Preneur-Preneur

アントレプレナーやイントラプレナーのための情報サイト

いまさら聞けないGoogleのイノベーションと歴史、成長を支える経営理念

      2019/01/01

Googleの歴史とGoogleが起こしたイノベーション

「ググる」が一般用語として定着してから、ずいぶん経っています。
英語圏では動詞として辞書に登録されるくらいに世界的に普及しています。
日本でも、この言葉がネットスラングから発生してから、すでに一般社会に馴染みきっていますが、短期間でこんな風になるまで圧倒的なスピードで世界的に普及してきたGoogleって、いったい何が優れていたのでしょうか?
この「語源」となったGoogleの歴史とビジネスモデルを簡単に振り返ってみましょう。

そもそものはじまりは、スタンフォード大学の大学院生だったラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンが1995年に出会ったことですが、世界的IT企業で比較すると『iPhone』でおなじみのアップルは1976年、『Windows』という圧倒的なシェアと認知度を誇るマイクロソフトは1975年に創設ですから、Googleはこの2社より20年遅れてIT業界に参入してきたことがわかります。

Googleが起こしたイノベーション

Googleが現れる以前は、利用者がインターネットでウェブ検索をすると、検索エンジンは世界中のウェブページを収集して、検索された単語がそのページにいくつ入っているかを割り出し、多く入っているページをランク付けして検索結果に表示する仕組みになっていました。

すでにネットで調べ物をすることは一般的になっていましたが、このしくのままでは、キーワード検索した利用者は単純にキーワードが多く掲載されているページを閲覧することとなってしまい、かならずしも利用者が調べたい答えにたどり着けるとは限りませんし、自分のウェブページにアクセスしてほしいと思っているページ制作者がひたすらキーワードを詰め込むことで集客することができてしまいます。
それによって、インターネット検索の品質が低下されてしまう悪循環が発生していました。

このような状況にあったとき、2人はクローラーによりウェブページを自動的に収集し、学術論文の品質や信頼性が引用された数によって評価されているしくみから発想を得て、リンクされた数(被リンク数)をウェブページの評価基準にするという方式により検索順位を決定する新しい仕組みを提案し、1996年に『BackRub』と呼ばれる検索エンジンを開発しました。
これがのちの検索サイト『Google』です。
社名の由来は、1の後ろの100個ゼロが並ぶ数「googol(ゴーゴル)」をもじったもので、「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにする」という使命を込めたものです。

Googleがつかんだチャンスとスケールアップ

このシステムの有用性を買われ、ITの大手企業だったサン・マイクロシステムズのアンディ・ベクトルシャイム氏から日本円で10万ドルの出資を受けます(このサン・マイクロシステムズはJAVAを開発した企業で、2009年にオラクル社に買収されています)。
これをきっかけに1998年にGoogleは法人化し、より多くの出資金が集まるようになりました。

Googleの認知度を上げる最も大きな出来事といえば、2000年にYahooが自社の検索エンジンにGoogleを採用したことでしょう。その当時、インターネット世界では様々な検索エンジンが開発され、どこがトップになるかしのぎを削る激しい戦いが繰り広げられていました(日本では1990年代後半から「Yahoo!Japan」が広く知られていました)。

世界的に見ても当時多くのシェアを誇っていたYahooがまださほど知られていないGoogleの検索エンジンを使うというのはなかなかの衝撃的なことだったようです。
その後YahooはGoogleの検索エンジンとは契約を解消しますが、これもまたGoogleが優れた技術を持っていることを裏付けてしまう出来事になってしまいました。

その後2000年にクリック式広告サービスの「アドワーズ」や「Googleツールバー」といったサービスを開始すると、その後瞬く間にサービスを拡充していきます。
2004年 Googleメール(Gメール)。
2005年 Googleマップ、Googleアース。
2007年 ストリートビュー。
上記のいずれも、知らない人はいないほどメジャーなツールではないでしょうか。便利で革新的で面白いツールを発信し続たGoogleは、次第に絶大な支持を得ることに成功していくことになるのです。

Googleの発展とさらなる企業価値の向上

2006年には動画配信サービス「You Tube」を買収します。
Googleは単純なツールを配布するサービス企業ではなく、インターネット上でのサービスを一元化するような大きな役割を担い始めていくのです。

