ファシリテーターに必要な積極的傾聴の技術を説明します

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ファシリテーターに必要な積極的傾聴の技術を説明します

      2018/08/10

ファシリテーターに必要な積極的傾聴の技術を説明します

今回は、ファシリテーターに必要な技術の中で最も重要な技術である「積極的傾聴」の技術を説明します。

ファシリテーターの大きな役割のひとつに、議論の場のコントロールがあります。
ファシリテーターが活躍する会議やブレストというのは、多様な意見をもった人たちが集まり、話し合いをする場ですので、参加者が積極的に議論に参加できなければなりません。
会議に参加している参加者というのは、自分の発言に対して他の参加者から攻撃されはしないか、つねに不安な状態にいるものです。ファシリテーターは、そんな場の空気をやわらかくし、参加者に安心して発言できるように努める必要があるのです。

その場づくりのひとつの方法が「積極的傾聴」なのです。

そもそも傾聴とは

「積極的傾聴」は英語でActive Listeningと言い、アメリカのカウンセリングの大家で、心理学者でもあるカール・ロジャーズが提唱した手法です。
ロジャースは、これまで自身が行ってきたカウンセリング事例を分析して、効果的だと考えられるカウンセリングに共通しているものが何かを研究し、その結果、カウンセリングを成功させるには、聴く側に相手を尊重した態度が必要であり、そのためには「共感的理解」「無条件の肯定的関心」「自己一致」の3つの条件をクリアしないといけないとしたのです。

ロジャーズの傾聴の3条件

1.共感的理解

話し手の立場になって話を聴き、相手の気持ちに共感しながら理解する態度のことです。
つまり、話し手の主観的な見方や考え方、感じ方や受けとめ方を、自分もその人になったつもりで、見たり、考えたり、受けとめたり、感じたりしようと努めることです。

2.無条件の肯定的関心

話し手の価値観や考え方、感じ方が自分と違っていても、それを受け止める態度のことです。
つまり、話し手の意見の善悪や良し悪しの評価、好き嫌いといった評価をせず、相手の話をじっくり聴く姿勢のことです。相手の話を否定するのではなく、相手の意見の背景やそう考えるにいたった経緯に目をむけ、肯定的な興味を示しながら聴く態度や姿勢を示すことで、相手は警戒せず、安心して話すことができるようになります。

3.自己一致

聴き手が必要以上に自分を良く見せようとしたり、悪いところを隠そうとせず、ありのままの姿を示す態度のことです。
このような態度を示すことで、聴き手は、自分に対しても相手に対しても、ありのままの、フラットでニュートラルな人であることを示すことがでます。

ファシリテーターに求められる積極的傾聴とは

それでは、具体的にファシリテーターに求められる積極的傾聴とは何かを説明しましょう。
結論から言うと、ファシリテーターが積極的に参加者の意見を傾聴をすることで、会議やブレストなどで参加者が心を開いて、自ら「もっと話したい」と思ってもらえるような聴き方をすることです。

より具体的に、ファシリテーターがとるべき姿勢は何かというと、大きく分けて二つに分けることができます。
一つ目は、ノンバーバル・コミュニケーション。つまり、非言語的コミュニケーションであり、言葉を使わず、態度で傾聴を示すことです。
網ひとつは、バーバル・コミュニケーション。言語的コミュニケーションであり、こちらは、言葉を使って傾聴を示すことです。

積極的傾聴とは、これらの非言語的・言語的コミュニケーションを活用して、上記に述べたロジャーズの傾聴の3つの条件を満たすことなのです。
話し手に対して、話し手の意見に対して興味を持っていることや、注意深く、真剣に聴いている姿勢を、実際に言葉と態度で示しながら、より積極的に表現することで、相手が安心して話してくれるような場を構築することと言えます。

それでは、この二つのコミュニケーション手法に対して、さらに詳しく述べて生きたいと思います。

ノンバーバル・コミュニケーションによる積極的傾聴の技術

まずは非言語での積極的傾聴の技術を紹介しましょう。

話し手の目を見る

ファシリテーターが話し手のことを重要視していることや興味があることを示す基本的な方法は、相手の目を見て聴くことです。
話し手の目を見ることによって、きちんと聴いていることを話し手に伝えることができます。普段の生活の中でも、目を見て聴いていない場合は、なんとなく相手は興味がないのかな?といった寂しさや不安を感じるものですよね。
ただ、あまりも見つめすぎたり、じっと凝視されると、逆に居心地が悪くなってしまうことも事実です。このような凝視では、相手に「威圧感」を与えてしまうものです。
会話の流れや会議の状況を見ながら、自然な感じで目を見て話を聴く姿勢を意識してみましょう。

