ブレスト初心者向けアイデアのまとめツールとして使えるフレームワークをご紹介

ブレスト結果をまとめるツール

ブレスト会議は基本的に発散型の会議のひとつなので、短時間で大量のアイデアを出すことを目的としていますが、出たら出たで、後からまとめるのも大変な作業です。
アイデアが出た順にリストにして共有しても、あまり意味がありませんし、そこから新しいアイデアにつながることも、次のアクションにつながることもまれです。

出てきたアイデアをうまくまとめて、新たな価値をつけることができれば、それだけで意味があるのですが、ブレスト初心者の場合は(特にファシリテーター初心者の場合も)、どうやってまとめれば良いのか、わからなくなってしまうものです。
できればブレスト会議中に、なんらかのフレームワークを使って、アイデア出しと並行しながらまとめることができればいいのですが、そんな都合のいい初心者向けのフレームワークはあるのでしょうか?

実はそれがあるのです。
今回は、ブレスト初心者向けとして、アイデアのまとめ方や視点を提供するフレームワークとしてのツールをまとめてみました。

※ちなみにブレストとは何か?について過去にまとめた記事がありますので、興味があればご覧ください。
ブレストとは何か?ブレストの意味と進め方を知らないと、時間の無駄遣いになりますよ!

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初心者向けブレスト会議で出たアイデアのまとめツール

なんらかのアイデアを、なんらかのコンセプトに基づいてまとめるツールの代表的なものとしてフレームワークがあります。preneur-preneurでも、たくさんのフレームワークを紹介してきましたが、ほとんどビジネス向けのフレームワークばかりです。

たとえば、SWOT分析やマーケティングの4Pなど、ビジネスの要素ごとにアイデアをまとめるテンプレートやフレームワークならたくさんありますが、あくまでもビジネスに限定されているので、使い道は限定的だったり、適当にやっても穴埋め問題を解いているみたいで本質的な解決にならないことが多いので、実は結構知識が必要なんです。ロジックツリーも論理的なつながりを意識しながらやらないといけないので、かなり大変。

そこで、ブレスト初心者(特にファシリテーターをやらなくなってしまった人)向けに、アイデアのまとめツールを紹介しましょう。知っておくだけで、まとめていくうちに発想の飛躍が起きて、あらたなアイデア出しの広がりにもなったりして有益ですよ。

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ブレストまとめツールその①基礎編1「5W1H」 

仕事の作業計画と報告と基本といえば、コレ。When、Where、Who、What、Why、How。いつ、どこで、だれが、なにを、なにのために、どうやって。

5W1Hの起源については、私も知らなかったのですが、どうやら1900年代にアメリカで発明されたらしいです。

そもそも5W1Hは、1900年代にアメリカで確立され、その後、海を渡って日本へ浸透した言わば輸入品です。海外、いわゆる欧米の先進国でも、導入当初はジャーナリズムを中心に多く活用されていましたが、今では、マーケティング戦略の立案やプレゼンテーション、コミュニケーションなどにおける、問題解決や情報収集を目的とした手法として、有用なフレームワークです。
https://innova-jp.com/5w1h-english/

場合によっては、5W1HにいくつかWやHを追加されたりしますけど、基本は5W1Hです。
よく、議事録や報告書を書くときとか、誰かに何かをわかりやすく伝えるときに必要なこととして紹介されたりもしますが、ブレストで出たアイデアだって、5W1Hにまとめることで、綺麗にまとめることができますよ。
5W1Hを使うことで、出てきたアイデアを「時間」、「場所」、「担当」、「対象」、「目的」、「方法」の視点で整理し、網羅性を持たせることができるはずです。

いや、単純にまとめるだけではありません。
時間の視点を変えてみたり、ロケーションの視点や消費者や利用者の立場で考え直してみたり、商品やサービスまたはハードウェアかソフトウェアか、そもそもの目的を疑ってみたり、提供方法を変えてみたり、することで、面白いまとめ方ができたり、新しいひらめきが生まれるかもしれません。

5W1Hは、専門知識がなくてもだれにでも簡単に理解できる、そして時として、何で気がつかなかったのかとハッとさせるようなアイデアを思いつける基本ツールでしょう。

ブレストまとめツールその②基礎編2ツール「YWT」

基礎編その2として、YWTを紹介しましょう。聞いたことがない人もいるかもしれませんが、YWTのイニシャルを聞いてみれば、納得性が高いツールだと思います。

  • Y = 「やったこと」
  • W = 「わかったこと」
  • T = 「次にやること」

なんと日本語の頭文字なんですね。YWTの起源は日本能率協会コンサルティングと言われていますが、本当のところどうなのかよくわかりません。
説明の必要もないほど明確なフレームワークですが、念のため説明すると、Yの「わかったこと」は、これまでの活動はどういったアクションだったのか?その活動の内容を羅列します。
Wの「わかったこと」は、Yの結果得られたことは何なのか?何か発見があったのか?を記述します。
最後に、Tの「次にやること」は、これまでの行動の結果から次にとるべき行動を考えることです。
具体的に経験した活動や行動と、行動の結果得られた気づきや学習、そして学習した結果からのアクションをシームレスに表現できるツールとしてすばらしいと思います。

