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図解表現で悩んでいませんか?コンサルタントが使いこなす9つの図解表現。教えます!

      2016/02/05

新規事業の企画を担当していると、上司や関連各所、そして意思決定者にプレゼンする機会が多いはずですが、プレゼンをスムーズにすすめるためには、できるだけ視覚的に理解してもらうことが大切になってきます。
とくに、現場から離れている意思決定者に直感的に理解してもらう工夫が必要です。

そんなときに、活用したいのがグラフなどの図解表現です。棒グラフや円グラフは、日ごろから使っているのでなじみがありますが、グラフ以外の図解表現でもっと効果的な図解表現もたくさんあって、それぞれの用途や相性があります。
これらの図解表現を縦横無尽に使いこなすことによって、プレゼン発表の空気をコントロールしちゃいましょう!

経営コンサルタントの9つの図解表現

商品を形で見せることができる製造業や、価値や品質を直感的にイメージできるサービス業とは違って、経営コンサルタントが提供する価値は「概念(コンセプト)」なので、相手に伝えにくい特長があります。コンセプトの価値をいかに高めて企業活動に役立ててもらえるかが、経営コンサルタントの存在価値ですが、アウトプットとしての成果物としては「資料」しかありません。したがって、論理的な思考・思索の結晶を資料の上に表現してこそ、コンサルタントの付加価値が高まるのです。図解表現と論理的思考は一心同体なのですね。
このように、コンサルタントには高い経験値や思考力だけでなく、アウトプットとして価値を高めるために、説得力や納得力をもった資料作りがもとめられるのです。

そんな業界特性のため、新米コンサルタントには、入社時に論理的なつながりを表現する図解表現する研修を義務付けているコンサルファームもあります。しかし、コンサルタントが良く使う9つの図解表現は、基本的に9つしかありません。
これらの図解表現を、必要に応じて適切に選択することができればいいのです。
それでは、さっそく9つの図解表現を見てみましょう。

1.マトリックス

コンセプトや商品の相対位置(ポジション)を示すことができる図解表現です。
代表的な例にプロダクト・ポートフォリオやアンゾフのマトリクスなどがあります。
プロダクト・ポートフォリオでは、商品の市場成長性と市場シェアの2つの指標を軸にして、4つの象限に区分けして、成長率は高いもののシェアが低い「問題児(育成が必要な商品)」、シェアも成長率も高い「スター(成長過程の商品)」、成長率は低いもののシェアが高い「金のなる木(成熟した高利益な商品)」、シェアも成長率も低い「負け犬(撤退すべき商品)」と表現することができます。

ppm

マトリックスは、定性データにも定量データにも向いています。
上ではプロダクト・ポートフォリオを定量データの例で示しましたが、アンゾフのマトリクスは定性データの代表例です。

anzoff

このマトリクスでは、「商品か市場か」の概念と「既存か新規か」の概念の2つの概念軸で区切り、第一象限を「新製品開発(新規商品を既存市場に投入)」、第二象限を「市場浸透(既存商品を既存市場で投入)」、第三象限を「新市場開拓(既存商品を新規市場に投入)」、第四象限を「多角化(新規商品を新規市場に投入)」に表現し、どの概念を選択すべきか議論できます。

2. グラフ

時系列などの軸に沿って、ある指標の変化を示すことができる図解表現です。
代表的な例に棒グラフや折れ線グラフがありますよね。

graph

これらのグラフでは市場シェアの推移や売上・利益の推移を時系列で表現することができます。ちなみに、この定義では、円グラフは後述する「5.マップ」に位置づけられ、基本的に定量データにしか使えません。

3. ウォーターフォール

棒グラフの応用版で、ある指標を構成する内訳の増減を示すことができる図解表現です。
代表的な例に、コスト構造の経年変化グラフがあります。
左端に前年度のトータル費用があり、その右からたとえば変動原価の変化分、固定費用の変化分などの増減した差分だけを示すことで、どの項目が貢献していてどの項目に問題があったのかを表現することができるようになります。
以下は、市場全体においてターゲット市場への浸透状況(漏れ分析)を示すウォーターフォールの例です。

waterfall

ウォーターフォールは、基本的に定量データにしか使えません。

4. 相関図

複雑な因果関係を示すことができる図解表現です。
代表的な例に負のサイクルやシステム思考があります。

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システム思考とは、『最強組織の法則』(ピーター・センゲ著)で提唱されているラーニング・オーガニゼーションを構成する概念で、ある事象は別の事象によって引き起こされており、すべての事象は相互作用的に連鎖しながらシステム全体を構成しているという考えです。
システム思考は、その事象間の因果関係を表現することができると考えられています。多くの場合、定性データに使われます。

