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デール・カーネギーの生い立ち、人を動かす三原則、人に好かれる六原則ほかまとめ

   

自己啓発書の先駆者デールカーネギーとその主張

『人を動かす】という本を知っていますか?
『人を動かす』は、1936年に出版された本ですが、自己啓発本の起源ともいわれていて、現在でも多くのビジネスマンに読まれている超定番のベストセラーでもあります。

現代社会は、パソコンやスマートフォンの普及により、どこにいても誰とでも手軽に連絡が取り合える「便利な社会」となった反面、孤食や核家族世代の増加、マンションなどご近所付き合いのない生活スタイルが一般的となりつつあり、”人づきあいが苦手”という人も少なくないのではないでしょうか?

昨今、そのような人向けの自己啓発本はたくさん出ており、空前の自己啓発本ブームとも言われています。
そんな時代の先駆者的存在ではないかと言われているデール・カーネギーによる最も有名な著書がこの『人を動かす』です。
この本は、カーネギーの長年かけて収集した実体験をもとに、人づきあいにおいて必要なこと、心がけておくべきこと、決してしてはいけないことなどが分かりやすく記載されており、説得力のある啓発本の代表作として、時代を超えて読み継がれています。

今回は、そんなカーネギーの生い立ちと、人を動かす三原則、人に好かれる六原則、人を説得する十二原則、人を変える九原則について解説します。

デール・カーネギーの生い立ち

カーネギーの生い立ちは、アメリカミズーリ州の貧しい農村出身です。
そこから、大学を出て、記者、俳優、商売人など様々な業種を転々とします。
言わば人づきあいの権化として、人とうまく付き合っていく方法の伝道師となったカーネギー氏の原点は、この「転職」の多さに由来するのかもしれません。

様々な職種を経験して、苦労の上、成功を収めた後に、ニューヨークで立身出世を夢見ますが、さらなる挫折や紆余曲折を経てYMCA(キリスト教青年会)の弁論術担当講師(今でいうと研修やセミナー講師)で身を立てることに喜びを感じることで自分の本文を発見するに至り、人気も集まり、次第に注目を浴びるようになります。

カーネギーの講演や研修は、主にビジネス上のコミュニケーションに重点を置いたものであり、多くの受講者はごく普通の一般的な家庭の出身であり、厳しい競争社会での生き残りを切実に願いつつ、立身出世を夢見て、もがいている人たちでした。彼らにとって、カーネギーの温かい指導は大変な好評を博したとのことです。
本書を読まれたらわかると思いますが、とてもやわらかい文章で、(少々回りくどいかもしれませんが)丁寧に丁寧に書かれていることがわかると思います。
実際の研修も、とても丁寧だったのではないでしょうか?

様々な業種の人の目線を学び、それぞれの人の立場に立って考えることができる強みは、カーネギーだから持ちえた着眼点と言えるでしょう。カーネギーの著書は、どの本も根底に「人を動かしたいなら、まず自分の行動を変えるべきだ」という理論が成り立っています。

人を動かす三原則

1.「盗人にも五分の理を認める」… 非常識な行動の理由を考えてみる

カーネギーは、『人を動かす』で、当時実際に起こった強盗犯の発言を例にとって、たとえ一般世間の常識では理解できない自己中心的な行動に見えることであっても、もし相手が自分なりの主張や考えに基づいた行動であれば、その行動を変えることはできないといいます。

なぜなら、否定的な言葉を投げかけられると、人は相手に攻撃されたと感じて、敵であるあなたから身を守る必要がでてくるからです。そのため、あなたを避けたり、無視したり、あるいはあなたへ敵対心が生まれて、時には攻撃してくるかもしれません。

ぐさっと来たのは、カーネギーの「人を非難するのはどんな馬鹿者にもできる。そして馬鹿者にかぎってそれをしたがるものだ」という言葉です。確かに、相手の非常識な行動を非難したり、批判するのは誰でもできることだし、楽な道です。だって、誰からも反論されることはありませんからね。

例えばあなたが上司であるとして、部下に対して「いつになったら遅刻がなくなるんだ!」とか「こんな仕事にいつまで時間かけてるんだ!」「同じ事何度も言わせるな!」などと、否定的な言葉を日ごろからたくさん使っているとしたら、一旦考え直してみるべきでしょう。

では、相手に対して不満がある場合、どうしたら良いのでしょうか?