2007年には携帯用OS のAndroid(アンドロイド)を開発、2008年にはウェブブラウザのChromeを発表します。
このあたりから自宅や学校などのPCのある限定された場所という括りから解放され、「装着できる(ウェアラブル)」「クラウドサービス」といったサービスの多角化が見え始めてきます。
実際その後、携帯端末やGoogleグラスの開発をしていきます。

2011年にはGoogleプラス、2012年にGoogleプレイなど、アンドロイド端末向けのアプリやサービスを発表します。これにより携帯端末利用者の楽しみや活動性が広がりました。
ビジネス向けのサービスとしては、上記の動きと同時に2006年に始まったクラウドサービスが進化していき、現在のGoogleクラウドになりました。Googleが提供するツールとデータの保管機能を個人の自宅やPCだけでなく会社・組織全体で管理・運営する方法を提案した結果、IT業界全体を大きく変えるサービスを生み出したのです。

Googleのイノベーションを支える経営理念

Googleの理念として『Googleの掲げる10の事実』というものがあります。
これはGoogleがHP上で公開しているもので、誰でもいつでも閲覧可能です。
ここにはその名の通り、10の『事実』が羅列されているのですが、面白いのがこれらは起業してすぐに作られたもので、また現在も常に事実になっているのかを確認しているそうなのです。

  • ユーザに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
  • 1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
  • 遅いより速いほうがいい。
  • ウェブ上 の民主主義は機能する。
  • 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
  • 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
  • 世の中にはまだまだ情報があふれている。
  • 情報のニーズはすべての国境を越える。
  • スーツがなくても真剣に仕事はできる。
  • 「すばらしい」では足りない

世界的にトップの利益を生み出す超一流になっても初心を忘れない心を持ち続けているところが素敵でもあり、またベンチャー魂だなと思わせてくれます。
ではこの『10の事実』をざっくりと分けることでGoogleの思想をのぞいてみましょう。

①利用者の満足のための理念

ラリー・ペイジはかつて次のように述べたことがあります。
「完璧な検索エンジンとは、ユーザーの意図を正確に把握し、ユーザーのニーズにぴったり一致する答えを返すものである。」と。
Googleはこの理念にのっとり、検索をしようよしている人の意図に最も関連性の高い回答を提供するために、日々努力を重ねているのです。

『遅いより速いほうがいい』『情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない』『情報のニーズは国境を超える』などは、まさにGoogleユーザーの立場からの理念と思われます。
情報を検索したい人は世界中にいて、その人々の時間は限られたものです。Googleはユーザーが欲しいものを短時間に提供し続けることを約束しています。

②ビジネスに対する姿勢

『ユーザーに焦点を絞れば他のものはみな後からついてくる』『一つのことをとことん極めてうまくやるのが一番』『すばらしい」では足りない』などから、Googleの経営方針がわかります。
Googleは新規事業の多産多死でも有名です。新しいアイデアを数多く試して、うまくいかなかったら、すぐ次のアイデアを試すトライ・アンド・エラーの権化のような企業です。
また、20%ルールでも知られるように「好きこそものの上手なれ」を地で行く会社ですし、それがこれまで上手く回っていることからこの言葉にはとても説得力があります。

このような理念と行動の一致が、結果的に、上述のような次々とイノベーションを起こす要因となっているのでしょう。
得意なことを突き詰めることが利益にもつながる、というのはどんな企業においても理想的で魅惑的な考え方ですね。

③インターネットの世界やウェブへの貢献

『ウェブ上の民主主義は機能する。』『スーツがなくても真剣に仕事はできる。』『悪事を働かなくてもお金は稼げる。』『世の中にはまだまだ情報があふれている。』などは、Googleのインターネットの世界やウェブへの貢献に対する思想も見え隠れします。

読んでいて「これぞGoogle」と思ったものが『スーツが無くても真剣に仕事ができる』という文章です。
かつてマイクロソフトがIBMなどの大企業と戦っていた時のポリシーとも似ています。
ウェブ上の民主主義を標榜したり、悪事を働く無くてもお金は稼げるはずだといった信念は、Googleのウェブを活用した自由な世界を目指すビジョンが垣間見えます。

検索エンジンから始まったGoogleですが、多くの便利ツール、携帯端末、クラウドサービスという多岐に渡った事業展開をすることで、今や全世界の生活・企業運営の一部として大きな役割を果たす、大企業に成長したのです。

 - イノベーション