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業界構造と競合相手の分析なら、5フォース分析? 目的と分析項目まとめ

      2016/02/10

5フォース分析とは、市場のプレーヤーの力の源泉を市場内での位置づけによって5つに分類した分析方法

企業が市場の中でいろいろな競争相手と戦って勝ち抜くためには、どうやって戦うのか?といった競争するための戦略を考える必要があります。
やみくもに情報を収集して分析してもあてずっぽうの戦略になってしまいますので、成功を運にまかせることになってしまいますよね。
だから、もう少し賢く戦おうとするには、まずは市場の中のパワーバランスを分析しないといけません。

自社が手がけているビジネスが、儲かりそうもないビジネスなのか?そして、なんで他社は儲かっているのか?儲からないのか?といった理由を、市場や業界内の競争相手などとのパワーバランスから割り出して、いちばんいいポジションをとってしまおうという考え方が根っこにある分析方法なのです。
簡単に言ってしまえば、業界内の力関係を分析しようとするのがこのフレームワークなのです。

そんな5フォースは、フレームワークの名前にもあるように、市場で起こっている競争優位性は5つの要因(ファイブ・フォース)によって決まると、ハーバード・ビジネススクールの教授であるマイケル・ポーターが1980年に著した『競争の戦略』によって提唱されました。
同書は、企業が属する業界を分析し、これに基づいて競争に勝つ戦略を策定する技法を解説したもので、MBAホルダーや経営学者でなくても、ビジネス戦略を学ぶ人なら誰もが知っているほど有名な書籍となりました。

5フォース分析のテンプレート 5つの競争要因とは何でしょうか?

では、さっそく5つのフォースとはいったい何なのでしょうか?
それは、「新規参入者の力」「業界内の競争業者の力」「代替品・代替サービスの力」「買い手の力」「売り手の力」の5つといわれています。
ひとつひとつ見ていきましょう。

新規参入者の力

まず、「新規参入者の力」では、業界にあらたに参入してきた新規参入企業の力のことです。
一般に、ある業界に自分と戦う相手が増えれば増えるほど、価格競争になったりして自分の取り分が小さくなるので、できるだけ新規参入者がないほうが望ましいのですが、逆に言えば新規参入者の力(参入のしやすさ)を分析することは、業界への参入障壁の大きさを分析したり、検証したりすることでもあります。
当然、参入障壁がたかければたかいほど、新規参入者が参加してくる意欲は薄れ、業界が脅威費さらされる可能性は減ります。

たとえば、いくつかの大手企業が、すでに大量生産をするために工場などの設備投資をがんがんやっていて、規模の経済で市場をがっちりおさえているとしたら、新規参入者はライバル以上の設備投資を強いられるはずなのでリスクが高くなります。
つまり、参入障壁は非常に高くなるのです。
逆に、インターネットを利用した商取引のように、比較的、誰にでも始めやすいビジネスは、投資金額も少なくてすむし撤退もしやすいので、参入障壁は非常に低いもののになります。
しかし、その一方で競争が激しくなり、利益も小さくなってしまうかもしれません。
当然、参入障壁が高いほど、既存企業が競争優位に立てることは言うまでもない。

新規参入の障壁をつくるには?

ちなみに、新規参入者の力をそぐ、参入障壁には以下のようなものがあります。
参入障壁になりそうな要素が少ない業界は、競争相手が増え自社の取り分が少なくなるはずです。

 仕入先の切り替えコストを高くする
 必要な資材の入手を難しくする
 巨額な投資を行う(サンクコスト)
 大量生産ラインをもつ
 ブランド・エクイティを高める
 流通チャネルを抑えてしまう
 大量販売チャネルをもつ
 独自の技術で製品の差別化を行う
 経験曲線効果で生産効率を高める
 政府の規制や制約で守ってもらう
 学習の優位性を高める
 報復する構えを見せる

競争業者の力

次の「競争業者の力」は、業界の中でおこっている直接の既存競争業者の力のことです。
ここでは、市場でよくぶつかるライバル企業の強さの大きさや源泉を分析します。
この場合、日常の業務の中で、お客さまから自社の製品と比較される会社が業界内の「競争業者」だと思って間違いないでしょう。
商品開発の場合は、シェアを競い合っている相手であったり、機能が似通っている製品を開発している相手であったりします。

成長産業では、できるだけライバルよりも先に多くのお客さまを獲得したいという気持ちから、少しでも安く提供できるようにムリな価格競争をしてしまったりしてしまいますし、競争相手が多い場合は、お客さまから見たときに自社が多くの選択肢の中のひとつにしか見られなくなってしまうため、自社の魅力度が相対的に小さくなってしまいます。
つまり、競争相手が多ければ多いほど、1社当りの力が小粒になってしまうということですね。
このように、一般的には、成長産業や同一業界内に競争相手が多すぎる業界などでは、競争がより激しくなる傾向があるといわれています。

競争業者の力が弱くなる要因は?

