一般的なファシリテーター研修の内容と業者を調べてみました

ファシリテーター研修や講座は、日本ファシリテーション協会などいろんなところで開催されています。

外部の研修を活用する場合、目的と予算が問題となってきますが、一般的なファシリテーター研修の内容は一体どのようなものなのでしょうか?
研修の内容を事前に知っていれば、研修で自分が身につけたいスキルを得ることが出来るのかどうか判断できますよね。また、社内で自前でファシリテーターを育てたいと言った場合でも、どんなことを学べるプログラムを作ればいいのか?または、社内の誰が講師に適任か?などもわかってくることでしょう。

今回は、過去に自分が受けた経験などから、一般的な研修の内容について述べてみたいと思います。
参考にしてみてください。

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一般的なファシリテーター研修の内容

一般的なファシリテーター研修の内容は、大きく3部に分けることが出来るでしょう
ひとつ目が、ファシリテーターとは何かといった基礎知識についてであり、座学中心で頭で理解する時間です。
二つ目は、ファシリテーターが準備すべき事柄についてです。会議に望む前に、ファシリテーションを実践するために準備してかないといけないことを知っておくことで、会議を円滑に進めることができるはずです。こちらも知識つめこみ中心の座学になるでしょう。
そして、最後の三つ目は、実際の会議での立ち回り方についてです。
こちらは、これまでの二つとはことなり、実際に会議進行をやってみることで、具体的な課題に気付いたり、その解決先を身につけることが中心となります。いきなり本番でやってみる前に、実際に立ち回ってみて、難しさを知ったり、事前に慣れたりすることができるはずです。
それでは、ひとつひとつ見ていきましょう。

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1 そもそもファシリテーターとは何か?

まず最初に、ファシリテーターが知っておくべき専門用語や役割などを学びます。
ファシリテーターといってもいろいろな意味がありますし、人や業界によってはファシリテーターの役割も変わってきます。
そのような中、共通して言える「めざすべき会議」や「あるべき姿の会議」とは何なのか?どういった会議にならないようにすべきか?などを理解したうえで、本来の会議の目的を知る必要があるのです。
そして、その会議の目的に向けて、議論メンバーのいろいろな意見をまとめていくためにも、大前提として、どういったときにファシリテーターが必要であり、何を求められているのかといった基礎知識を頭に入れておく必要があるのです。

  • いろいろなファシリテーターの定義
  • 会議の目的と会議進行を妨げるもの
  • あるべき会議の姿
  • ファシリテーターの役割
  • ファシリテーター用語

ファシリテーターとは何かについて詳しく解説した過去記事もあります。下の記事をご覧ください。
ファシリテーター とは何か?ファシリテーターの用語の意味からファシリテーターの価値まで

2 ファシリテーターの実践(準備編)

ファシリテーターとは何か?といった基礎知識を仕入れたら、次に学ぶべきことは「事前に準備すべき事柄」です。ファシリテーターに限ったことではありませんが、準備次第で本番の品質はかなり異なります。準備すべきことは二つあります。

一つ目は、会議のアジェンダ作りです。アジェンダとは会議の議題やテーマのことですが、あらかじめ会議で議論すべきことを箇条書きでリストアップしておくことで、会議の流れを把握することが出来るはずです。
また、会議の流れにあわせて進行するためには、各テーマの論点をしっかりと理解しておくことが重要です。論点から外れた場合に本筋の議論に戻すためにも、かならず事前に論点が何かを知っておく必要があります。
このように、会議の目的に合わせ、アジェンダを作成し、各テーマの論点を探り、進行の方向性を決めておくことで、柔軟なファシリテーションを行うことができるでしょう。

二つ目は、会議の環境づくりです。ファシリテーターの大きな役割として、議論をいきいきとしたもにするなどの「場作り」があります。具体的には、「根回し」があります。議論が紛糾しそうな議題によっては、あらかじめ詳細な資料を準備してもらったり、落としどころを発表者と関係者との間を調整しておくなどによって、滞りなく会議進行することができるでしょう。
ほかにも、ブレストなどの場合では、ルールを徹底することが重要にもなってきます。会議によって、あらかじめどのようなルールで行うべきかを理解しておくことも重要です。
場作りに必要なこととしては、環境づくりも当然重要です。参加人数に応じた会議室の確保、備品の準備なども欠かすことができません。
研修ではこういった事前に準備すべき事柄について、実際にアジェンダ作りや論点整理をしてみることによって、網羅的に体験しながら学ぶことが出来るでしょう。

  • 事前準備の必要性
  • アジェンダの作成
  • テーマごとの論点の整理
  • 場作りに必要な事柄
  • 根回しが必要なケース
  • 議論ルール
  • 環境づくり

3 ファシリテーターの実践(立ち回り編)

頭に知識を入れるだけでは、ファシリテーターにはなれません。やはり実際にやってみることが一番です。そのため、ほとんどのファシリテーター研修プログラムでは、演習の形をとっています。
それぞれの流れに沿って、トラブルシューティングを交えながら、実際に司会をやってみる方法が主なやり方だと思います。

演習の流れ

①アイスブレークの方法

初対面の方ばかりで会議を行う場合、気持ちをほぐすために簡単なアイスブレークが必要なときもあります。アイスブレークの方法を知っておけば、本題にスムーズに移りやすくなるはずです。研修の講師がどのようにアイスブレークをしてきたかも参考にしながら、実践することで比較的早く身につけることができるでしょう。

