PEST分析の進め方と手順
PEST分析を行うときには、まず何のための分析なのか目的を再確認する必要があります。予め市場の変化に対する仮説を立てておくことも有効です。ここでは、PEST分析の基本的な進め方と手順について、ざっくり解説しましょう。
1. PEST分析の目的を理解する
自社の置かれた競争環境を具体化して今後起こりうる変化を予測・把握することで最良の戦略を描くことにつなげるためには、そもそも自社の課題、自社が属する課題といったものをおぼろげながらも認識しておくことが必要です。
そういった課題意識をもってPEST分析をすすめないと、ただの穴埋め問題を解いているだけになってしまいかねません。
基本的に、PEST分析の目的として以下のような事柄が考えられます。
- 市場の変化をつかみ事業機会につなげる
- 市場の変化を見逃さず、自社にとってのリスクに備える
2. PESTの情報を集める
目的が明らかになれば、今度は実際に情報を集めます。
P、E、S、Tの4つの要因について、できるだけ広範囲にわたって情報を集めます。
この段階では、情報の精査は行いません。
また情報は、関連する業界リーダーの研究開発の動向や市場調査レポートなども活用できます。
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3. 分類する
集めた情報を活用するために、それぞれP.E.S.Tの4つの要因に分類します。
当初の目的を改めて確認し、仮説を立てて集め始めた情報を要因ごとに細かく検証します。このとき、自社にとって、都合の良いことと、悪いことに分けて整理しておくと、次の作業が楽になります。
4、示唆を出す
分類した情報を4つの要因について、「機会とリスクのどちらに該当するのか」を見極めます。
この段階が一番大切で、自社を取り巻く市場環境に潜むビジネスチャンス=機会とリスク=課題を明らかにすることで、より効果的なマーケティング戦略を打ち出すことができます。
著者情報
工学系の大学を卒業後、大手通信キャリアでシステム開発、データ分析、マーケティング支援に従事。私費MBA留学し戦略コンサルファームに勤務。その後大手通信メーカーで新規事業立ち上げを10年以上。専門は新規事業立案、イノベーション、マーケティング全般。PEST分析やSWOT分析などのビジネスフレームワークの研修講師も担当。その他スキルに英語、ウェブ開発、動画制作なども。ブログは10サイト以上/ウェブサービスもいくつか開発経験あり。英語はTOEICは955点保持。結構変わった経歴だと思っています。詳しくはプロフィールをどうぞ。