会議やミーティングでの「ファシリテーション」の効能を知りたい

会議、ミーティングに必要なファシリテーションの働き

複数人で行うミーティングや会議の場では、議題の設定、参加者の選定、進行などを司る存在の有無とその力量によって得られる成果が大きく変わってきます。
会議の進行役をファシリテーター(facilitator)と言い、円滑な進行や人と人の相互理解をサポートするなど、有意義な会議にするために求められる能力をファシリテーション(facilitation)と言います。

ファシリテーターの役割

ファシリテーターが、会議をより有意義なものにするために意識するべき2つの要素があります。それは外面的な要素と、内面的な要素です。
外面的な要素とは、段取りや進行などの部分を指します。限られた時間の中で効率良く成果を上げるためにこの外面的な要素は大切です。
内面的な要素は、参加するメンバー各々の思考や感情、さらにはメンバー同士の意見交換によるそれぞれの思考や感情の変化もこれにあたります。
チームとして1つの議題に取り組む事の大きなメリットは、会議を通して色々な人の意見に触れる事で、相互に刺激を受け、新たな考えや意見や生まれてくることにあります。ファシリテーターに求められるのは人と人との作用による議論の活性化を図ることです。会議のプロセスで、この外面と内面の要素をいかにコントロールできるかが、最終的に得られる成果を大きく左右する事になります。

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ファシリテーションに期待される個人への効果

会社やチームなどの組織が今よりもさらに高い目標を設定し成果を上げるための取り組みとして、精神的な部分の変革では十分な効果を得られることは少ないでしょう。それよりも具体的な行動を変化させることができればより大きな効果が得られます。組織一人ひとりの行動を変えたい場合、まずはその考え方を変えることが必要です。逆に言えば、考え方を変えることができれば、その人の行動を変えることができます。
しかし、人の考え方や思考を変えるということは容易ではありません。
そんな人の考え方を変える方法は大きく2つあると言われています。
一つは内省による方法で、自分自身を深く省みることで過去を糧にして新しい考え方にたどり着く方法ですが、コーチやカウンセラーなどの有識者のサポートなく自身の考え方を変化させることは難しいものです。
もう一つの方法として、ファシリテーションによる相互作用により自身の考えや思考を変化させる方法があります。
考え方や思考が変われば、人の行動が変わり、組織が変化していきます。どういった方法であれ、組織の改革を進める際にまずは考え方を変える、ということを念頭に進めていくことが大切になるでしょう。

ファシリテーションが人・組織・社会を変える

ファシリテーションが有効な場面は多くありますが、その中でも「組織」「社会」「人間」という分野に応用される機会が多くあります。
組織に関しては、チームでの課題解決や、目標設定、目標達成に向けての組織活性化など、特にビジネスの場面で用いられる場合が多く、短時間で確実に成果を上げることが求められます。
社会については、まちづくりやコミュニティなどの社会的合意が必要になる場面で、企業に当てはめると労働組合やCSR活動がこれにあたります。相互に共通する問題を発見することが一つの目標ですが、得られた成果だけでなく、プロセスの中で納得感を相互に醸成させていくことも重要な役割となります。
最後に人間というファシリテーションの原点ともいうべき分野です。これは教育全般がそれにあたり、企業活動の中では研修などが該当します。ファシリテーションのスキルが重要になる場面であり、人の学びの成果を大きく左右することになります。

スキルの使い分けが必要

様々な分野で活躍するファシリテーションのスキルですが、状況や活用する分野、議題などによって使い分けが必要になることもあります。ファシリテーターに必要なスキルについて、例を挙げながら紹介していきます。

1. 準備

議論が開始される以前からファシリテーターの役割は始まっています。どんな議題で、どんな成果を期待されるのか、そのためにどんなメンバーでどの程度の時間を設けるのが最適なのかなど、環境を整えることからファシリテーションはスタートしています。
あらゆる準備をしてから議論を行うことは、相互作用を促進し、得られる成果を最大化するためのポイントとなる部分です。

2.対人スキル

議論の際に注意しなければならないこととして、様々な人が参加していることを常に認識しておく必要があります。ファシリテーターは議論が円滑に進むよう、発言のバランスを調整しながら進行していきます。さらに、チーム全員が議論を共有していることを確認しながら進行しなければなりません。そのために、発言の真意をしっかりと汲み取り、共有するスキルが必要になります。
自身の意見を発信するのが苦手な人や、意思を正確に伝えるのが苦手な人、感情的になりがちな人など様々な人が作用しあうための環境を作り上げることがファシリテーターの務めです。

3.整理

円滑な議論で様々な意見を引き出すことができたら、次の段階は意見を整理しながら論点を絞り込んでいくことです。たくさんの意見を整理していくのに図解ツールを使用する場合も多くみられます。図解ツールにも様々なものがあるので、必要に応じて使い分けができるように複数のパターンを頭に入れておくことが望ましいです。
意見を引き出すなどの対人スキルがコミュニケーションなどに使う右脳系スキルとすると、意見をまとめていくのは思考に使う左脳系スキルと言えます。

4. 意思決定

議論が進み、相互作用による創造的な意見が抽出できると、ファシリテーターは最終的に議論を収束させ、議論の成果をまとめなければなりません。すなわち、議論を通して組織の意思を決定する必要があるのです。
議論のプロセスが充実している時ほど、この最終段階での収束が難しく、ファシリテーターの力量が試される機会となります。議論が対立し、一筋縄ではいかないケースなどもよくありますが、振り返って反省をしながら経験を積み、しっかりと糧にしていくことでファシリテーターとしてのスキルはもちろん、様々な場面に応用できる対人スキルや論理的思考能力が身につくはずです。

著者情報

工学系の大学を卒業後、大手通信キャリアでシステム開発、データ分析、マーケティング支援に従事。私費MBA留学し戦略コンサルファームに勤務。その後大手通信メーカーで新規事業立ち上げを10年以上。専門は新規事業立案、イノベーション、マーケティング全般。PEST分析やSWOT分析などのビジネスフレームワークの研修講師も担当。その他スキルに英語、ウェブ開発、動画制作なども。ブログは10サイト以上/ウェブサービスもいくつか開発経験あり。英語はTOEICは955点保持。結構変わった経歴だと思っています。詳しくはプロフィールをどうぞ。

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