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会議の生産性を上げるファシリテーターのコツは「準備」と「振り」です

      2018/08/27

会議をコントロールして生産性を上げるためにファシリテーターが身につけるべきコツは「準備」と「振り」です

自分で何かを成し遂げたいと思っている人にとって絶対に避けて通れないのは、人を集めて自分の意見を伝えたり、参加者と議論をすることです。
いきなり会議を招集して、ぶっつけ本番でやるよりも、何度か会議を仕切る練習をしておきたいところ。
そんな人が会議をコントロールするためにファシリテーターとして身につけておくべきコツとは何でしょうか?

今回は、会議をコントロールするためにファシリテーターが身につけておくべきコツを解説します。

「会議」を仕切るのは簡単ではない

会議にもいろんな種類があって、連絡や進捗確認が中心の会議もあれば、上意下達の打ち合わせ、大人数が集まる会議もあれば、数名での軽いミーテイングもあるでしょう。
参加者だって、同じチームメンバーだけでやるチーム会議や、社外の人と行う打ち合わせ、スピーカーを招聘して行うワークショップなどもあるかもしれません。

そもそも会議なのですから、人が集まってそれぞれの意見を主張し、交換し、ある結論をだすために行うのが目的なのですが、訓練も経験もせずにいきなり進行をするとなると、かなり難しいのではないでしょうか?

生産性のない会議「あるある」を挙げてみると、とりとめのない議論ばかりの「井戸端会議」や、関係のない話題ばかりで時間だけが過ぎていく「時間の無駄づかい会議」、言葉遊びばかりしている「宙に浮いた会議」、結論が見えない「底なし沼の会議」など、はたまた結論ありきの予定調和の「御前会議」など、だれでも一度はこのような実のない会議に参加したことはあることでしょう。

ファシリテーターのスキルはリーダーになるためのスキル

上述の通り、会議にはいろいろな種類の会議がありますが、いずれにしろ何らかの仕事を前進させるための、重要な意思決定の場であるべきです。
そんな重要な会議をスムーズに進行する技術は、ただの会議の進行役などではなく、実際には非常に難易度の高い技術なのです。
 
そんなに重要であり、技術的難易度も高いスキルだからこそ、生産性の高い会議を運営することでができると、結果的に効率的かつ効果的に仕事が前進するし、組織のPDCAサイクルが早く回転することができるのです。
このように、ファシリテーターに求められるスキルは、単なる会議進行の技術などではなく、実は組織のリーダーに求められているスキルでもあるのです。
実際の現場でも、ファシリテーター型リーダーの必要性はますます高まってきています。

昔みたいに、市場が求めていることの答えがあって、いかに実行するかが問題であった時代ではなく、何をすべきかを早く発見すべきかが問題となってきた近年のビジネスシーンでは、このようなファシリテーターのスキルを身につけたリーダーが求められているのです。

では、ファシリテーターに必要なスキルって、いったいどうやって身につけたらいいんでしょうか?

場当たり的な仕切りでは限界。「準備」と「振り」が生産性を左右する

結論から言うと、会議の生産性を上げるコツは「準備」と「振り」です。
経験を積んだ優れたファシリテーターだったら、場当たり的な仕切りでは会議の生産性を高めることができないと認識しているものです。
圧倒的な生産性を生み出す会議を創造するためには、それなりの準備が必要なのです。準備すべきことは大きく分けて、次の2つです。

「準備」その1 議論の論点とゴールを整理しておく

ファシリテーターに求められることは、会議内で参加者の積極的な関与を引き出し、効果的な意見を集め、納得感を提供することです。
そのためには、議論の中心的な話題(論点)が何か?を事前に認識しておくことが重要です。
そうでないと、「…では、なにから始めましょうか?」といった、成り行き任せの議論がスタートすることになってしまいますし、参加者が好き勝手発言し放題で、場の収拾ができなくなってしまうかもしれません。
また、論点だけではなく、ぼんやりとでもいいので議論の落としどころ(ゴール)をイメージしておくことも重要です。
イメージ通り、事が運ぶかどうかは、誰も分かりませんが、なんとなくでもイメージしておくことで、思惑通りに進んでいるのか、それとも予想外の展開になったのかといったその場の取り仕切り方も柔軟にできるようになるはずです。
なにより、会議の参加者にとって、ファシリテーターがゴールをイメージしながら議論を勧めていることは心強く、「いったいこの議論はいつ終わるのか?」「いつまで続くの?」「なんのために議論してるんだっけ?」といった不安感を取り除くことができるはずです。

