で調査分析してから、自社が他社よりも明らかに勝っているプロセスなどを、自社の強みとして認識するのです。
一方、他社と比較した際に、どうしても勝てない要素やプロセスを「弱み」として特定する作業になります。

つづいて、外部環境分析では、マクロ環境とミクロ環境について評価していきます。
マクロ環境には、政治的要因(Political)、経済的要因(Economical)、社会的要因(social)、技術的要因(Technical)というPEST分析の枠組みで調査分析します。
ミクロ環境には、ポーターが5フォースとして指摘した、顧客や競合企業、供給企業、新規参入企業、代替品などを調査分析します。

これらマクロ環境とミクロ環境の双方の調査分析結果にもとづいて、「機会」と「脅威」を把握するのです。
また、「機会」の把握とは、やがて来る環境の変化が、自社にどのような好影響をもたらすかを調査分析することですが、逆に、自社にとって悪影響を及ぼす環境の変化については「脅威」として認識することになるといったほうが、わかりやすいかもしれません。

このように、すでにあるいくつかのビジネスフレームワーク(バリューチェーン分析、PEST分析、5フォース分析など)を駆使して、自社の戦略を総合的に判断するための情報収集先や調査の対象を、これらの4つの視点(S,W,O,T)で表したコンセプトがSWOT分析といえるでしょう。

これで、なんとなくSWOT分析のコンセプトは理解していただけたかもしれません。
しかしながら最も大切な作業はこれから先に待っています。
4つの視点で情報を集めることだけで終わらせず、その後の総合的な戦略を自分の主観でまとめていく作業のほうが重要なのです。

swot分析は、市場機会やチャンスとリスクを見極めるためのフレームワーク

なんども繰り返すようですが、SWOT分析で自社の内外環境を整理できたら、次のステップでこれらの調査結果を基に総合的な戦略を導き出すことが重要です。

よく、フレームワークの個々の枠組みに、調査結果を記入して満足してしまう人がいるのですが、それらはあくまでも判断材料を整理したにすぎません。
たとえば、SWOT分析から得られる総合的な戦略には、いくつか定石といえるような考え方があります(あくまでも「考え方」であり「戦略」ではありません)。
つまり、「自社の強みを生かしながら市場機会を活用するとともに、自社の弱みを打ち消しながら脅威を上手に回避する」という考え方です。
これが勝ちパターンへの基本的な行動になる常識または定石です。

この考えをコンパクトにまとめたのが、強みと弱み、機会と脅威のマトリックス図です。
図から明らかなように、強みと弱みが交差する象限が自社にとってのチャンスですよね。
であれば普通に考えれば、当然、ここに資源を集中することが得策だと考えられます。
一方、弱みと脅威が交差する象限は自社にとってリスクですので、常識的に考えると、ライバル企業や新規参入者に足元をすくわれないよう、この領域の強化も怠ってはいけないはずです。

しかし、これらの常識や定石どおりのアプローチは、戦略といえるでしょうか?
物理現象や数学的な論理の世界であれば、きめられた法則性があるので間違いなく起こる確率が高いので、定石をはずすことができません。
しかし、企業戦略があつかうものは、基本的に「人」が対象です。
人の行動や人の考え、価値観、感情、ポリシー、常識などが対象なのです。
市場にいる顧客は人であり、ライバル企業は人が集まって行動しています。
そんな人を対象とした戦いの場合、定石や常識は、むしと命取りになりかねません。

あえて常識を覆す行動をとることで、市場に驚きをあたえ、ライバル企業にまねされない優れた商品やサービスを生み出すことができるのです。
そのような例は、身近にたくさんあるじゃないですか!?

むしろ、自社の弱みを理解したうえで、あえてそれを強みに変える発想や、市場の脅威をチャンスととらえるといった、柔軟な発想や主観的な意図がとても重要なのです。
客観的な状況を整理して、誰が考えても当たり前の結論や戦略を考えても意味はありません。
そもそも、そんな結論だと、定義上「戦略」とは言えないのです。
SWOT分析の本領発揮は、4つの視点での調査分析の後にくる、主観的な意図を明確にすることであることを忘れていては、本末転倒なのです。

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