聴くときの姿勢や仕草に気を付ける

ファシリテーターが誰かの話を聞くときに腕を組んだり、貧乏揺すりをしていると、話し手だけでなく、議論参加者に対して不快な気持ちを与えることがあります。
そういった姿勢だけでなく、手持ちの道具や持ち物を触ったりいじったりする、さりげない仕草であっても、しらずしらずのうちに、話し手に緊張感を強いたりすることだってあるのです。
力を抜き、体をゆったりと開いた姿勢を保ち、ファシリテーター自身がくつろいだ仕草を見せることで、話し手だけでなく、参加者に対してもリラックスしている様子を伝えることができるはずです。

身動きや行動、体の向きなどを工夫する

話し手に対して興味を示す方法は、相手の目を見て話を聴くことだけではありません。
若干、前のめりに少し身を乗り出して、話し手のほうに距離を縮める行動でも、相手に対して興味を示すことができます。
また、話を聴くときの体の向きを真正面に向けることで、相手に関心を持っていることを示すこともできます。もしかしたら、一番簡単な方法かもしれませんね。
真正面に向きすぎると、敵対している姿勢を示すことにもなりかねないため、話し手の若干斜め前くらいを見せるくらいがいいという場合もあるようです。
相手の動作をよく観察し、心地よい距離感をはかりましょう。

声の大きさやトーンを話し手に合わせる

話し手は、聴き手の声のトーンや大きさなどで、反応を敏感に感じとるものです。
声の大きさやトーンだけでなく、声の高低や抑揚のありなしなどによって、相手に伝わる感情も変わってくるものです。
話し手に対して、共感していることを示したり、興味があることを示すには、話し手の声のトーンや大きさを合わせることがポイントです。

表情を話し手に合わせる

会議の場を自由で和やかで、安心できる場にするためには、まずは、ファシリテーターがほほ笑むなどし、表情を柔らかくするように努めることから始めてみましょう。
とはいいつつも、無理やりほほ笑むと不自然な笑みとなってしまいかねませんので、無理をせず自然な表情でいることを心がけましょう。
実は、表情を使って、相手にファシリテーターが関心を持っていることを示すのも、前節の声の大きさやトーンと同じように、話し手の表情と同じ表情をすることで、話し手に対して共感や理解を示すことができます。

バーバル・コミュニケーションによる積極的傾聴の技術

これからは言語を使った傾聴の技術を紹介します。

相づちしたり、うなづきながら聴く

相づちやうなづきは、言語を使った一番簡単な積極的傾聴の技術です。
ただたんに、「ほう」とか「へぇ」「ふーん」といった相づちではなく、ファシリテーターとしては、いろいろな相づちを覚えておくことが肝心です。
たとえば、「すごい」「すばらしい」「なるほど」「まさか」「うんうん」「そうですよね」「なるほど」「そうですか」といったように、たくさんの相づちのレパートリーを覚えておき、状況に応じて、効果的に使いわけることで、話し手がリズムよく、気持ちよく話す気持ちになってくれるはずです。

言い換えたり、リピーティングしながら聴く

コーチングなどでもよくつかわれる手法ですが、話し手の言葉を言い換えて表現してみたり、相手の発言をまったくそのまま繰り返すことで、ファシリテーターは話し手に対して聴いている姿勢を示すことができたり、理解を示すことができます。
話し手は、だまって話を聴かれていると、相手がちゃんと聞いているのか、理解できているのか、不安になってくるものです。
きちんと理解できていなかったとしても、聴いている姿勢を示したり、自分なりの理解を表現することで、共感したり理解しようとしている姿勢を伝えることができるのです。

意味のある問いかけをする

ファシリテーターが話し手に対して、傾聴していることを示す最善の方法は、意味のある問いかけをすることです。
質問は、相手の話を聞いていないとできません。したがって、質問されるということは、きちんと話を聴かれているということになるのです。
そして、質問をするときには、「はい」「いいえ」だけで答えられるような問いかけをするのではなく、話し手にとって話が広がるような意味のある問いかけをすることで、聴いている姿勢を示すだけでなく、意見やアイデアの飛躍を楽しむことも提供することができるはずです。

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