業界内の競争業者の力を測ることは、自分の業界の力を測ることに他なりません(相手にとっては自社が競争相手ですからね)が、どういった症状が現れたとき競争業者の力、ひいては業界の力が地位弱まったといえるのでしょうか?
業界の力が弱まるということは、参入障壁が低くなるということでもあるので注意が必要です。

 同業者が多い、過当競争である
 類似した規模の会社が多い
 業界の成長が遅い、成熟産業である
 付加価値当りの人件費、設備投資、広告費、在庫コストが高い
 製品の差別化が少ない
 買い手が容易に選択を変えられる
 キャパシティを一挙に増やさなければならない
 一時的な業界の過剰生産力、供給過剰
 情報の複雑性および非対称性
 やめたくてもやめられない、撤退障壁が大きい

代替製品、代替サービスの力

これまでは直接競合する関係になかった企業の製品やサービスが、ある日突然、競争相手になってしまったりすることがあります。
これが「代替製品、代替サービス」です。

たとえば、デフレが続いていた時代、有名牛丼チェーンや有名ハンバーガーチェーン店は、値下げを繰り返していました。
業界内のライバル企業もこぞって追随したので、昼食時の牛丼チェーンにはサラリーマンがあふれかえし、ハンバーガーチェーンには学生や子供連れの主婦層でごった返していました。
でも、これらのチェーン店は利益も出していたのです。
業界内で激しい競争が起こっているにもかかわらず、なぜこのような芸当ができたのでしょうか?

それは、これらの牛丼チェーンやハンバーガーチェーンは、これまでのサラリーマンや学生たちの主な外食先であった、商店街の定食屋やファミリーレストランなどからお客を奪いつづけていたため、値下げをしてでも利益を出せていたのです。
つまり、牛丼やハンバーガーは、定食屋やレストランにとっての「代替品・代替サービス」だったのです。
このように、目先の業界の競争だけでなく、はばひろく代替製品や代替サービスを事前に分析しておくことが重要なのです。

代替品、代替サービスの力が強まる要因は?

上で説明した牛丼チェーンのようなケースになるときは、どのような場合なのでしょうか?
簡単に言えば、代替品や代替サービスは、あくまでも機能として同じ性能を提供できるかどうかがポイントになってきます。
もし、代替品や代替サービスが自社の製品の機能と同じ性能を提供できるのであれば、代替品・代替サービスの力が大きくなってしまいます。

 代替品のコスト・パフォーマンスが高いとき
 高収益を上げている業界によって生産される製品が、同じ機能を実現したとき
 代替品への買い手の許容意識が高まったとき
 代替品の認知度が高まったとき

買い手の力

「買い手」とは、お客さま、顧客のことです。
つまり、買い手の力を分析することとは、顧客の交渉力を分析することですね。
買い手市場、つまり顧客の力が売り手より上回っている場合では、顧客が値下げを要求してきたり、売り手同士を競争させて値を下げさせようとします。
その結果、業界の収益性は低下することになりますが、逆に売り手市場のときは業界の収益性が向上し、企業にとっては好ましい環境になります。

では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
買い手市場になる理由や売り手市場になる理由を探ることで、自社を最適なポジションに位置づけることができるはずです。
パワーバランスは、売り手の数が少ないほうが強くなり、多くなると弱まります。
なぜならば、自社以外にも選択肢があるから、「ほかから買っちゃうよ?」といえるから主導権を握られてしまうからなのです。
これを希少性といいますが、交渉力を高めるには、自社しか提供できない価値や持っているか、相手が知らない情報を持っているかどうかが、大きな鍵を握っているのです。

買い手の力が増す要因は?

 買い手が集中化して大量購入するとき
 買い手が売り手と同じ情報を知りえるとき
 買い手のコスト全体に占める割合が大きいとき
 簡単に取引先を変更できるとき
 買い手が川上統合に乗り出す動きがあるとき
 売り手の製品が、買い手の製品やサービスの品質に影響をおよぼさないとき

売り手の力

今度は、買い手の力の逆のケースですね。
「買い手の力」を分析することとは、資材や部品の調達先などの供給業者の交渉力を分析することと同じです。
仮に原材料調達先の企業が大きな力を持っている場合、調達先のいいなりで原料を仕入れなければなりません。
その結果、収益は低くなってしまいます。

買い手の力のところで述べたことと、同じこと(希少性、情報の非対称性)が起こるのです。

売り手の力が増す要因は?

 売り手の業界が、少数の企業によって牛耳られているとき
 代替品や代替サービスがないとき
 買い手が売り手にとって重要な顧客ではないとき
 売り手の製品が買い手の事業にとって重要なとき
 売り手の製品から他の製品に簡単に変更できないとき

5フォース分析を使った戦略立案と分析の進め方

5フォースの理屈は、業界の構造がゲームを左右するという考え方に基づいています。
したがって、業界構造のありかたを分析することは、企業が戦略を策定するうえでの基礎作業になるという考えです。
上述の提唱者であるマイケル・ポーターの言葉を借りると、業界構造のあり方は「会社が今後とりううる戦略に大きな影響をもつだけでなく、競争ゲームのルールを大きく左右する」からだというのです。
戦略策定にあたっては、これらの5つの要因を分析して、業界のパワーバランスと自社の位置づけ(ポジショニング)を適切に認識する必要があるのです。

ただ、5つの力といっても、基本的には、交渉力の源泉は「希少性」と「情報の非対称性」です。
そして、競争相手といってもしょせんは人間ですから、人間に特有の「サンクコスト」や「スイッチングコスト」などの心理的な側面も考慮に入れて、各種プレーヤーの立場になって考えればいいことなのです。

つまり、分析をするにあたっては、自社が希少性を持っているか?自社だけが握りえる情報があるかどうか?といった視点から分析を始め、5つの力の源泉として、サンクコストやスイッチングコストがどこまで大きな影響を持っているかということを分析することで、業界にとどまり続けるのか、新たに魅力的な業界を見つけて参入するかを決断することができるはずです。

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