②アイデア発散の方法

アイデア発散の方法はいくつかありますが、複数の人数がアイデアを出し合うブレストなどでは、他人のアイデアに相乗りすることも推奨されているので、連想ゲームのようにして話題を振っていくなどのテクニックも有効です。そのほかにも、SWOT分析やマンダラートなどのフレームワークを用いて、ビジュアル的にアイデアを発散させることもよくとられる手法だと思います。

③意味のある問いの立て方

アイデアが出てこない状況になった場合や、行き詰ってきたときにブレークスルーの手がかりを提供するのもファシリテーターの役割でもあります。そんなときには、参加者に対して意味のある問いかけをすることで、発想を飛躍させることができることがあります。そのためには、様々な視点を持っていること、自分自身がアイデアを出す経験をたくさん積んでいることが重要ですが、研修ではそのヒントを得ることができると思います。

④積極的傾聴の方法

ファシリテーターは会議の脇役、黒子であり、自らアイデアを出して会議を制圧するなどはあってはいけません。むしろ、発言者のアイデアに耳を傾け、掘り下げ、広げることが重要です。その上で会議の品質を高めるために、③で述べた意味のある問いかけをしてみたり、フレームワークを用いて②のアイデア発散の手助けがでいるようになるはずです。
また、傾聴によって、参加者に批判されずに聞いてもらえるという安心感を与えることで、より活発な会議に導くことができるはずです。実際に批判しないで傾聴することは、結構難しいのですが、研修に参加することで日ごろから傾聴する方法を身につけることが出来るはずです。

⑤結論の納得感とプロセスの納得感の醸成方法

ブレスト会議など、会議によっては、あえて結論をださない会議もありますので、一概には言えませんが、会議を終えたときに得られる達成感や充実感というものは、最終的に得られた結論に対する納得感とプロセスに対する納得感によって得られるものです。納得感を得るためには、メンバー全員に議論に参加してもらうこと、言いたいことをいえたという満足感を得てもらうことといったことが重要になってきます。参加者の表情を見たり、良い足りない人のケアをするなどして、結論とプロセスの納得感を高めることも重要な役割なのです。

⑥ホワイトボードの威力とアイデア収束の方法

私がコンサルなりたての頃、先輩からファシリテーターたるもの必ずホワイトボードに近いところにいなさいと言われていました。これは、人は目で見ることによって発想が広がるため、ホワイトボードに箇条書きに発言内容をまとめることで、飛躍的に会議が活性化されるからだということでした。箇条書きだけでも飛躍的に活性化されますが、もちろん、出てきたアイデアをフレームワークに書き込むなどするこで、さらに議論を活発にすることが出来るでしょう。ホワイトボードの使い手になることがすぐれたファシリテーターの第一歩かもしれません。

⑦合意形成の方法

合意形成は、⑤の結論とプロセスの納得感とも密接な関係がありますが、最後に合意形成のステップをとることで、会議の本来の目的に近づくために欠かせない事柄を改めて浮き上がらせることができます。もしかしたら、会議が振り出しに戻ってしまうこともあるかもしれませんが、企画会議などの「何かを決める会議」の場合は避けては通れないステップです。研修によって、ぜひ合意形成時によくあるトラブルシューティングを身につけておきましょう。

外部ファシリテーター研修

前節までがファイ知りテーター研修で一般的に身につけることが出来る事柄を述べましたが、では、ファシリテーター研修をやってくれる会社や団体などはどこがあるのでしょうか?簡単ですが、調べてみましたのでご紹介します。

日本ファシリテーション協会

日本ファシリテーション協会
日本ファシリテーション協会とは、ファシリテーションの普及を目指してつくられたNPOです。毎月日本のどこかで、ファシリテーションの公開セミナーもやっているので、都合の良い日程と場所を選んで申し込むことが出来ます。
ファシリテーション

JMAマネジメントスクール

JMAマネジメントスクール
JMAマネジメントスクールとは、日本能率協会が運営するビジネス関連セミナーや研修のポータルサイトです。会議、プロジェクト進行プロセスを効果的に管理するためのファシリテーション・スキル修得セミナーと題して、ファシリテーター研修を実施しています。
ファシリテーション

デロイトトーマツ ファシリテーション入門

デロイトトーマツ ファシリテーション入門
外資系コンサルタント会社のデロイトトーマツの関連会社であるトーマツ イノベーション株式会社が主催するファシリテーター研修です。2時間の短時間コースです。
ファシリテーション

コクヨ 会議ファシリテーション研修

コクヨ 会議ファシリテーション研修 
面白いところでは、会議に必要な用品やファシリテーションのグッズ等を販売しているコクヨが提供する研修サービスもありました。
ファシリテーション

3 ファシリテーター研修の内容まとめ

ファシリテーターに限らず何事も、実力をつけるには場数をこなすのが一番ですが、まずは専門家に教えてもらってみるのも一理あると思います。
今回の記事は、ファシリテーター研修の内容についてまとめてみましたが、お役に立てましたでしょうか?

著者情報

工学系の大学を卒業後、大手通信キャリアでシステム開発、データ分析、マーケティング支援に従事。私費MBA留学し戦略コンサルファームに勤務。その後大手通信メーカーで新規事業立ち上げを10年以上。専門は新規事業立案、イノベーション、マーケティング全般。PEST分析やSWOT分析などのビジネスフレームワークの研修講師も担当。その他スキルに英語、ウェブ開発、動画制作なども。ブログは10サイト以上/ウェブサービスもいくつか開発経験あり。英語はTOEICは955点保持。結構変わった経歴だと思っています。詳しくはプロフィールをどうぞ。

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