ミーティングの進行時におこる課題
会議やミーティングの進行って結構大変ですよね。いろんな人がいろんなことを言って、会議がぐちゃぐちゃになってしまうのではないかと、会議を主催するときはいつも不安になりませんか?
そもそも、そんな会議オーナーやファシリテーターの負担を減らす方法はあるのでしょうか?それを知るためには、まず会議で起こる代表的な症状を把握し、その原因を探り、会議の種類や目的にあった傾向と対策を練る必要があるでしょう。
それでは、まずは、ミーティングの進行時におこる課題を見てみましょう。代表的な課題や症状は、たとえば以下のようなものではないでしょうか?
- 何も決まらない
- アイデアが出てこない
- 横道にそれる
- ケンカになる
- アピール合戦
- 退屈、興味がわかない
- 発言がない
- 愚痴や言い訳ばかり
- 人の発言を聞いていない
- 時間が足りない
- 情報が足りない
- 実態が伴わない
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原因
それでは、これらの症状が起こる原因は何でしょうか?
会議がすすまない根本的な原因を突き止めておかないと、対策が打てませんよね?原因は主に「目的の共有不足」「メンバーの相性」「オーナーやファシリテーターの意識」「会議のコンテンツの品質」の4つがあると考えられます。
原因その1 目的の共有不足
代表的な原因は、目的の共有不足から起こる症状でしょう。
会議には目的があるはずですが、その目的を共有できていないために起こる症状です。
企画商品会議や経営会議で、情報不足で承認できないことや、次の会議に先送りされることなどは、この会議で必ず「決める」という目的を見失っている結果です。
また、アイデア会議ですぐに結論を出そうとしてしまうのも、「数多くのアイデアを出す」目的を忘れているからなのです。話題が横道にそれるのは、ブレストなどでは歓迎すべきことですが、何かを決定する会議ではあってはいけないことです。
このように、本来の目的と行動が一致していないときに、会議はあらぬ方向にいってしまうのです。
- 何も決まらない
- アイデアが出てこない
- 横道にそれる
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原因その2 メンバーの相性
ふたつめの主な原因は、会議に参加するメンバーの人選に関係する症状です。
いつもケンカになってしまう相性の悪い人たちはいるものです。お互いが明確な意思をもって主張と主張がぶつかり合あうのは、決して悪いことではないのですが、会議の進行という意味では、ほかの場所でやって欲しいと思ってしまいますよね。
そのほかにも、参加者が好き勝手に実績をアピールすることに時間をかけていることもよく見られます。最悪なのは、参加メンバーが 退屈してしまい、興味もないのに、参加させられている場合です。かれらは、場の雰囲気もぶち壊してしまうので、会議自体の価値が低下してしまいます。
このように、会議は人が行うものなので、人の相性や素行が原因となった症状が見られますが、最悪、会議自体が成り立たないことあってありえるのです。
- ケンカになる
- アピール合戦
- 退屈、興味がわかない
原因その3 オーナーやファシリテーターの意識
3つ目の原因は、会議をコントロールしようとする意識の問題です。
会議オーナーやファシリテーターが、愚痴や言い訳ばかり言ったり、逆に興味を示さず発言もしない参加者に対して、それを許してしまうようでは、問題はいつまでたっても解決できません。会議の種類によってルールや進行方法も異なりますが、それらを知ったうえで、自らゴールに向けて舵を取る意識がないと、参加者が好き勝手なことばかりしてしまい、何も決めない、何もアイデアを出さないだけの、ただの井戸端会議に成り下がってしまうでしょう。
そうなってしまっては、オーナーやファシリテーターだけでなく、参加者にとっても時間の無駄であり、次回の会議からは、何かの理由をつけて欠席する人ばかりになってしまうでしょう。
- 発言がない
- 愚痴や言い訳ばかり
- 人の発言を聞いていない
原因その4 会議のコンテンツの品質
4つ目の原因は、会議の中身の品質の問題です。発表時間が足りなかったり、情報が足りなかったり、活動の実態と報告が矛盾していなかったりするのがそれです。会議の品質と直結する問題なので、限られた時間の中で有益な会議にするためには、かならず解決しないといけない問題です。
- 時間が足りない
- 情報が足りない
- 実態が伴わない
コントロールできないこと、難しいこと
いろいろ症状がありましたが、これらの代表的な症状の中で、会議オーナーやファシリテーターがコントロールできるものと、コントロールするのが難しいものを見極めておくことで、対策が打てるはずです。
コントロールが難しいことの代表選手は、「メンバーの相性」と「会議のコンテンツの質」にかかわることです。つまり、参加者の人選、発表資料の中身、発表時間は基本的にコントロールするのが難しい要素です。
メンバーの相性をコントロールしたくても、経営会議などの大きな会議は、責任者の出席が必須である場合が多く、オーナーやファシリテーターが勝手に決められない場合が多いものです。したがって、メンバーの相性である「ケンカになる」「アピール合戦」については、直接的にコントロールすることはできません。
会議のコンテンツの質についても、発表内容は発表者しかわからないので、実体があるのかどうかなどは会議で質疑応答してみないとわかりません。矛盾点だらけで質問ばかり、回答ものらりくらりやられていたら時間がいくらあっても足りません。