カーネギーは、相手へ理解を示すことが重要だといいます。
理解に苦しむ行動があったとしたら、逆にどうしてそのような行動に出たのか、背景や相手の心情を読み解くようにするのです。そうすれば、相手への同情心や共感も生まれ、結果として相手との距離が近づくのです。

2.「重要感を持たせる」…相手の真価を認める

人間には、誰かに認めてもらいたいという承認欲求があることは旧知の事実で、それゆえに相手を認めてあげるよう心がける必要があることは当然とも言えます。
でも、何かとあわただしい日々の生活の中では、忘れがちですよね。

カーネギーは、だからこそ、友人を作り、人を動かす秘訣は、心から周りに感謝したり、人を思いやる気持ちや、その言葉が重要なのだといいます。
社交辞令や嘘から出た言葉ではなく、心からの気持ちは相手に確かに伝わり、その結果が相手を動かすことにつながるのです。

なかなかできないからこそ、重みをもつということでしょう。
人は、自分のことを重要視してくれる人や、自分の真価を認めてくれる人を探しているものです。
人には短所も長所もあるものですが、カーネギーは、ひたすら自分のいいところだけを見てくれて、信じてくれて、親身になって考えてくれる人こそ、真の友人をつくることができるのだと教えてくれます。

「言われるまでもなく、こんなことわかっている」と言いたいところですが、忙しいと、相手の長所を認めて相手に伝えることは、億劫になってしまうものです。特に、近い友人や家族ほど甘えてしまいがちです。気を付けたいものですね。

3.「人の立場に身を置く」…相手に気付いてもらう

人は誰しも自分に関することに興味があると言われているように、自分の考え付いたことには最後まで責任を持とうとする習性があります。
この習性を利用して、例えばあなたが何か良いアイデアが浮かんだ際、それをあたかも相手が思いついたかのように見せかけ、相手の意見にしてしまうと良いのです。

そうすると相手は、自分が良い意見を思いついたと思い込み、そのことに興味がわきます。そして、やる気が起きるのです。これをわきまえている人は、人を動かすことが上手で、反対にこれができない人は、人の上に立つことが得意ではないでしょう。

人はどうしても、自分が思いついたアイデアを誇りたい気持ちがあるものです。特に、困っているときや、悩んでいるときにひらめく打開策などはそういった傾向が強いと思います。
すごいアイデアをひらめいたときは、私もそうですが、なんだか自分がすごい人物になったような気持ちになるものです。実際には、すでにほかの人が考えたアイデアであっても、自分にとっては初めての「気づき」だからなのでしょう。

そこをうまく利用しようというのが、この三番目の原則ですが、ここにこの原則を実行する難しさも隠されていると思います。なぜならば、自分がひらめいたアイデアを誇りたい気持ちは、相手だけでなく、相手を動かしたい自分自身(あなた?)も同じ気持ちが起こるものだからです。

自分のアイデアだといいたい気持ちをぐっとこらえて、相手の立場に立って、相手が自分自身でアイデアをひらめいたのだと思ってもらえるような演技力の根底には、相手を思いやる真摯な思いやりの気持ちが必要なのかもしれません。

このように、カーネギーは、相手の立場に身を置き、相手の視点から物事を考えることが大切だと記しています。平たく言えば相手の気持ちになり、どうすれば「行動したい!」という欲求のトリガーを引けるのかを考えて働きかけることが大切なのです。

人に好かれる六原則

1.「誠実な関心を寄せる」…相手のために行動する

真の友達を求めるのなら、心から友達のために行動することがその近道です。
相手に関心を示すことは、相手との距離を縮め、結果的に友達ができやすくなります。
また、誠実に関心を示された相手は、あなたのことを信頼するため、あなたにとって味方になりやすくなるでしょう。

2.「笑顔を忘れない」…無理にでも笑ってみる

笑顔でいることは、相手に良い印象を与えるだけでなく、自分自身のことも明るくします。
とはいえ、笑顔を見せられる心境にないときはどうしたら良いのでしょうか?

