ファシリテーションのポイントを押さえて、会議に変革を起こしましょう

会議に変革を起こすファシリテーション

会議や打ち合わせにかけている時間が多い人ほど、導入すべきなのがファシリテーションです。
同じ結論が半分の時間で出せる、または同じ時間でより有益な結論が出せるようになれば、多くのコストを削減でき利益獲得の機会を増やすことができます。
だらだらと時間だけを費やし何の成果も生まない会議を、ファシリテーションを正しく活用することで、きっと組織を成長させる有効な場に変えることができるはずです。

ファシリテーションを理解する

会議に変革をもたらすためにも、まずは、ファシリテーションへの理解を深めてみましょう。
そもそも、ファシリテーションは会議や議論などをスムーズに進行させることと、得られる効果を最大化することを目的にしています。
そのために会議参加者の発言を促したり、意見の共有や正しい理解をサポートするなど会議をコントロールする人が必要になります。そのようなファシリテーションを促進する会議の司会進行役をファシリテーターと呼びます。

1960年代にアメリカのビジネスシーンで使われるようになったファシリテーションは、新たなサービスや技術が目まぐるしく生まれる近年、世界中で注目されるようになりました。
もはや、企業にとって新しいサービスの開発や課題の解決はスピード感をもって対応しなければならない重要な案件となっているのです。

ファシリテーションが機能する会議には、優秀なファシリテーターの存在が必要不可欠です。
そして、優秀なファシリテーターには共通するいくつかの特徴があるはずです。
では、優秀なファシリテーターに学んでみることからはじめてみてはいかがでしょうか?

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優秀なファシリテーターの特徴とは何か?

ファシリテーターは個々人の性格や経験によって、それぞれ力量が違ってきますが、それは会議の質に大きく影響を及ぼします。基本的なファシリテーターに必要な考え方や役割を理解しておくことで、極力個人の力量に左右されないファシリテーションの効果が発揮できるはずです。
優秀なファシリテーターに共通している基本的な特徴は、大きく分けて以下の3つです。

傾聴の意識と技術=良い聞き役になる

まず、ファシリテーションを機能させるには全員の意見を引き出すことが重要です。一部の人の意見だけでは人と人の作用による意見の発展に期待できないからです。
意見を引き出すために、ただ誰かを指名し返答を催促するのではなく、まずは議論の中でファシリテーター自身が参加者全員の意見をしっかり理解しようとしてください。
そのうえで、誰の意見も否定せずに受け入れていくことで発言しやすい空間を醸成していくことができます。

常にゴール意識を持つ=最終目的からそれない

議論には必ず議題があります。
何のために会議を行っているのか、そしてどんな成果をもたらしたいのかを常に頭に入れて、議論をコントロールするのもファシリテーターの役割です。
活発な議論のために意見を引き出しながら上手に軌道修正をしていくために必要な考え方があります。
それは、「今、何を議論しているか」と「この議論のテーマは何か」そして「導き出したい結論は何か」ということです。これを議論の最中に冷静に考えてみると「今、話している内容は最終的な判断に影響する」か「影響しない」かを判断しやすくなります。

合意形成を目指す=全員で共有する

全員の意見を引き出すことと並行して進めていかなければならないのが、全員の認識の共有です。議論の進行に全員の認識が追い付いていない場合、最終的な決定の段階で進行を阻害する思わぬ事態を招く原因になります。
場合によっては会議そのものを最初から仕切りなおす必要さえ出てきます。
ファシリテーターは、それぞれの意見に対して全員が内容を理解できているか、また進行していく議論に対して理解と納得を得られているか、常に気を配っておく必要があります。

そのためには、発信された意見を自分の言葉で復唱し、自分と意見の発言者側の認識確認、また受信者側の認識確認を行うことが有効です。
そうすることで発信者側の発言の意図をファシリテーターが誤認することなく、他人の発言を自身の言葉に置き換えて復唱することで受信者側は理解を深められます。受信者側に不満や理解不足があった場合にも受信者側の目線と発信者側の目線で気づく機会があるため見落としにくくなります。
ファシリテーターとしてこういったコミュニケーションスキルは重要なファクターです。

ファシリテーションの流れ

それでは、次に、上述したような優秀なファシリテーターが、どのように議論を進めていくのかを見てみましょう。

十分な準備

ファシリテーションの運用にはその手順が非常に重要です。十分な準備なくしてはファシリテーションの効果を引き出すことはできません。
まずは、会議における構成が必要です。何の議題に関して、いつどこで、何の目的で話し合うのか。参加するメンバーは何人で、誰が望ましいか。準備の段階からファシリテーターの手腕が問われるケースもあります。

雰囲気づくり

いざ議論がスタートすればまずは雰囲気作りが必要です。何のための議論なのか、どんなメンバーなのかなどを考慮し、全員が発言しやすいような雰囲気をつくります。状況によって緊張と緩和のバランスをとりながら議論を進行していきます。
ファシリテーターの中には議論の前にしりとりなど簡単なレクリエーションを取り入れることで雰囲気づくりをしている人もいます。
雰囲気づくりのなかで、会議の目的と円滑な進行のためのルールを説明しておくとよいでしょう。

議論の醸成

議論が本格的にスタートすると、様々な意見を引き出す段階に入ります。ここではそれぞれの意見が作用しあうことで、より発展的で革新的なアイデア創出が期待できます。拡散プロセスともいわれるこの段階はファシリテーターの力量が最も試される部分でもあります。

ファシリテーターは発言者の意見を引き出すために、表情や相槌で話しやすい雰囲気をつくるだけでなく、意見が偏ってきた場合に別の切り口からの意見を引き出すなどの機転も必要です。
メンバーの発言を待つのではなく、良い意見を引き出すことがファシリテーターの役割ということを認識しておかなければなりません。

収束

良質な意見を十分に引き出すことができれば、収束プロセスと呼ばれる段階に入ります。ここではそれぞれの意見をカテゴライズし、整理していきます。
カテゴライズを間違えると結論の段階でトラブルが生じやすいため、意見の発信者にカテゴライズが誤っていないかを必ず確認する必要があります。この段階で納得できていないメンバーがいれば最終段階に進まず、しっかりと納得できるまで議論を詰めます。

合意形成

全員が納得し、意見を整理できれば最終段階に入ります。結論を導くにあたりファシリテーターは、明確な判断基準を設定して全員に共有する必要があります。例えば「最もリスクが小さい方法」、「費用対効果が最大になる手段」など全員が納得できる基準に向かって結論をまとめます。

結論を出して終わりではなく、ファシリテーターは結論を実行に移すことまで考えなければなりません。結論が確実に実行されるために、誰がいつまでに何を行う必要があるかなどを具体的に決定することが大切です。

以上がファシリテーションの流れとファシリテーターが意識すべきポイントです。ファシリテーターとして経験を積むことでその質はどんどん高めることが可能です。積極的にファシリテーションに触れていきましょう。

著者情報

工学系の大学を卒業後、大手通信キャリアでシステム開発、データ分析、マーケティング支援に従事。私費MBA留学し戦略コンサルファームに勤務。その後大手通信メーカーで新規事業立ち上げを10年以上。専門は新規事業立案、イノベーション、マーケティング全般。PEST分析やSWOT分析などのビジネスフレームワークの研修講師も担当。その他スキルに英語、ウェブ開発、動画制作なども。ブログは10サイト以上/ウェブサービスもいくつか開発経験あり。英語はTOEICは955点保持。結構変わった経歴だと思っています。詳しくはプロフィールをどうぞ。

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