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マイクロマネジメントを知っていますか? 部下への「過干渉」が生むパフォーマンスの低下と悪循環!

      2017/03/28

マイクロマネジメントとは

マイクロマネジメントって言葉知っていますか?簡単に言えば、上司の部下の行動に対する「過干渉」のことです。
組織の中で働いていれば、大なり小なり、よくある話ですよね。
代表的なマイクロマネジメントの行為としては、不必要なことまで詳細に報告を義務付けさせたり、部下の行動を手取り足取り管理するなどですが、中には、部下の権限範囲内であっても自分に相談もせずに決めるような行為を嫌うなどといったケースもあるようです。

具体的なマイクロマネジメントとしては、たとえば、議事録の書き方をいちいちケチつけたり、報告書の書き方も自分のフォーマットに従わせたり、客先へのアポイントのとり方や会議の進め方、行動計画への内容への介入など多岐にわたって口出しする
行為のことです。
もちろん、新入社員への教育や、はじめて経験する社員へのOJTの一環として行われている分については問題ありませんし、部下が自ら指示を仰いでくる場合において、このような指示をだすことはマイクロマネジメントとは呼ばれません。
上司の細部にわたる指示の出し方によって、組織のパフォーマンス全体を低下させたり、部下のモチベーションを下げるような過度の干渉行為を「マイクロマネジメント」というのです。

マイクロマネジメントの症状と弊害

ではマイクロマネジメントによって引き起こされる症状と弊害について述べてみましょう。

長期的なパフォーマンスの低下

いちばん大きな問題は、組織全体のパフォーマンスが低下してしまうことでしょう。上司が部下の行動をいちいち管理することで、部下の自由な発想や創造性が阻害されます。その結果、主体性をもった行動がとれず、結果にコミットメントがない中で、萎縮した活動が強いられることになるのです。
パフォーマンスは、コミットメント効果によって影響されるので、コミットメントが少ない分だけパフォーマンスが低下することになり、結果に対して反省することも(逆に喜ぶことも)抑制されます。

部下のキャリア形成を妨げる

このような、指示の出し方を続けていると、部下は自信を喪失し自主性や自立性が低下してしまいます。その結果、部下は自分で考えて、自分で決定し、自分で反省するという「キャリア形成」のスパイラルを踏み外してしまいます。キャリア形成には、失敗できる機会と成功を体験できる機会が必要ですが、マイクロマネジメントによってこれらの機会が得られなくなってしまうのです。
上司がキャリアを形成してきたステップも、数多くの失敗と成功を繰り返してきたはずなのですが、部下にその機会を与えることを無意識のうちに妨げてしまっているのです。

チーム全体のモチベーションと求心力の低下

このような上司のある部下への指示の出し方や行動を管理する姿勢は、チーム全体から見られています。
チームの行動指針は、上司の価値観によって規定されてしまうものです。
したがって、上司がマイクロマネジメントをしてしまっているチームは、何事にも進んで取り組む気力が失われてしまい、チーム全体としても自発的な行為が萎縮されるようになります。
このような雰囲気がチーム内に充満すると、上司に対する求心力が一気に低下し、最悪の場合上司の指示にたいして面従腹背になってしまいます。

さらなるマイクロマネジメントと悪循環

上司がマイクロマネジメントを行うことで、部下のキャリア形成を奪い、チーム全体のモチベーションが低下します。その結果、上司の求心力が低下し、指示に対して面従腹背になってしまいました。
そうなってしまうと、もうチーム全体のパフォーマンスは大幅に低下してしまいます。
しかし、上司はパフォーマンスの低下を補うために、部下の仕事のやり方をこれまで以上に管理するようになります。
つまり、部下の業務のすべてのプロセスにおいて意思決定を下すようになってしまうのです。そうすると、上司の業務量は増大する一方となるので、部下を育成しようとして、さらにマイクロマネジメントを推し進める「悪循環」を生んでしまいます。

マイクロマネジメントの発生要因

こういったパフォーマンスの悪化の悪循環を生み出してしまいかねないマイクロマネジメントですが、そもそもなぜマイクロマネジメントは発生してしまうのでしょうか?いくつか要因があるといわれています。

上司の過去の成功体験への固執

マイクロマネジメントがいちばん発生しやすい要因は、上司の過去の成功体験への固執だと思います。
自分がいちばんいいと思うやり方を、意識的、無意識的に部下に押し付けてしまうのです。
自分にとっていちばんいいやり方が、常に最適な方法とは限りませんし、最適な方法は自分で考えて実施しないと身につかないことに気づいていないのです。
よかれと思ってやっていても、上司の成功体験を押し付けるのは、部下にとってアリガタ迷惑なだけかもしれません。

権威主義的な組織文化

組織全体が、権威主義的(組織内の強者や権威を無批判に受け入れる考え方)である場合も、マイクロマネジメントがおきやすいでしょう。
上下関係が絶対的な組織では、部下の行動を管理に対して批判がおきにくいものです。
本来は「上司」も「部下」も組織上の役割や機能が違うだけなのですが、上司だけが一方的にもつ人事権などの権限によって権威が生まれているのです。
権力をちらつかせる組織では、部下は育たないということですね。