まず、第一に、無理をしてでも笑顔を作ることです。
また、時には鼻歌を歌ったり、幸せで仕方がないことを想像して、そのように行動するのです。
すると不思議なことに、自然と幸せかのように錯覚してくるのです。
つまり、文字通り「笑う門には福来る」で、笑顔は周りのみならず、あなた自身のことも幸せにするのです。

3.「名前を覚える」…名前を呼ばないといけない状況を作る

名前というのはとても大事なもので、その人自身を表す大切な働きをします。
まだ数回しか会ったことのない人に名前を覚えてもらえることは誰にとってもうれしいことであるし、また反対に、名前を間違われたり、覚えてもらえないことは人を不愉快にさせます。

ポイントは、あえて名前を呼ばないといけない状況を作ることで、名前を呼びかけながら言葉をかけたり、積極的に繰り返し名前を呼ぶ意識することです。繰り返し名前を呼ぶことで、名前を覚えるだけでなく、相手に親近感を持ってもらえるようになってもらうことで、次第に仲間を増やすことができるようになるはずです。

4.「聞き手にまわる」…人は話を聞いてくれる人に飢えている

人はだれしも、自分自身のことに対して最も興味を持っています。
人はいつだって自分の話を聞いてほしい生き物です。
カーネギーが生きた時代よりも、現代社会では、特にこの傾向は強くなっているはずです。「聞いてほしい」というレベルを超えて、「飢えている」といっても過言ではないでしょう。

だからこそ、自分の話したい話だけ話して、人の話を聞かない人は煙たがられ、反対に誰の話も親身になって聞いてくれる人は、誰からも好かれ友人が多いのでしょう。
いつだって相手の話の聞き役に徹するよう努めることが、人に好かれるコツなんですね。

5.「関心のありかを見抜く」…相手の好きそうな話題を探す

相手と話が盛り上がるには、相手が興味を持っていると思われることを会話の中から見抜き、それを瞬時に話題に取り入れることが肝心です。
そうすることで会話は盛り上がり、結局は相手からたくさんの情報を得ることができたり、相手との距離が縮まるため、結果としてあなたにも利益を生み出すことになるのです。

もちろん、相手の関心がどこにあるのかを探すことは、多くの人が心がけていることだとは思いますが、会話が進むうちに、自分が興味があることは熱心に盛り上がるけど、あまり興味がないと、どうしても話題が続かないことがあるものです。
そんな時には、相槌を工夫してみたり、リピーティング(オウム返し)で聞いている姿勢を保ちつつ、相手と自分の共通の興味の分野を探すことも重要なことかもしれません。

6.「心からほめる」…尊敬できる長所を見抜く

誰かと話すときは、その人自身のことを話題にするのが良いでしょう。
人はだれしも自尊心を持っており、自分は人よりも優れている、自分自身を誰かに認めてもらいたい、尊敬してもらいたいと考えています。

そのことをわきまえて、相手を崇拝すべき存在として話をすれば、知らず知らずのうちにきっと、相手はこちらの話を真剣に聞こうと努力してくれるでしょう。

特に、「心からほめる」には、演技が通用しないものです。
口から出まかせとか、おべっかとかは簡単に見抜かれてしまうものです。
相手のことを心からほめるには、相手の尊敬できる長所を見抜く努力も必要なものです。その人のこれまでの実績、行動、思想、こだわり、悩みなど、その人自身に関心を寄せ、尊敬できる長所を探すことによって、次第にお互いの気持ちが近づくはずです。

人を説得する12原則

1.「議論を避ける」…言い争いはするべからず

「言い争いで負けないためには、言い争いをすべきでない」と聞くと、「言い争いをしさえしなければ、(勝つこともないが)負けることはない」という消極的ニュアンスに聞こえがちですが、ここでいう「言い争いをすべきでない」という理論は少し違います。

言い争いをする際、お互いとも自分の意見を強く主張しますが、そこからは絆や互いへの理解を深める結果にはなりません。言い争いの結果残るのは、負けた相手が勝った相手への反感だったり、時にはその相手への憎悪であったりして、結局のところ誰もが自分の主張を正当化する気持ちは変わることはありません。

カーネギーは、言い争いには、全くと言ってよいほど生産性がないと主張します。
しかも、時に言い争った相手とは不仲になるなどして関係が悪化することもあるため、勝った側にもメリットは少ないものです。その場の感情に任せて言い争いになる愚は、避けたいものですね。