「準備」その2 参加者の動機と思惑を把握する

優れたファシリテーターが準備すべきことの2つ目は、参加者が会議に参加する動機と思惑です。もちろん、完全に把握することなどは不可能ですし、全員のそれらを事前に把握するのは無理があると思います。
しかし、参加者がどういった思いや状態で参加しようとしているのかは、あらかじめ、ある程度は知っておく必要はあると思います。

とはいえ、具体的にどうすればいいのかといえば、難しいと思いますので、次のようなことを把握するように努めてみてはいかがでしょうか?

1. 知識レベルを把握する

まず、参加者が知っていることと、知らないことが何かを想定しておくようにしましょう。ファシリテーターが知っていることが、参加者が知っていることとは限りません。
逆に、ファシリテーターが知らない情報を参加者が知っていることもあり得ます。というか、参加者の知識レベルがばらばらであるからこそ、集まって議論する意味があるのですから、情報量や知識レベルにどの程度のバラつきがあって、どの程度補足すべきなのかを理解しておく必要はあると思うのです。
あるいは、事前に資料などを送って、参加者の知識レベルを平坦化しておくのもいいと思います。

2. 賛成・反対の立場を把握する

ファシリテーターは会議の最後の場面で、参加者が納得のいく落としどころを参加者自ら探していく手助けをする必要があります。
そのため、参加者が論点に対して、どのような意見をもっているか、つまり賛成なのか反対なのかといった参加者のおかれた立場をある程度知っておく必要はあると思います。
ぼんやりとでもいいので、そういった立場を知っておくことで、妥協点などが見えてくるかもしれません。

3. ポリシーや思想、価値観を把握する

会議によっては、ファシリテーターが活発に意見を出して議論を積極的にまわしてくれる協力者や、うまいところで決定打を放ってくれるキーマンなどを知っておくことも重要です。
いろいろな人が集まってくるということは、いろいろな利害関係をもった人たちが集まるということです。
そういった、さまざまな視点で意見を交換できるように促すことも、ファシリテーターの役割でしょう。

会議を活性化するコツは、話題を「振る」こと

これまでは、会議を開催するまでに必要な「準備」について話をしてきましたが、ここでは、会議がはじまってからファシリテーターにできる会議の活性化術について述べていきましょう。

ファシリテーターにできる会議の活性化術とは、ずばり「振り」です。振りといわれても、よくわからないと思いますが、「話を振る」「ネタを振る」と言えばわかりやすいかもしれません。
つまり、ファシリテーターが会議中に参加者から意見を引き出して、多様な話題に話を広げつつ、納得感の行く結論に導くように促す行為のことを「振り」と言っています。
この「振り」をうなく使いこなすには、以下の4つを意識したほうがいいと思います。

1. 全員に発言してもらう

生産性の悪い会議の典型的な光景として、会議で一人だけがしゃべり続けて、ほかの参加者は誰も発言しない、というシーンがあります。
そんな会議に参加する側としては、いったい何のために参加しているのか?さっぱりわかりらなくなってしまい不完全燃焼のまま終わってしまいかねません。
ファシリテーターとしては、そのような会議になることを絶対に避けなければなりません。
発言していない人がいる場合には、なぜ発言しないのか?できないのか?を常に考えながら会議全体を俯瞰的に観察する必要があるのです。
生産性を上げるためには、ファシリテーターは参加者からの発言を促すために、参加者の不安を取り除き、モチベーションを上げさせることが重要なのです。