上司の自己顕示欲

マイクロマネジメントは、上司の心的な側面からも生まれます。
つまり、自分がいちばんできるプレーヤーだという自己顕示欲ですね。
部下に指示を与えて育成しているつもりでも、いつのまにか「自分はこれだけのことを知っている」ちか「自分はいろいろ経験してきた」といったことを誇示しているだけになっているかもしれません。
上司がいちばん配慮すべきなのは、部下が自分で考えて、自分で決断し、自分で実行できる状況を作ることです。
チーム内でいちばんできるのが自分だと思っている限り、チームのパフォーマンスは高まらないのですね。

目標達成への過重な圧力

マイクロマネジメントは、上司の性格や経験だけから発生するとは限りません。
組織全体が覆う目標達成へのプレッシャーや、市場動向や競争の激化などの外部環境によってももたらされます。
失敗が許されない状況では、心理的な余裕がなくなってしまうものです。
そんな状況では、部下の行動のひとうひとつを管理して、最適な方法やいちばんの近道で成果を挙げたいと考えるはずです。
逆説的ですが、失敗が許されない状況で失敗を許容する「矛盾のマネジメント」が、パフォーマンスを高めるのですね。

上司の経験不足からくる不安

上司の経験不足からくる不安が、マイクロマネジメントを発生させている可能性もあります。
まったく新しい業務や、そもそも上司に経験がない業務では、部下に最適な指示を与えることができないかも知れないといった不安から、やたらと情報収集させてみたり、リスクをとらないようにするために部下の行動を逐一指示することがあります。
上司が自ら「新しいことを経験する」という経験が、マイクロマネジメントを抑制するのですね。

マイクロマネジメントへの対処方法

部下からマイクロマネジメントを改善するのは、ハードルが高い

部下が上司のマイクロマネジメントに嫌気をさして反抗してばかりだと、さらにマイクロマネジメントを招く悪循環に陥る危険があります。
上司からみると、チームのパフォーマンスを低下させる阻害要因だとみなされて、さらに管理を強化する原因になってしまうからです。

一般的にマイクロマネジメントを改善・解消させるには、部下が上司から信頼を得ることが、もっとも効果があるといわれています。
上司も人間だと思って、「誰だって経験がないことには不安だ」とか「上司も過去にうまくいった方法に縛られることもある」とか、「プレッシャーもあって大変だな」という同情と理解、そして何よりも行動と定期的な報告がマイクロマネジメントを緩和するかもしれません。
要するに、上司をマネジメントする意識と技術が必要になってくるといわれています。

上司の気づきが、マイクロマネジメントを改善する

そもそも、上司は自分がマイクロマネジメントをしていることに気づかない場合が多いと思います。
上司は、かならずしも悪意を持っていないことが多いはずです。
組織の目標を達成するために必要な行為だと思っていたり、自分の成功体験を部下に伝えることで、成長を促せるはずだと感じているはずです。

それでも、上司が、もし自分だったらもっとうまく早くやれるという意識があったりするのなら、そういった行為がマイクロマネジメントが発生してしまうということに気づかなければいけません。

そのためには、上司自身が部下に指示を出す場合のルールを設けて、自制することが肝心なはずです。
たとえば、「この程度の小さな業務までは、部下に丸投げして一切口出ししない」とか「重要顧客の業務は、部下がこのスキルを身につけるまで経験を積んでから与える」など自分をコントロールする訓練が必要なのだと思います。

組織全体のパフォーマンスが停滞していると感じたときや、自分の業務が増える一方だと感じたときには、自分がマイクロマネジメントに陥っていないか振り返ってみるほうが良いでしょう。
自分の干渉行為が、最終結果に対してどの程度影響を与えるか、良いインパクトを与えるかを考えて指示を出すようにすべきなのですね。

さいごに

マイクロマネジメントへの対処法の中で、部下が上司をマネジメントすることがマイクロマネジメントを改善できると述べましたが、個人的には、これは机上の空論かもしれないと思っています。
そもそも本来マネジメントされるべき部下が、上司をマネジメントすることがすでに機能上の矛盾をはらんでいますし、部下にはマネジメントできる経験も手法も持ち合わせていないはずです。
個人的な意見としては、部下が上司のマイクロマネジメントを改善するのはハードルが高いのではないかと思っています。

マイクロマネジメントに陥る前に、長い時間をかけて過去の成功体験を否定できる「自己否定」の企業文化を育てることや、権威主義的な組織内の空気を排除したり、新しいことに挑戦する風土や失敗を許容する評価制度が必要なのではないでしょうか?
これらのような組織内の価値観を醸成することで、マイクロマネジメントが生まれにくい仕組みを作っておくことが肝心なのだと思います。

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