社内で新しいことをやろうとすると、壁にぶつかって気持ちがなえるときがあるものです。
そんなときには、勇気をもらえる言葉を知っておくと、前向きになれるかもしれません。
ジョブスやザッカーバーグなどの有名な企業家の格言は知っている人も多いし、探せばいくらでもGoogleが教えてくれるので、ここでは世に(近年の日本に)あまり知られていないけど、とっても心に突き刺さるとっておきの金言・格言をご紹介します。
どうしても計画を実行に移す勇気をもてなかったり、みんなに説明しても全員から反対されたり、大見得を切ったのに失敗したりしてくじけそうなときに読み直すと、きっと前向きになれるはず!
まず最初にご紹介するのは、こちら。
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実行する前に失敗することばかり考えてしまう人のための金言・格言
もちろん、勝利はすばらしいものだ。しかし人生で本当に何かをなそうとするための秘訣は、いかにして失敗するかを学ぶことである。だれだって、いつまでも勝ち続けていられるなんてありえない。もし、あなたが打ちのめされたときに立ち直ることができさえすれば、再び勝ちはじめ、いつの日かチャンピオンになることができるだろう。
Winning is great, sure, but if you are really going to do something in life, the secret is learning how to lose. Nobody goes undefeated all the time. If you can pick up after a crushing defeat, and go on to win again, you are going to be a champion someday.
by Wilma Rudolph
この言葉は、1960年のローマオリンピックで黒人女性初の短距離3種目制覇を達成したウィルマ・ルドルフというアメリカ人が残した言葉です。彼女はスラム街の貧しい家族に生まれ、4歳のときに小児麻痺で歩けなくなりました。
その後、1日80kmの道のりを週2回通って数年間けて治療し、治ったあとにはスポーツ選手になることを誓って夢を実現させたというすごい人なのです。
[audible]
彼女が経験した逆境はビジネスの世界の逆境とはもちろん種類が違いますし、比べることもできません。
でも、逆境を乗り越えた人の言葉には力があり、たとえ環境はちがっても逆境にくじけそうになっている人の力になってくれるものです。
もうだめだ!と思ったときでさえ、なにかを成し遂げたいと思いつづけて、挑戦することをあきらめなければ、いつの日かチャンピオンになれるのかもしれませんね。
次にご紹介するのは、この言葉です。
まわりに迷惑をかけることを恐れて動けない人のための金言・格言
古い体質の組織の中でイノベーションを起こそうともがいているとき
あなたが何をしようとしているのか理解できる人はいないが、
だれがトラブルメーカーなのかは、だれもが知っている。組織でイノベーションが成功し社内で認められたとき
だれがイノベーションを起こそうとしていたか覚えている人はいないが、
だれがトラブルメーカーだったかは、だれもが知っている。When someone tries to innovate within a traditional organization,
few will understand what he/she is doing,
but everybody will understand who is a trouble-maker.After the innovation has been embraced by the organization,
few will remember who started it,
but everybody will remember who was a trouble-maker.
~ David Nordfors | President & Co-Founder IIIJ
この言葉は、多くのイントラプレナーがぶつかるジレンマとして、デビッド・ノードフォースという IIIJ (The International Institute of Innovation Journalism)の創業者がイノベーションに関して発言したときの言葉です。
日本ではあまり有名ではありませんが、2011年までスタンフォード大学のイノベーション・ジャーナリズム研究センターの共同設立者兼エグゼグティブ・ディレクターを勤めていた人です。
この言葉のとおり、新しいことをやると結局だれかに迷惑をかけることになるんです!
つまり自分の夢をかなえるということは、だれかに何らかの迷惑をかけることが織り込み済みだということです。であれば、自分のやりたいことを「やる」か「やらないか」のどっちかしかないということなんです。
このことばを知ったのは、自分のネットビジネスのアイデアがうまく軌道に乗り始めたときでした。
それまでは、必死にアイデアを成功させようとしてもがいていても、まわりからはなかなか理解してもらえませんでした。
それどころか「ネットで遊んでるんじゃない!」と一喝されたことだってありました。
それでもめげずにがんばってきたのですが、うまく行きそうになってきたときでさえトラブルメーカーとして敬遠されてしまって、なんだか報われない気がしていたときに衝撃的にこの言葉に出会ったのです。
自分がトラブルメーカーとして思われていることをうっすら自覚しながら、それでももくもくとがんばってきたことを、私のことをまったく知らないアメリカ人が、ふかいところまで理解してくれているような気がして、なんだか救われた思いがしたのを覚えています。
世の中の多くの人たちに理解してもらうためなら、かならずしも会社の中では理解されなくてもいいのです。
世の中にインパクトをあたえたい夢があるのなら、会社の中ではトラブルメーカーでもいいのです。
だって、それが事業家というものなのだから。
さて最後に、この言葉をご紹介しておしまいにします。
「それが現実」という言葉で反対されている人のための金言・格言
現実とは本来一面において与えられたものであると同時に他面で日々造られて行くものなのですが、普通「現実」というときはもつばら前の契機だけが前面に出て現実のプラスティックな面は無視されます。
いいかえれば現実とはこの国では端的に既成事実と等置されます。
現実的たれということは、既成事実に屈伏せよということにほかなりません。
現実が所与性と過去性においてだけ捉えられるとき、それは容易に諦観に転化します。
「現実だから仕方がない」というふうに、現実はいつも、「仕方のない」過去なのです。
『現実主義の陥穽』丸山真男
丸山真男は戦中戦後に活躍した政治学者で、1996年に亡くなった後でも政治学界や言論界に多大な影響を与え続けている日本を象徴する進歩的知識人です。
政治学者のことばなので、これもビジネスの世界とは簡単に比べることはできないのですが、丸山真男がここで述べている「現実」という言葉が「仕方のない過去」として使われるシチュエーションって、きっとビジネスの世界でも似たようなものではないでしょうか?
官僚化された大企業の中で新しいことをしようとすると、「そんなの現実的じゃないでしょ!」とか「もっと現実的な話をしようよ」という言葉がでてくることがあります。
私はこの丸山真男のことばに出会うまでは、現実ということばがなんだか乗り越えることができない高い壁のような気がしていました。
そしてなんとなく、強制的に、いやおうなく納得させられるような、そんな気持ち悪さとか違和感が残っていたんです。
でも、「現実」には「日々作られていくもの」という意味もあるということに気づかされてからは、「現実」をたてにして反対してくる人の意見はずいぶん貧弱なものに感じるようになりました。
もちろん、既成事実は簡単にかえることはできませんし、屈服してしまうことはあります。
でも、なにもせずに既成事実に屈服することを前提として決めてかかっている人に対しては、自分のアイデアに自信と勇気をもてるようになったんです。
まさに、ことばの力ってすごいなと思った金言・格言でした。
「現実」ってすごく便利な言葉なんです。だって深く考えなくても、なんだって「現実」という言葉で片付けることができるから。
だからこそ、私も簡単な言葉にながされないように気をつけないといけないなとも思ってしまうわけです。
著者情報
工学系の大学を卒業後、大手通信キャリアでシステム開発、データ分析、マーケティング支援に従事。私費MBA留学し戦略コンサルファームに勤務。その後大手通信メーカーで新規事業立ち上げを10年以上。専門は新規事業立案、イノベーション、マーケティング全般。PEST分析やSWOT分析などのビジネスフレームワークの研修講師も担当。その他スキルに英語、ウェブ開発、動画制作なども。ブログは10サイト以上/ウェブサービスもいくつか開発経験あり。英語はTOEICは955点保持。結構変わった経歴だと思っています。詳しくはプロフィールをどうぞ。