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新しいアイデアの切れ味をチェックする4つの視点

      2016/02/05

一般的に、新規事業の成功率はかなり低いといわれていますが、その最大の理由は、アイデアの切れ味を事前に、全網羅的にチェックできないことにあります。

そもそも新規事業とは、誰もやったことがないアイデアだから仕方がない部分もあるので、ある意味、新規事業の宿命とも言えますが、とはいいつつも、ある程度は予測してリスクを減らしておきたいと思うのが人情ですよね。

ここでは、新規事業のアイデアを思いついても、突っ走ったりする前に、ちょっと立ち止まって、最低でもこれだけは考えておこうよ!といった「アイデアの切れ味をチェック」する視点をいくつか挙げておきたいと思います。

1. それって、誰かの役に立つの?誰が得するの?

アイデアをひらめいたときは、すっきり!した気分になって、とっても快感です。
でも興奮の中でただ一人突っ走っても、誰も付いてきていないことになってしまいます。
そして、アイデアに引っ張られるような形で、ずんずん突き進んでいるうちに、誰も得しない事業になっては目も当てられない状況になってしまいます。
かつて、超音速旅客機という夢に見せられて、イギリスとフランスの共同でコンコルドが開発されたとき、莫大な投資に見合うだけの利益が得られそうにないことがわかっても、「いままでの努力が水の泡になってしまう」といって、冷静な判断ができず莫大な赤字を垂れ流し続けたことがありました。

コンコルドまでの規模でなくても、新規事業には失敗リスクが高いものですよね。
だからこそ、新規事業のアイデアは事前に、戦略性、経済性、成長性、実現可能性といった視点でチェックが必要なのです。
アイデアに魅せられたそんなときこそ、まずは落ち着いて、冷静になってみることが、大切です。
一晩、寝かせてみたり、他の作業に集中したりして、頭のなかから完全に忘れてしまった上で、もう一度アイデアを冷静に振り返られるようにする工夫が必要です。

まずは、落ち着いて、冷静になって、そのアイデアがいったいだれの役に立つものなのか?誰が得するのか?自分自身に問い直してみましょう。

2. 根拠は正しいの?なぜそういえるの?

推理小説には、登場人物と場面設定があり、犯罪の事実と形跡、時間の経過やアリバイなどの情報があります。複雑な人間関係やアリバイを解くトリックなど、さまざまな前提条件の中で真犯人を見つけたり、主人公がナゾを紐解いていく様子はとっても面白いものです。
先が読めない展開ほど、解決したときにはすっきり感がありますよね。

新規事業などのアイデアをひらめくということは、解決することが難しい推理問題を解決したときと似た感動があるものです。
でもいいと思ってみても、どこかで矛盾が発生していたり、論理展開にムリがあったりすることがあるものです。
完璧を目指す必要はありませんが、検討漏れしていたところが致命的な問題にならないようにしなければ、せっかくのアイデアが葬り去られてしまいかねません。

そうならないためにも、自分のアイデアが優れている根拠を書き出してみましょう。まるで推理小説のように、ライバル企業やターゲット顧客などの「登場人物」や、潜在ニーズやボトルネックなどの「ナゾ」、自社のリソースや業界の競ちパターンなどの「場面」を、ストーリー立てて考えてみることをお勧めします。こうやってストーリーだてて戦略をチェックすることで、きっと腹落ち感も増すはずですよ。

3. 今までの経験と照らしてみて、どう思う?どれくらいの確率でうまくいくと思う?

これまで経験したことのない事業や商品において、目が覚めるような、すばらしい(と思う)アイデアを思いついたら、これまでの自分の「ひらめいた経験」と照らし合わせてみることをお勧めします。

そもそも、新規事業を立ち上げる目的でまったく新しいアイデアを考えているのだから、定義上、これまでの経験が生かせない状況のはずです。ビジネス上の経験が生かされない場合は、ビジネス以外で経験してきたことが頼りですよね。
たとえば、自分が以前に、何かの商品を使っているときに不便に思った経験や、サービスを受けて不快に感じた経験は、自分のアイデアのチェック機能の役割を果たしてくれるはずです。
だから今度は、あなたのターゲットのお客さまが、あなたのアイデアで(かつて自分が感じたように)不便さを感じないか、不快にならないか、そのためにはどのような機能を発揮しなければならないか、どんな顧客満足を提供しなければならないかなど、いろいろな視点でチェックさせてくれるはずです。

もちろん、人生経験には、商品やサービスの使用経験だけではありません。新しいアイデアをひらめいて試してみた経験自体が、豊富な知見であるはずです。
たとえば、スポーツでスランプになったときに、悩みながら新しいアイデアを出して乗り越えた経験や、受験勉強で失敗したり成功した経験、失恋したり、仲直りをしようとした経験があるはずです。

今こそ振り返って、「いままでいろいろ試してきたはずだけど、うまく行ったときって、どうやってたっけ?」と思い出してみるのです。
そうすると、「前にも同じようにひらめいたけど、チームメイトにうまく伝えられなかったんだよね・・・」とか、「そうそう。あの時は、ポイントを絞ることでうまく行ったんだよ!」なんて、思い出すこともあるはずです。そんな過去の経験こそが、新しいアイデアのチェック機能を果たしてくれるのです。

4. もう一度、自分以外の立場で評価してみる。

これまで述べた3つの視点を、最後にもう一度、自分以外の立場から考えてみましょう。
ライバル企業の立場になってみると、実は簡単に真似できたり、むしろもっと上手にできたりしないか考えて見ます。
または、お客さまの立場になってみると、実はいろいろな不都合がでてきたり、思ったより役に立たないことがわかったりするものです。実際の用途やシチュエーションを想像しながら、考え直すことで、アイデアをブラッシュアップすることだってできるはずですよね。

もしかしたら、社内では他の部署の顧客を奪ってしまうことになったり、すでに出ている商品を共食いしてしまうことなんてこともわかってきます。社長の立場にたったら、売上を上げている商品と競合するようなアイデアを、採用するでしょうか?これまでの商品以上に売上が期待できたり、その商品によって新しい顧客を開拓できたりするようでないと、難しいかもしれませんよね。

自分以外の立場にたって、アイデアを評価することで、いままで見えていなかった課題が見えてきます。
もちろん、そんなことがわかったからといって、諦める必要はありません。このような視点で考えることができたということは、それだけで大きく前進しているともいるのです。なぜなら、アイデアの実現方法として課題を洗い出すステップに踏み込んだということなのですから。

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