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リーダーシップ論や組織論を学べる歴史小説やビジネス小説以外の小説3選

      2017/11/10

坂本竜馬、織田信長、上杉鷹三・・・。司馬遼太郎、高杉良、池井戸潤・・・。歴史小説やビジネス小説では生き生きとした主人公たちの颯爽と活躍する姿を見てスカッとしていて気持ちがいいし、リーダーのあり方や組織論に対しても示唆に富んでいてとっても勉強にもなりますよね。私も大好きですが、人によっては歴史小説は登場人物も多すぎるように感じたり、巻数もけっこうあったりして(「竜馬がゆく」は文庫本で全8巻)、読み始めるのに億劫だったりします。ビジネス小説も現代の話が中心なので読み始めるには歴史小説よりはいいのですが、やはり専門用語もでてきて小難しいイメージがありますよね。タイトルも堅いのが多いし。
歴史小説やビジネス小説以外で、もっと手軽で面白く読み進めることができて、しかも組織論やリーダーシップのあり方とかも示唆が富んだ小説ってないものでしょうか?・・・もちろん、あります。今回は、私のおすすめ小説をいくつかご紹介します。※ネタバレ注意です。

リーダーシップと意思決定のあり方を示唆する良書
『八甲田山 死の彷徨』

リーダーシップを学べる小説としては、定番中の定番ですね。
この本は、旧日本軍の雪山登山訓練での実際にあった遭難事故(訓練参加者210名中199名が死亡)を題材にした新田次郎のベスト・セラー小説で、雪山登山訓練の任務を指示された二人のリーダーを対比させて書かれていて、非常に読み応えがあります。
二人とも雪山登山の恐ろしさを熟知した人物でしたが、二人の結末はまったく違ったものでした。一人は当日の状況を予測したうえで、少数精鋭の部隊編成で万全の準備をしてから出発し、いろいろの難所を越えながら無事目的を果たすことができました。
もう一人のリーダーもおなじく雪山のコワさを知っていながら、登山の経験もすくなく現場の意見に対して無理解な上司の強引な計画を押し付けられて、指示命令系統上、反対することもできず計画を大幅に変更させられて、多くの遭難者をだしました。
現場を知らない上司の無理解や介入が失敗を招いた事例として、リーダーシップの研修でもよく紹介される読み物です。
新規事業などの先が読めない状況においても、企画を立案し実行する中で上司の思い込みによる介入は非常にやっかいなものです。この本を読めば、現場の発案者への信頼と一任が重要であることが再確認できると思います。まさに、大組織における担当者の企画の立案から実行までの意思決定の実態と問題点を赤裸々に描いた、リーダーシップの本質を示唆する良書だと思います。

ちなみに、私は風邪引いていたときに寝ながらこの本を読んだのですが、あまりの臨場感に寒気がして逆に熱が上がってしまいました。それくらい、リアリティのある本でした。

事業の理想からの乖離と私物化を示唆する組織論の名著
『動物農場』

『動物農場』は、当時のソビエト連邦の共産主義革命から組織の腐敗までを農場の家畜たちを主役にして風刺した、ジョージ・オーウェルの1945年の作品で、ウォーター・ストーンズ(イギリスの最大手書店チェーン)の『20世紀の小説ベスト100』で3位になった問題作です。

内容はというと、農場での人間支配からの開放という理想を掲げながら革命を起こしたにもかかわらず、組織内の権力闘争や独裁者の出現、組織の自己矛盾を経て、しだいに組織が私有化されて腐敗し、さいごには人間による支配から豚による支配に入れ変わっただけという皮肉で終わる内容です。
レーニンやスターリンにあたる動物なども出てきて、当時のソ連共産党の実態をもとに描かれているといわれていますが、妙に身近な出来事に感じてしまうのはなぜでしょう?
組織の中央スタッフによる計画経済のムリさ加減や、自己弁護のやり方なんかを見ていると、大きな組織の腐敗ってこんな感じだよねって妙に納得してしまいます。

新規事業なんかでも実績があがってくると、いろんな人が出てきていろんなことを言うようになります。そして、しだいに最初に立ち上げに成功させた人物は外に追い出されてしまい、やがて要領のよい声の大きい人が横ヤリをいれてきたり、あるいは強引に指揮権をうばってしまたりして、事業そのものも理想からほどとおいものになってしまうことがあると思います。また、結局、現場にしわ寄せがいってしまうのは、どの世界でもどの時代でも同じなんだなーという感想でした。
組織のあるべき姿とは何か?そして、組織の自己欺瞞をいかに防ぐか?を考えさせられる、おすすめの一冊です。
ちなみに原書も読みやすいので英語の勉強にもなりますよ。

不測の事態への対応とマネジメントを教える児童書
 『15少年漂流記』

年齢を重ねてから読み直すと違った発見ができるものです。児童文学と思ってバカにしてはいけません。
と、えらそうなことを言っておきながら、実は、私は社会人になってはじめて読んだのですが・・・とってもためになりました。とくにマネジメントについて示唆に富んでいます。コンフリクト(論争)マネジメント、リスク・マネジメント、キャプテンシーなど今だからこそ楽しめる内容が盛りだくさんでした。

内容はご存知の方も多いと思いますが、15人の少年が夏休みを利用して旅行に出ようとしていた矢先に漂流してしまい、見知らぬ無人島で生き抜いていこうとする冒険小説です。子供たち同士がそれぞれの特技や性格に応じて役割分担しながら、最終ゴールを目指す姿は会社で働く大人たちと同じ姿でした。仲間割れがあったり予想外のできことがあったりして、新規事業にはありがちなイベントも盛りだくさんでした。

新規事業にとっては、不測の事態の連続です。いろいろある中で、リスクをとるべきかどうかを判断したり失敗したり、先を見越して準備していても計画通りにいかないことが多いものです。それでも絶望せずに模索してけることがいかに大切か、再確認することができると思います。
新規事業を担当している方で、もし何かの壁にぶつかっているようでしたら、改めて読んでみてはいかがでしょうか?ただの児童書として読むのではなく、今おかれた環境におきかえて読み直してみることで新しい発見が生まれると思います。絶対「あるある~」連発だと思いますよ。

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