たとえば、これまで出てきた話題が予定調和だと感じたら、異動したばかりの人などに「以前の部署ではどうでしたか?違った角度からの意見はありますか?」など、話し手に興味を示しつつ話を振り、その人の立場をふまえて、あえて話を飛躍させてみたり、話を転換させてみるなどの「振り」を工夫をしてみましょう。

なかなか発言できない人は、無意識のうちに意見を言うことに対して、不安を抱えているものです。
中には、過去に恥ずかしい経験をしたり、無思慮な批判にさらされてトラウマとなっている人も多いものです。ファシリテーターとしては、そんな人もいるかもしれないと配慮しつつ、あえてファシリテーター自ら的外れな意見を言って軽い笑いを取ってみたりすることで、この場が安心して発言できる場であることを身をもって示してみるなどの工夫も、ときには必要なのかもしれません。

2. 興味と理解を示す

上でも述べましたが、参加者が安心して自由に発言できる場を作ることはファシリテーターが会議の生産性を上げるための重要なポイントです。そのために、ファシリテーターは、参加者が発言したときには、その発言に興味を示し、内容を理解するように努力している姿勢を見せ、論点を整理してあげて、他の参加者とも共有しやすくしてあげることが大切になってきます。

流れとしては、発言者が話し始めたら、まずは①しっかりと目線を向け興味を示し、②相づちを打ったり、うなづくなどし、理解しようとしている姿勢を示しながら、③発言を傾聴ししっかりと理解する。④その後、話し手に確認などしつつ論点を整理してから、⑤最後に、発言内容をほかの参加者と共有しつつ、別の視点や角度から話を「振り」、新たな展開を促すというサイクルを繰り返すようにします。
この流れが加速すると、好循環で会議が活性化されるのです。

3. タイムマネジメントに気を配る

どんなに活発な議論が交わされていても、有意義な場が形成されていても、時間は有限なので、論点から外れた話題は、どこかで論点にもどすことが重要となってきます。
とくに、楽しい空気のときは、議論を引き戻すのに気が引けてしまうかもしれませんが、そのために結論がでないようでは、会議の本来の目的である納得感の醸成にたどり着くことができなくなってしまいます。

場合によっては、「このまま、この話を続けてもいいですが、ちょっと本筋から外れているような気がします。話を戻しますか?それとも、このまま続けますか?どうしますか?」といった風に、柔らかく参加者に話を振り、参加者自身で決めてもらうようにするなど工夫が必要かもしれません。

4.納得感を醸成する

ファシリテーターの最後の重要な役割は、納得感の行く結論を出すことです。語弊があるといけないので、正確に言うと、納得がいく結論を参加者自らが出すように促すことです。
結論を出すのはあくまでも会議の参加者なのであって、けっしてファシリテーターが結論を出すことはありません。
ここでも、参加者への決断の「振り」が中心となります。
すぐれたファシリテーターになるためには、その認識をしておく必要があります。
結論を促すために、参加者自身がどうしたいと考えているのかを、聞き出し、整理し、共有すること。それがファシリテーターの役割なのです。

会議をコントロールするためにファシリテーターが身につけるべきコツまとめ

これまで、ファシリテーターが身につけるべきコツとして、「準備」と「振り」が重要だと述べてきました。

「準備」には、事前に論点の整理とゴールイメージを持っておくことと、参加者のモチベーションや思想を理解しておくことが大切であり、「振り」には、全員参加の意識、興味と理解を示すこと、タイムマネジメントの意識、納得感を醸成することがポイントでした。
これらのポイントを押さえておけば、ファシリテーター初心者でも会議の生産性を飛躍的に高めることができるはずです。

とはいえ、ファシリテーターに求められるスキルを磨くには、実際の会議の場面で論点を整理したり、話を振ってみたりするなど実践を重ねることが、なによりも大切でしょう。
実際の会議に自らすすんでファシリテーターをやることで、スキルアップを図ってみてはいかがでしょうか?

どうでしたか?お役に立てたでしょうか?

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