5.マップ

全体像を鳥瞰的に示すことができる図解表現です。業界のシェア構造や事業の利益構造を示すことができます。
シェアの構造を図解する代表的な例にはメリメッコがありますが、ここでは、事業の利益構造を示す業績マップを紹介します。
業績マップでは、企業の業績(B/SとP/L)を4つの象限に区切り、第一象限に有利子負債、第二象限に資産、第三象限にコスト、第四象限に売上を表記して全体のバランスを構造的に表現することができます。

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構造マップでは、定性データでも定量データでも使えます。

6. ツリー

複雑な論理構造や争点の構造を示すことができる図解表現です。
代表的な例にイシュー・ツリーやロジック・ツリーがあります。
ロジック・ツリーでは、ある事象を構成する要素をMECEに分解して、分解された要素間にレベルを設け、それぞれを紐付けることで論理的なつながりを表現することができます。

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ツリーは、定性データにも定量データにも向いています。定性データは上で示したような論理的な概念の構造を示すことができる一方で、定量データの場合は、たとえば売上=単価×数量などの計算式に分解するように、売上データを単価データと数量データに分割して論理関係を紐付けるなどひとつのデータを深く分解したいときに効果的です。

7.表・テーブル

自由な尺度で複数の選択肢を比較することができる図解表現です。
代表的な例としては、戦略オプションです。
いくつかの選択肢が戦略オプションとして羅列されてあり、それらの中から最適なものを選択する場合に、オプションごとの定性的な特徴を複数の項目で比較するときに有効です。

表・テーブルは、定性データにも定量データにも向いています。
定性データでは、上でしめしたようなオプション説明などの多様な比較をするときに向いています。

定量データでも比較するときには有効ですが、時系列で表示するときにはグラフと用途が重なることがあるので、注意が必要ですね。
増減を視覚的に訴えたい場合にはグラフのほうが有効だし、正確な数値が必要な場合においては表・テーブルのほうが、都合が良いでしょう。
読み手に訴えたいことが何かをしっかり考えて、使用するツールを選択する必要があるのです。

8.フロー図

プロセス全体の構造と流れを示すことができる図解表現です。
代表的な例にバリューチェーンがあります。
バリューチェーンでは、あるビジネスモデルの原材料の仕入れから顧客への販売、アフターサポートまでの各要素の付加価値や競合情報などを一気通貫で示すことで、ビジネスモデルにおける価値創造プロセス全体の価値連鎖を表現することができます。

valuechain

フロー図は、定性データにも定量データにも向いています。
定性データであれば、各プロセスの業務内容の説明などを示すことで、事業プロセスの前後関係のつながりを明示することなどができます。
定量データの場合は、各プロセスの付加価値を示すことで、もっとも重要なプロセスはどこなのかを表現することができます。

9.プラン

スケジュールや担当者およびタスクを整理して示すことができる図解表現です。
代表的な例にガントチャートがあります。

plan

ガントチャートは、横軸にスケジュールをとり、縦軸にタスクを構造的に示すことができます。
それぞれのタスクに担当者や納期、予算などの必要な項目を設けることでプロジェクトを管理するための項目を表現することができるでしょう。基本的に定性データでしか使えません。

ドキュメンテーションと論理的思考は一心同体

論理的に考えることができれば、どの図解表現をつかえばいいかは慣れてくれば自然と判断できるようになりますが、だからといって、論理的思考ができなければ図解表現を使いこなせないかといえばそうでもありません。
図解表現をいろいろ試しながら、失敗していくうちに論理的思考が鍛えられるようにもなってくるのです。むしろ、論理的思考が苦手だと感じている人は、優れた企画書をたくさん真似してみることをお勧めします。いろいろな人の図解表現を真似していると、論理的な矛盾に気づくようになったりして、次第に論理的思考も身についてくるものです。
ドキュメンテーションとの論理的思考は一心同体なのです。

基本的には、経営コンサルティングの現場で使われている図解の種類は多くてもこの9つしかないと聞いて、それだけなら覚えられると思ったのではないでしょうか?
実際に私も慣れるまでは、手帳に9つの図表と用途を書いて、資料作成時にはいつも見返していたものです。
もちろんクライアントの業務や業種によって、ネットワーク図や組織図などのここに示されていない図表も加わりますが、自分の考えを表現する図表としては基本的に上記の9つで事足りるはずですよ。
これらの9つの図解表現を覚えておくだけで、自分のアイデアや言いたいことをビジュアル的にわかりやすくすることができ、きっと読み手にストレスを感じさせず、プロフェッショナルなイメージを与えることができるでしょう。

 

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