このように、メンバーの相性と会議のコンテンツの質は、会議全体の品質を左右するほど大きな問題なのですが、それを解決する鍵は、残りの「目的の共有不足」と「 オーナーやファシリテーターの意識」に隠されています。
では、どうすればいいのか、対策案を考えて見ましょう。
事前に準備できること
会議に出席するメンバーを選ぶことが困難なことは上で述べたとおりですが、出席予定のメンバーに会議をかき回さないでもらうように事前に対策を打つことはできます。事前に根回ししておくことで、ケンカする人同士の落としどころ事前に調整したり、なんでも批判しがちな人の意見をあらかじめ盛り込んでおくなどの対策ができるでしょう。
また、報告フォーマットを作っておくことで、発表時間と最低限聞きたい内容はカバーできるはずですし、会議前までに資料を提出してもらうことで、オーナーがあらかじめ報告内容に目を通しておいて、発表資料の不出来なところを会議中に効果的に聞き出すことができるはずです。
- 会議の目的を明確に伝えておく
- 資料フォーマットを作っておく
- 根回しして落としどころを探っておく
- 発表資料に事前に目を通す
会議中にコントロールすること
コントロールが困難な問題であっても、会議中に対策できることもあります。
たとえば、時間が足りない問題であれば、タイムキーパーを置くなどの工夫ができるでしょう。また、横道にそれる場合でも、冒頭に会議のテーマと今回決めることを宣言することで、参加者に幾分かは気にしてもらえるかもしれません。
根回ししても、仲が悪い人同士や、相性がよくない発表者がまだケンカするようでは、オーナーが強い意志で批判合戦を制止するなどが必要です。
これらは、「会議の目的を共有」することさえできていれば、決してできないことではありません。
- 会議の冒頭に目的を伝える
- タイムキーパーを置く
- 強い意志でルール違反を制止する
このように、事前準備として「根回し」、「報告フォーマットの作成」、「会議前に提出義務付け」、そして会議中には「タイムキーパーを置く」、「冒頭に会議の目的を伝える」、「ルール違反があった場合は指摘する」などによって、会議の品質は格段に向上するはずです。
これらは、会議のオーナーやファシリテーターの心がけひとつで改善できるものです。
さいごに。会議の種類と目的でわけて考えてみる
これまで、会議やミーティングの進行時におこる課題とその原因、そして対策を考えてきましたが、さらなる傾向と対策には会議の種類と目的にわけて、これらの症状への対策を考える必要があるかもしれません。
会議の目的は、基本的に2つしかありません。それは「何かを決める会議」か「アイデアを集める会議」の二つです。これらの会議の目的によって、よく見られる症状が違うはずです。
※ちなみに、会議の種類と目的については過去に記事を書いているので、そちらもご覧ください。
結局、会議やミーティングの目的は、2つだけですよ。
たとえば、ブレストなどのアイデアを集める会議では、メンバーの相性の問題は、何かを決める会議と比べて、比較的コントロールしやすい課題でしょうし、横道にそれることや、時間が足りないと言った問題についても、それほど気にする必要はありません。
このように、会議の目的によって留意すべき課題は異なってくるものです。
何かを決める会議のコントロール
何かを決める会議では、目的は「決めること」なので、横道にそれないようにオーナーがコントロールしなければなりませんが、参加者の相性なども見て落としどころを探ることも求められるようです。また、会議の品質を維持するためには、強い意識でグチや言い訳を許さないことも肝心だといえます。
- 何も決まらない → 「目的の共有不足」が原因
- 横道にそれる → 「目的の共有不足」が原因
- ケンカになる → 「メンバーの相性」が原因
- アピール合戦になる → 「メンバーの相性」が原因
- グチや出来ない言い訳ばかり → 「オーナーやファシリテーターの意識」が原因
- 時間が足りない → 「会議のコンテンツの品質」が原因
- 情報が足りない → 「会議のコンテンツの品質」が原因
- 実体が伴わない報告 → 「会議のコンテンツの品質」が原因
ブレストなどのアイデア集めの会議
ブレストなどのアイデアを集める会議では、その場で何かを決めることはないので、その分緊張感からは開放されますが、逆にアイデアが出しやすい環境を作り出すことが求められます。まずは目的を共有して参加者の意識を高め、積極的に発言できるように促す必要があります。そのため、結論を急ぐ人や批判的な人に対しては、強い意志を示す必要があるでしょう。
- アイデアが出てこない → 「目的の共有不足」が原因
- 退屈、興味がわかない → 「メンバーの相性」が原因
- ケンカになる → 「メンバーの相性」が原因
- 発言がない → 「オーナーやファシリテーターの意識」が原因
- グチや出来ない言い訳ばかり → 「オーナーやファシリテーターの意識」が原因
- 人の発言を聞いていない → 「オーナーやファシリテーターの意識」が原因
- 情報が足りない → 「会議のコンテンツの品質」が原因
著者情報
工学系の大学を卒業後、大手通信キャリアでシステム開発、データ分析、マーケティング支援に従事。私費MBA留学し戦略コンサルファームに勤務。その後大手通信メーカーで新規事業立ち上げを10年以上。専門は新規事業立案、イノベーション、マーケティング全般。PEST分析やSWOT分析などのビジネスフレームワークの研修講師も担当。その他スキルに英語、ウェブ開発、動画制作なども。ブログは10サイト以上/ウェブサービスもいくつか開発経験あり。英語はTOEICは955点保持。結構変わった経歴だと思っています。詳しくはプロフィールをどうぞ。