2.「誤りを指摘しない」…揚げ足はとるべからず

お笑い芸人の影響なのか、人の揚げ足をとることで笑いをとる人がいますが、人を説得する際に、人の誤りを指摘したり揚げ足をとる行動は、あまりよい行動ではありません。

なぜなら、誤りを指摘された相手は、プライドを気付付けられ不愉快な気持ちになるか、指摘した人を憎らしく思うなどして、自分の発言を改めるどころか、自分も相手の揚げ足を取ろうと思い始めるだけにすぎないからです。

もし人を言いくるめたいのなら、もっと目立たぬ方法で水面下に動かないとうまくいきっこないですし、むしろ真摯な態度で、うそ偽りがない姿勢を見せることで、相手の防御姿勢を弱めることが重要なはずです。
揚げ足をとったり、間違いを指摘する癖がある人は、気を付けましょう。

3.「誤りを認める」…言い訳はするべからず

自分自身に非がある際は、言い訳をすることなしに、すっぱりと非を認めて謝りましょう。

カーネギーによると、言い逃れをしようとしたり、人のせいにするなどの行為は、周りから見れば醜い悪あがきにすぎず、またその人の品格や人間性が問われることとなると言います。

自分の誤りを認めることは、その場の敗北を認めることになってしまうという気持ちが起こるだけでなく、一つの誤りを起点にして次々と論破されてしまうのではないかとを恐れるあまり、その場を逃れるために言い訳したい気持ちになるものですが、素直に、即座に負けを認めることで問題を先送りしないことで、結果的にすんなりと勝つことにつながるものです。

4.「穏やかに話す」…キツイ言い方はするべからず

相手の非を正す際、強い口調で思いのままにキレるようなことをしたら、どうなるでしょうか?
キレた本人は、言いたいことを言えてスッキリするかもしれません。

しかし、言われた相手はもしかしたら委縮してしまって、その人のことに反感を抱くか、怖いと思うだけでしょう。
カーネギーは、人を怒る際は、穏やかに諭すような口調で、「このようなことになった理由はなんですか?」、「どのように考えてこの行動をしたのですか?」と原因を探るようにすべきだといいます。

そうすることで、相手と意思疎通がうまくでき、相手を説得することが簡単になるはずです。

5.「“イエス”と答えられる問題を選ぶ」…逆に、YESで答えられる質問以外はするべからず

話し合いや議論の冒頭で、相手に「YES」と言わせれば言わせるほど、相手を説得するのが簡単になるということを知らない人はあまりにも多くいます。

YESが答えになるように仕向けた質問を繰り返すと、話の舵をこちらが取りやすくなるでしょう。
反対に、相手にNOと言わせてしまってから、話をこちらのペースに戻すことはとても難しいと言われています。

この原則は、実は心理学的にも「フット・イン・ザ・ドア」というテクニックとして知られています。
段階的要請法とも言いますが、まずは当然「YES」としか答えられないような質問から始めて、次第に本題に移っていくことで、説得する手法です。人は、一度発した言葉に縛られてしまうという「一貫性の原理」の利用した説得方法です。

6.「しゃべらせる」…自分ばかり話すべからず

人に自分の意見を通したいのならば、まず相手の思うことをすべて話させなければなりません。
なぜならば、人は、自分に言いたいことがある以上、相手の意見に聞く耳を持たない可能性があるからです。

ですから、相手に話させる前に自分ばかりが説明を始めることや、また相手が話す途中で、反論や誤りの指摘をすることはご法度なのです。

7.「思いつかせる」…相手に強要するべからず

いくら自分の理論が正しいとしても、自分の意見を相手に強要してはいけません。
良いアイディアが生まれた際に、その通りに相手を動かす一番うまい人の動かし方は、相手に強要するのではなく、その良いアイディアをあたかも相手が考え付いたことのように持っていくことです。

そうすると、相手は自分が考えたものとして、そのアイディアに賛成してくれるでしょう。相手に、主体的かつ自発的に納得させることが得策なのです。

この原則は、人を動かす三原則の3.「人の立場に身を置く」と同じですね。
人を動かすだけでなく、人を説得するのにも有効なのです。

8.「人の身になる」…自分目線で考えるべからず

何か相手の誤りを正したい時、自分の目線から語ってはいけません。
なぜなら、その解答を出した相手には、その相手なりの考えがあって行動しています。

それを頭ごなしに否定したり、非難することは簡単ですが、それは何の解決にもなりません。
そうではなくて、相手がどのように考え、どのような理由からその答えをだしたのか、と相手を理解しようとすれば、おのずと相手との距離が縮まり、相手の考えの根本にあるものを見つけ出すことができるのです。

