ファシリテーターのブレストでのアイデアの決め方テクニック

ファシリテーターの悩みのひとつはアイデアの決め方

ファシリテーターの悩みのひとつに、アイデアが出された後に、結論を絞り込むことがあります。実際には、どの選択肢がもっともいいのかを決めるのは、会議やブレストへの参加者なのですが、参加者の合意を得つつ最適な結論を出すのを促すのはファシリテーターの多いな役割のひとつです。

ファシリテーターがいなければ、つい声が大きい人の意見にながされてしまったり、会議のオーナーや上司が期待しているような予定調和的な無難な結論になってしまったり、客観性がないまま何も結論を出さない「井戸端会議」になってしまうこともよくあることです。
今回は、そんな悩みの多いファシリテーターのために、ブレストでのアイデアの絞込みテクニックの一部を紹介してみましょう。

多数決できめる

いちばん単純な決め方は多数決です。誰でも知っている方法なので、進め方の説明がいらないし、すぐにできることがメリットですね。

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多数決では、参加者が自分が一番いいと思うアイデアを選び、参加者全員の得票数の合計によって、もっとも得票数の多かったアイデアに決定するというやり方です。
やり方によっては、ひとつに絞り込まないで、複数を勝者とすることもありますが、基本的には単純に、一人一回だけ、いちばん良いと思ったアイデアに投票をして、優劣を競う決め方です。
問題点としては、知識がある人でもない人でも、どんな人であっても同じ一票なので、本当に最適なアイデアが選ばれたのか無理があることです。

そこで、似たようなやり方に、決勝付選挙(決選投票付決定)と決めたもあります。
最初に、 投票者はそれぞれ一番いいと思うアイデアを選ぶのは同じなので、過半数以上の得票数を得た場合には、そのアイデアに決定しますが、そうでな場合は、上位2つのアイデアで決勝戦をする方法です。
このようなやり方によって、決勝戦ではもう少し冷静になって、深く比較検討することができるようになるはずです。

ほかにも、有識者や上司が投票する点数を、ほかの参加者と比べて高めに設定するといった方法もあります。(もちろん、その逆もあります)

バタフライテストで決める

多数決以外の決め方としては、いわゆる「バタフライテスト」があります。
バタフライテストは、結局は多数決なのですが、その投票の仕方に違いがあります。
あらかじめ評価する基準を準備しておいて、その評価基準に対してそれぞれひとつのアイデアの点数をつけて投票するのです。
このようなやり方によって、ひとつのアイデアに対して、複数の視点で評価されることになります。最終的には総合計で競うので、結局は多数決なのですが、プロセスに評価基準を設けることで、より客観性をもった絞り込み方ができるようになるはずです。
また、納得性の高い合意もえられやすくなるでしょう。

評価基準には、たとえば新規事業であれば「実現しやすい」「インパクトが大きい」「目新しい」といったように3つくらいをあらかじめ準備しておくことをお勧めします。
ブレストの内容によって評価基準を柔軟に変更しましょう。

ボルダルールで決める

ボルダルールとは、会議の参加者がすべてのアイデアを点数評価して、点数の合計が最大になる選択肢が勝者とする方法です。

たとえば、1位に3点、2位に2点、3位に1点、4位以下は0点といったふうに、ランキングに応じて点数を決めておき、参加者はアイデアに順位付けをして点数評価するということです。
このようなランキングと点数評価によって、単純な多数決で大多数に意見に流されるリスクを回避し、より幅広く受け入れられる納得性の高いアイデアを選ぶことが出来るようになります。
合意形成に向いた決定方法ですね。

このボルダルール方式は、1770年にこの方法を考えたジャン・シャルル・ド・ボルダの名前が由来です。選挙や一般企業の入札など、世界中の様々な所で使われている決定方法なのです。

繰り返し最下位消去ルールで決める

最後は、繰り返し最下位消去ルールです。

この決定方法は、2020年のオリンピック候補地を選ぶときに使われた方法ですね。
この方法も、繰り返し多数決を行って最下位となった候補を除外して、最終的にひとつのアイデアになるまで多数決を繰り返す方法です。
オリンピックの候補地決定のときと同じように、最後まで予断をゆるさないため、緊張感を維持できる決定方法です。

ただ、この方法はアイデアの数が多い場合には、どうしても時間がかかってしまうので、時間に余裕があるときにしか使えない方法でもあります。
実際の会議やブレストの場面で使っているのを見たことはありませんが、知識として知っておいて、マンネリを打開するときに使うと有効かもしれません。

ファシリテーターが使うアイデア決定のテクニックまとめ

今回は、ファシリテーターの悩みのタネであるブレストでのアイデアの絞り込み方のテクニックについて解説してみました。

多数決では、誰もが知っている方法なので、すぐにできることがメリットでした。ただ、単純な多数決では、最適な評価が難しいというデメリットもありました。代替の解決方法としては、決勝付選挙という方法や上司や有識者のと投票点数を高く設定する方法がありました。

バタフライテストは、あらかじめ3つ程度の評価基準を設けておいて、その評価基準対してアイデアを評価し、点数の総合計で多数決をする方法でした。このようなプロセスを経ることで、複数の視点で評価することが出来るため、より合意形成が得られやすい方法でした。

ボルダルールは、投票する人がすべてのアイデアに対して個人的な順位付けをし、順位に応じて点数を採点し、全員の投票数から最適なアイデアを選ぶ方法でした。このようなプロセスを経ることで、納得性の高いアイデアを選ぶことができる方法で、世界的にもいろんな場面で使われている方法でした。

最後の、繰り返し最下位消去ルールは、多数決で最下位を除外することを繰り返し勝者を決定する方法でした。この方法をとることで、最後まで緊張感を持って意思決定することがでいることや、場が盛り上がると言ったメリットはありますが、時間がかかることがデメリットでした。

今回は、ここまで。お役に立てたでしょうか?

著者情報

工学系の大学を卒業後、大手通信キャリアでシステム開発、データ分析、マーケティング支援に従事。私費MBA留学し戦略コンサルファームに勤務。その後大手通信メーカーで新規事業立ち上げを10年以上。専門は新規事業立案、イノベーション、マーケティング全般。PEST分析やSWOT分析などのビジネスフレームワークの研修講師も担当。その他スキルに英語、ウェブ開発、動画制作なども。ブログは10サイト以上/ウェブサービスもいくつか開発経験あり。英語はTOEICは955点保持。結構変わった経歴だと思っています。詳しくはプロフィールをどうぞ。

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