YWTはアクションベースの整理法なので、過去のアクションが伴わないアイデア出しの場や、ブレスト会議でYWTをつかってアイデアを整理する場合は、このまま使うのではなく、少し工夫が必要かもしれません。
たとえば、Yを「やったことがないこと」、Wを「わかってないこと」、Tを「次のアクションのために必要なこと」といった風に、捉え方を変えてみるとアイデアが広がると思います。

ブレストまとめツールその③連想ツール1「オズボーンのチェックリスト」

まとめツールとしても使えるけど、連想してアイデアを広げるのができるツールとして有名なものにオズボーンのチェックリストがあります。
オズボーンのチェックリストは、ブレスト(ブレインストーミング)の発案者である、A・F・オズボーンが考え出したアイデア発想法ですが、簡単にチェックリストの内容を説明しておきます。

1.転用する ・・・ 他に使い道を考えてみる。
2.応用する ・・・ 真似してみる。
3.変更する ・・・ 解釈や機能、仕組み、方向性などを変えてみる。
4.拡大する ・・・ サイズや時間、数量を大きくしたり、高くしたり、広くしたり変えてみる。
5.縮小する ・・・ 小さくしたり、減らしたり、省略したり、分割してみる。
6.代用する ・・・ 何かで代用してみる。何かの代わりにしてみる。
7.置換する ・・・ 順序や役割を入れ替えてみる。原因と結果を入れ替えてみる。
8.逆転する ・・・ 前後を反対にしてみる。上下をさかさまにしてみる。立場を入れ替えてみる。
9.結合する ・・・ 何かと何かを組み合わせてみる。

このフレームワークを使ってアイデアを整理しているうちに、かならずや違った視点でのアイデアが漏れていることに気が付くことでしょう。
それを埋めていくことで、次第にアイデアが広がっていくはずです。
オズボーンのチェックリストの存在を知っているだけでも、アイデア出しに困ったときのヒントになってくれるはずです。

ブレストまとめツールその④連想ツール2「マンダラート」

マンダラートは曼荼羅のように、あるアイデアと関係の深いアイデアを並べてまとめるフレームワークです。
ちなみに曼荼羅とは、仏教の世界観をあらわした絵画で、見たことがある方も多いと思いますが、この曼荼羅をもとにデザイナーの今泉浩晃が発案したと言われています。

使い方は簡単で、まず最初に、縦3マス×横3マスの9マスの記入欄を準備して、中央に種となるアイデアを書きます。次に、種アイデアから連想されるアイデアを、その周辺に並べていくだけです。
次に、新しいマンダラートを作って、種アイデアとなるアイデアを先ほど出てきたアイデアから選んで、さらにアイデアを連想していくことで、アイデアの広がりと深さの両方の視点で整理することができるようになります。

どちらかと言うと、アイデアをまとめるツールと言うよりも、アイデアを出すためのツールとして使うことが多いと思いますが、マンダラートを使ったアイデア出しをすることで、自然と種アイデアを中心に整理されるので、アイデア出しの後にあらためて整理する必要がなく効率的なアイデア出しができるはずです。

ブレストまとめツールその⑤評価ツール編「PMI」

PMIは昔からある評価手法にちょっとだけ手を加えた整理法です。
昔からある手法は、メリット・デメリット法やプロ・コン(pros/cons)など、あるアイデアの長所と短所を出してまとめる手法のことです。
PMIとは、それに「興味深い」という視点を加えることで、さらなるアイデアの飛躍と気付きを促します。

要するにPMIとはP「プラス」、M「マイナス」、I「イントレスティング」の頭文字なのです。
興味深いという視点が一つ入るだけで、ずいぶんアイデアの幅が広がるとともに、自然とブレストの結果が整理されるので、まとめも簡単に済ませることが出来るはずですよ。

なんといっても直感的にわかりやすいという点で、ブレスト初心者に向いているツールでしょう。

ブレスト結果をまとめるツールまとめ

ここで出したアイデアまとめツールは、初心者向けのものばかりピックアップしたので、実際にはもっとたくさんあると思います。また、まとめツールとして紹介していますが、一般的にはアイデア発想ツールとして紹介されていることが多いともいます。
あえてまとめツールとして紹介したのは、ブレスト初心者にとって、アイデアを出すことは自分以外の人がやってくれることもあるでしょうけど、それらを「まとめといてね」と言われると、とっても苦労するからです。
アイデアを出しながらまとめることができる初心者向けのツールさえ知っておけば、整理も楽なはずですよね。
お役に立てたでしょうか?

著者情報

工学系の大学を卒業後、大手通信キャリアでシステム開発、データ分析、マーケティング支援に従事。私費MBA留学し戦略コンサルファームに勤務。その後大手通信メーカーで新規事業立ち上げを10年以上。専門は新規事業立案、イノベーション、マーケティング全般。PEST分析やSWOT分析などのビジネスフレームワークの研修講師も担当。その他スキルに英語、ウェブ開発、動画制作なども。ブログは10サイト以上/ウェブサービスもいくつか開発経験あり。英語はTOEICは955点保持。結構変わった経歴だと思っています。詳しくはプロフィールをどうぞ。

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