この原則も人を動かす三原則の1.「盗人にも五分の理を認める」と同じと考えていいでしょう。
非常識な行動にも、相手なりの主張が隠されているということですね。

9.「同情を寄せる」…情け心を忘れるべからず

相手を動かしたい時、最も有効な手立ては相手へ情や優しさをかけてあげることです。

なぜならば、人は皆いつだって愛されたく、また注目してほしい、理解してほしいと考える生き物だからです。
ですから、相手が嫌われ者の頑固親父であっても、変わり者で人に理解されない人であっても、相手への理解と情け心を真摯に向ければ、相手はあなたに心を開いて、あなたの言葉に耳を傾けてくれるでしょう。

人を説得するためには、同情を寄せる。まさに、情けは人の為ならず。ですね。

10.「美しい心情に呼びかける」…真実にばかり目を向けるべからず

カーネギーは『人を動かす』で、ジェームズ・トマスの引用を用いて、
「人を誤魔化すような人間でも、相手に心から信頼され、正直で公正な人物として扱われると、なかなか不正はできない。」
と言います。

私たちの行動は、大分すると2つの行動原因に由来していると言われています。
1つは真実の理由、そしてもう1つは大義名分と言われるような美談による理由です。

真実については、誰もが理解していることなので詳しい説明は不要ですが、2つめの美談は、実はとても重要です。
なぜならば、人間の行動や主張は、いつだって美しい理由が花を添えるからです。

ですから、相手を説得したいのならば、美しい美談を付け加える遊び心と余裕が必要と言えます。

11.「演出を考える」…伝え方も手を抜くべからず

人に何かを伝えたいのならば、その伝え方にも注意しなければなりません。

伝え方と一口にいうのは簡単ですがその中身は多岐にわたり、言葉のニュアンス、伝えるタイミング、伝える状況、伝える際の言葉の選択など、注意すべき点はたくさんあります。
それらを含めて伝え方として、単に必要な言葉を並べるのではなく、構成を考えなければ十分とは言えません。

結婚を申し出る男性が、相手の女性にOKをもらうために、あの手この手を使って準備している様子を想像するといいかもしれません。言葉だけでなく、五感を使って納得してもらうための演出をすることで、説得できることもあるものです。

12.「対抗意識を刺激する」…闘争心を侮るべからず

人が生活していくためには、人と競争しなければならない場面が数多くあります。

そのような際に、人は人に勝ちたいという闘争心、競争心を持ちますが、その情熱を利用して、人を動かすことができます。あいつには負けたくない、他の人はできたのにい自分にできないなんてはずはない、悔しい、そういった感情を逆手に取り、相手を誘発させましょう。

そのようにすると、自発的に相手が動いてくれるため、相手を動かしやすくなります。

人を変える九原則

1.「まずほめる」…褒めることからはじめる

相手に何かを伝える時、特にそれが、注意や助言など、相手にとっては嬉しくない情報であればなおさら、まずは相手を褒めることが重要です。

どうしてかというと、人を動かしたり、相手に何かを理解してほしい時は、まず相手にとって自分が味方だということを伝える必要があるためです。
私はあなたの理解者で、あなたにとって敵ではありませんよとしっかりと伝えることでしっかりと人間関係を構築した上で、注意や助言なり指示をすることで、相手にとってそれがさほどダメージのないものになるのです。

2.「遠まわしに注意を与える」…婉曲に伝える

「口は禍の元」ということわざがあるように、言葉はほんの少しの使い方のズレで、相手に間違ったニュアンスをも伝えてしまう、危険なものです。

特に、相手にとってマイナスなことを伝えたい時は、「しかし」、「だから」など”強い”意味になりかねない言葉は避け、できるだけ”曖昧な”言葉を選ぶようにしましょう。
マイナスな表現は、やんわりと伝えることでも十分に相手に伝わるのだということを覚えておきましょう。

3.「自分の過ちを話す」…失敗談を共有する

人に何かを教えたり、時には相手のミスを伝えたりする際、まずは自分の”失敗談”を共有することは有効です。

失敗談を共有することで、指図される側の相手との距離が縮まり、「この人は遠く上から偉そうに指図しているわけではなく、私の気持ちがよくわかる立場の人なのだ」と思ってもらうことで、こちらの話を聞いてもらいやすくなるでしょう。

4.「命令をしない」…相手自身に気付かせる

相手を変えたい時や、相手に正しいやり方をわからせたい時、「これはこうするべきだ」と断定して命令しても、相手には響かないことがあります。

そんな時、「これはどうするべきだったと思う?」と相手に疑問を投げかけて、相手自身に気付かせるような聞き方をすると、「そうか、これは正しくなかったんだ」と、自ら進んで気付いてくれるだけでなく、主体的に考える思考さえも身につけてくれるという、一石二鳥の結果となることがあります。

相手が動作を始める前から、「これはこのやり方でやるべきだ」と決め手付ける形で言うよりも、相手に一度行動を起こさせて、失敗した経験から自分で学ばせるやり方の方が、相手がスムーズに納得する近道となるでしょう。

5.「顔をつぶさない」…相手の気持ちになる

自分に主張がある際、自分の都合だけで相手にものを言ってしまう人は多くいますが、それを言われた相手の気持ちを考えることが大切なのは、言うまでもありません。

相手の立場になって、相手の神経を逆なでしたり、相手を侮辱したやり方をせず、相手に上手く伝えるように工夫することも、上手く伝える有効な手段と言えるでしょう。

6.「わずかなことでもほめる」…褒めるところを探す

私たちは、誰しも誰かに認めてもらいたい、褒められたいという感情を持つ生き物です。これまでも何度も、相手を褒めて伸ばす方法が有効だということはお伝えしました。

しかし、それと同時に気を付けたいのは、うわべだけで褒めたりお世辞を言ったりすることは、何の役にも立たないどころか、却って相手の感情を逆なですることとなる場合があるので、注意が必要だという点です。
正直な気持ちは、相手の心に届きます。それと同時に、うわべだけの言葉もまた、相手には伝わってしまうと心得ましょう。

7.「期待をかける」…期待で品質を高める

人は、誰かの期待を裏切りたくないと考える生き物です。
ですから、相手に求める水準がある場合、「あなたは既にその水準の人です」と、相手に期待をすると、期待された相手はその期待を裏切りたくないため、一生懸命に努力をして、その評価をキープしようと努めるでしょう。

相手には、求める水準で期待をかける。覚えておきましょう。

8.「激励する」…自信を持たせる

よく、部下や後輩の仕事ぶりをののしったり、罵倒したりすることで、彼らのやる気を引き出そうとする上司がいます。
いわゆる、”恐怖政治”と言われるものですね。

これらは、その恐怖心から死に物狂いで努力すると一見思われがちですが、誤りです。

”恐怖政治”は、将来有望な社員の芽を摘んでしまったり、能力を低下させてしまう恐れがあるので、やめましょう。そうではなくて、「あなたには期待している。君はやればできるんだ」と相手を認めて自身を持たせてあげる方が、その人の能力を引き出す手助けとなるでしょう。

9.「喜んで協力させる」…進んで行動させる

相手に何かを手伝ってほしい場合、いやいやながらに作業するより、進んで行動してもらう方が、良いパフォーマンスが期待できるのは、言うまでもありません。

どのようにして、進んで行動させるかといえば、この協力が相手にとっても利益があることだと伝えることが、最も簡単な方法だと言えるでしょう。

デール・カーネギーの生い立ち、人を動かす三原則、人に好かれる六原則ほかまとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は、カーネギーの『人を動かす』で述べられている主張をできるだけわかりやすく、生い立ちも含めて、自分の経験談を交えながら解説してきました。

人を動かす三原則、人に好かれる六原則、人を説得する十二原則、人を変える九原則と解説してきましたが、多くの箇所で被っている原則があったことも気づかれたと思います。
おそらく、一つの原則が複数の役割を持っているからだと思います。

また、カーネギーは、おそらくセミナーや研修のスクリプトやアジェンダをもとに本書を作成したのではないでしょうか?だから、それぞれの原則に被る要素が散見されているのかもしれません。

カーネギーが各原則で共通しているメインメッセージは、やはりタイトルである、人を動かす三原則が柱になっていると思います。この3つの原則を膨らませることで、人に好かれるようになったり、人を説得できるようになったり、人を変えることができるようになるのだというのが、本書とカーネギーが言いたいことだったのではないでしょうか?

今回は、ここまで。結構な文字数になってしまいました。最後までお付き合いありがとうございました。
お役に立てればうれしいです。

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